代々木公園Park-PFI計画とは|東急建設が手がける東京都初の公募設置管理制度事業

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「代々木公園Park-PFI計画」は、2025年に開業した商業施設「代々木公園 BE STAGE」を含む、公園一体型の再開発プロジェクトです。本記事では、事業概要を整理するとともに、東急建設が手がけた設計や環境配慮のポイントについて紹介します。
「代々木公園Park-PFI計画」とは|事業概要

「代々木公園Park-PFI計画」は、都市公園と商業施設の一体的な整備を目的とした再開発事業です。
事業名の「Park-PFI」とは、「公募設置管理制度」の略です。都市公園に設置した飲食店などの施設の収益を活用し、公園施設の整備を行う民間事業者を選定する制度で、本事業が都内で初適用された事例となります。
所在地・計画地

「代々木公園Park-PFI計画」の計画地は、東京都渋⾕区神南⼀丁目25番39です。アクセスは、JR渋谷駅から徒歩約12分、JR原宿駅から徒歩約8分と、渋谷と原宿の中間点に位置しています。
代々木公園は渋谷区のほぼ中央に位置し、東京23区の中でも5番目に大きい公園とされています。本計画地はもともと代々木公園の範囲外にあったエリアですが、再開発をきっかけに一体的に整備されることとなり、現在は代々木公園の最南端エリアの一部として位置づけられています。
構造・建築の特徴

「代々木公園Park-PFI計画」では、公園の一部に商業施設が建設されています。商業施設の構造は、以下の通りです。
| 建物 | 構造 |
|---|---|
| レストラン棟 | 鉄骨造(⼀部RC造)地下1階・地上3階建 |
商業施設は、公園との連続性を重視した建築計画が特徴的です。外観は木製ルーバーを多用した曲線的なデザインとし、壁面の多くを超大口開口の店舗向けサッシで構成しています。こうして公園の緑と視覚的につながることで、建物と公園が一体となった空間づくりを実現しています。
敷地面積・延床面積
敷地面積と延床面積は、以下の通りです。
- 敷地面積:4,182.27㎡
- 延床面積:約2,500㎡(レストラン棟)
着工日・オープン予定日
着工日とオープン予定日は、以下の通りです。
- 着工日:2022年5月9日(既存建物の解体工事)
- 開業日:2025年2月20日(公園の一部エリア)
なお、商業施設については2025年3月15日から一部店舗が先行開業し、その後、全8店舗のテナントが順次開業予定とされています。
ゼネコン|東急建設
「代々木公園Park-PFI計画」の施工を担当するゼネコンは、東急建設です。なお、設計は東急建設コンサルタントとなっています。
代々木公園Park-PFI計画で注目されている設計・環境配慮のポイント
代々木公園Park-PFI計画では、公園の再開発と収益化事業を両立させるため、設計と環境配慮の両面からさまざまな工夫が盛り込まれています。ここからは、本事業で注目されている設計テーマや、環境配慮のポイントについて紹介します。
設計テーマは「都市と公園をつなぐ」

代々木公園Park-PFI計画では、「都市と公園をつなぐ」を設計テーマとしています。渋谷と原宿の真ん中に位置する立地条件を踏まえ、公園と街が自然につながるよう計画されています。
全体の構成としては、敷地の南側に商業施設、北側に公園空間が置かれています。来園者の滞在性を高めるため、商業施設にはフードホールやスポーツをテーマとしたテナントが導入される予定です。
中央部にはイベント利用を想定した広場やテラスを配置し、日常利用からイベントまで幅広い使われ方に対応できる空間構成としています。また、南側には、渋谷・原宿のカルチャーを増進する場として「アーバンスポーツパーク」が整備される計画です。
広場とパークによる多層的な空間構成
公園空間は、アーバンスポーツパーク、発信テラス、にぎわい広場の3つのエリアで構成されています。これらのエリアは商業施設の周囲に配置され、公園利用と商業利用の動線が重なる構成です。各エリアは、スポーツ利用や滞在、イベントなど、多様な使われ方を想定して計画されています。
本事業が都内初適用となるPark-PFI事業では、公園内施設からの収益を整備に活かすことが目的のひとつとされています。そのため、こうした空間の組み合わせにより、今後の運用を見据えた公園づくりが進められています。
都心商業施設として初のZEB Ready取得
代々木公園Park-PFI計画は、都心の商業ビルとして初の「ZEB Ready」を取得しています。ZEB Readyとは、建物の省エネルギー性能を示す指標のひとつで、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)に基づき、一般社団法人住宅性能評価・表示協会が評価と認定を行っています。
園内の商業施設である「代々木公園 BE STAGE」では、一次エネルギー消費量の削減率が50%を達成したことから、ZEB Readyの認定を受けました。ZEBは一次エネルギーの消費量に応じて4段階に区分されており、ZEB Readyはこのうちの2段階目にあたります。
代々木公園Park-PFI計画では、このような認証取得を通じて、環境に配慮した公園施設としての再開発と運用に取り組んでいます。
まとめ
代々木公園Park-PFI計画は、東京都内で公募設置管理制度(Park-PFI)事業が初めて適用された事例です。Park-PFI事業は公園内施設の収益を活用して整備を進める仕組みであることから、商業施設の集客がひとつの課題となっています。
本計画では、公園と都市のつながりを意識した配置計画に加え、園内施設においても公園の自然と連続する空間づくりが図られています。こうした工夫により、公園全体の滞在性を高める取り組みが行われています。
都市公園を取り巻く環境が変化する中で、今回の事例は、今後の都市公園整備を考える際の参考になりそうです。