RCCMとは?|2026年度の試験日程・受験資格・難易度・合格率・22部門を解説

RCCM(シビルコンサルティングマネージャ)は、建設コンサルタント等業務に携わる技術者の技術管理能力や専門技術力を認定する資格です。道路や河川、鋼構造、土質・基礎など22の専門技術部門に分かれています。
そこでこの記事では、RCCMの概要や、国家資格である技術士との違いを解説したのち、資格要件や合格率、取得するメリットについて詳しく紹介していきます。
RCCMとは?
RCCMとは、建設コンサルタント等業務に携わる技術者の技術管理能力や専門技術力を認定する資格です。
正式名称は「シビル コンサルティング マネージャ(Registered Civil Engineering Consulting Manager)」と言い、一般社団法人建設コンサルタンツ協会が資格試験と登録制度を運営しています。国家資格ではなく、建設コンサルタント業界で活用されている民間資格です。
また、RCCMの資格は道路や河川、橋梁、上下水道などの社会インフラに関する調査・計画・設計・維持管理業務で活用されており、発注機関や業務内容によっては、管理技術者や照査技術者の資格要件として認められます。
(出典:建設コンサルタンツ協会「RCCM資格ホームページ」)
ただし、RCCMを取得すれば、すべての業務で管理技術者や照査技術者になれるわけではありません。必要な資格や実務経験は、発注機関や業務、専門分野によって異なるため、入札説明書や特記仕様書を確認する必要があります。
RCCMは土木設計の仕事で役立つ資格です。詳しくは以下の記事もチェックしてみてください。
RCCMと技術士の違い
RCCMとの比較に挙がりやすいのが、国家資格である「技術士」です。どちらも技術者の専門性を証明する資格ですが、次のように目的・認定団体・資格区分が異なります。
| 比較項目 | RCCM | 技術士 |
| 資格の種類 | 民間資格 | 国家資格 |
| 専門部門 | 22部門 | 21部門 |
| 主な評価 | 技術管理能力・専門技術力 | 専門知識・応用能力・技術者倫理 |
| 試験 | 記述式・択一式のCBT試験 | 第一次試験・第二次試験 |
| 主な活用分野 | 建設コンサルタント等業務 | 科学技術に関する幅広い分野 |
参考1:建設コンサルタンツ協会・RCCM資格制度事務局「資格制度概要」
参考2:日本技術士会「技術士試験 受験のすすめ」
RCCMは、建設コンサルタント等業務に特化している点が特徴です。一方、技術士は科学技術に関する幅広い分野を対象とし、高度な専門知識や応用能力、技術者倫理を認定する国家資格です。
そのため、RCCMを技術士の単純な下位資格と考えるのではなく、担当する業務や勤務先で求められる役割に合わせて取得する資格を選ぶことが大切です。
2026年度RCCM資格試験の日程
2026年度のRCCM資格試験は、2026年5月11日から6月10日まで受験申し込みを受け付け、9月1日から10月31日まで試験が実施されます。
| 項目 | 2026年度 |
| 受験申込期間 | 5月11日~6月10日 |
| 試験予約期間 | 7月4日~10月27日 |
| 試験期間 | 9月1日~10月31日 |
| 合格発表 | 2027年3月1日 |
| 試験方式 | CBT方式 |
受験申し込み後は、プロメトリックで試験A・試験Bの受験日時と会場を予約します。両試験は同日に受験することも、別日に分けることも可能です。
RCCMの資格要件と受験条件
RCCMを受験するには、建設事業の計画・調査・立案・助言や、建設工事の設計・管理などの「建設コンサルタント等業務」に、一定期間従事している必要があります。
必要な実務経験年数は、最終学歴によって次のように異なります。
| 最終学歴 | 必要な実務経験年数 |
| 大学院後期課程修了・博士号取得 | 学位取得後2年以上 |
| 大学院前期課程修了・修士号取得 | 修了後5年以上 |
| 大学卒業 | 卒業後7年以上 |
| 短期大学・高等専門学校卒業 | 卒業後9年以上 |
| 対象となる2年制の理工系専修学校卒業 | 卒業後9年以上 |
| 高等学校卒業 | 卒業後11年以上 |
| 中学校卒業 | 卒業後14年以上 |
出典:建設コンサルタンツ協会「令和8年度 RCCM 資格試験 受験の手引き」
実務経験年数は、受験する専門技術部門に限らず、建設コンサルタント等業務に従事した期間の合計で算出します。そのため、受験する部門と過去の実務経験がすべて同じ分野である必要はありません。
ただし、試験では受験部門に関する業務経験が問われるため、自身が担当した業務内容に合った部門を選ぶことが重要です。
※実務経験年数は、2026年3月末日時点で計算します。
※すでに合格している部門を再度受験することはできません。
また、建設コンサルタントの仕事内容を詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
建設会社や製造会社での経験は実務経験に含まれる?
建設会社や製造会社に勤務している場合でも、建設事業の計画・調査・立案・助言や、建設工事の設計に従事した期間は、建設コンサルタント等業務の実務経験として認められます。
一方、建設工事の監督業務に従事した期間は、原則として実務経験に含まれません。
ただし、「施工計画、施工設備及び積算」部門を受験する場合に限り、工事監督業務に従事した期間も実務経験として認められます。ほかの部門を受験する場合は、工事監督業務の経験を実務経験年数に算入できないため注意が必要です。
RCCMの専門技術部門は22部門
RCCM資格試験は、次の22の専門技術部門に分かれています。受験時には、自身の業務経験や専門分野に合った部門を1つ選びます。
| 部門コード | 専門技術部門 |
| 1 | 河川、砂防及び海岸・海洋 |
| 2 | 港湾及び空港 |
| 3 | 電力土木 |
| 4 | 道路 |
| 5 | 鉄道 |
| 6 | 上水道及び工業用水道 |
| 7 | 下水道 |
| 8 | 農業土木 |
| 9 | 森林土木 |
| 10 | 造園 |
| 11 | 都市計画及び地方計画 |
| 12 | 地質 |
| 13 | 土質及び基礎 |
| 14 | 鋼構造及びコンクリート |
| 15 | トンネル |
| 16 | 施工計画、施工設備及び積算 |
| 17 | 建設環境 |
| 18 | 機械 |
| 19 | 水産土木 |
| 20 | 電気電子 |
| 21 | 廃棄物 |
| 22 | 建設情報 |
2026年度の試験でも、試験Aの問題Ⅰと試験Bの問題Ⅳでは、申し込み時に選択した専門技術部門に関する内容が出題されます。
受験する部門の選び方
受験部門は、現在の所属部署や職種名だけでなく、これまで実際に担当した業務内容をもとに選びます。特に、試験Aの問題Ⅰでは、受験する専門技術部門に関する業務経験を記述するため、次の点を確認して選ぶことが大切です。
- 自分が主体的に担当した業務経験があるか
- 業務上の課題や対応内容を具体的に説明できるか
- 今後、管理技術者や照査技術者として担当したい分野か
たとえば、橋梁の設計や補修業務を担当している場合は「鋼構造及びコンクリート」、地盤調査や基礎設計を担当している場合は「土質及び基礎」が候補になります。
なお、実務経験年数の算定では専門技術部門を問いませんが、試験では受験部門に関する業務経験や専門知識が求められます。経験年数を満たしているだけでなく、記述問題に対応できる部門を選びましょう。
RCCMは複数部門を取得できる?
RCCMは、異なる専門技術部門であれば複数部門を取得できます。
一方、すでに合格している部門を再び受験することはできません。複数部門の取得を目指す場合は、未取得の部門を選んで申し込む必要があります。2026年度の受験手引きでも、すでに合格している部門は受験できないと案内されています。
実際に私が勤めていた建設コンサルタント会社でも、複数部門の取得を進め、全22部門の取得を目指している社員がいました。
RCCMの試験内容
RCCM資格試験は、「RCCM試験A」と「RCCM試験B」の2つに分かれており、合否判定を受けるには両方を受験する必要があります。試験内容は、次のとおりです。
| 試験 | 問題 | 主な出題内容 | 解答形式 |
| 試験A | 問題Ⅰ | 受験する専門技術部門の業務経験 | 記述式 |
| 問題Ⅱ | 業務関連法制度、建設一般の知識、技術者倫理など | 択一式 | |
| 試験B | 問題Ⅲ | 管理技術力 | 記述式 |
| 問題Ⅳ | 土木関連の基礎技術知識、受験部門の専門技術知識 | 択一式 |
問題Ⅰでは、自身が経験した業務について、受験する専門技術部門に沿って記述します。一方、問題Ⅲでは、建設コンサルタント等業務を管理するうえで必要となる考え方や対応力が問われます。
また、問題Ⅱ・Ⅳは択一式で、法制度や技術者倫理、土木の基礎知識、専門分野に関する知識などが出題されます。
なお、2026年度のRCCM資格試験はCBT方式で実施され、記述問題はキーボード、択一問題はマウスを使って解答します。試験A・試験Bはそれぞれ130分で、予約状況によっては同日に続けて受験することも、別日に分けて受験することも可能です。
過去問の入手先と使い方
RCCMの合格を目指すなら、過去問の活用は必須です。以下に入手方法を整理しました。
- 建設コンサルタンツ協会の公式サイト
(一部の年度についてはPDFで問題例を公開中) - 参考書・問題集の市販本
- 受験対策スクールの教材
- 過去問配信サイト(SUKIYAKI塾)
過去問を入手したら、最初は「問題を読むだけ」で出題傾向を確認し、次に自分の業務経歴と一致する問題に注目、その後に記述構成(結論→根拠→実務例)を真似して書く練習を続けることによって、傾向や対策が身についていきます。
RCCMの難易度と合格率
RCCMは「中堅〜ベテラン向けの実務者試験」であるため、合格率は例年25〜40%前後とやや難関です。

業務経験を積み、実践力を磨いてきた技術者であり、しっかりと準備をすれば、十分に合格可能な現実的な難易度です。これまで培ってきた知識・スキルが活きるため、ぜひ前述した過去問による学習をスタートしましょう。
合格までに必要な勉強時間と対策法
RCCM試験に合格するには、おおよそ150〜250時間の学習時間が必要だと言われています。実務経験、そして記述対策を中心にした戦略的な学習が欠かせません。
なお、上記の勉強時間はあくまで経験を積んだ技術者の場合です。経験が浅い人や確実な合格を目指している方は300時間(1年程度の対策なら1日1時間)の勉強を目安にするとよいでしょう。
RCCMを取得するメリット
RCCMを取得すると、建設コンサルタント等業務に必要な技術管理能力や専門技術力を証明できます。主なメリットは、次の3つです。
管理技術者・照査技術者として活躍できる
RCCMは、発注機関や業務内容によって、管理技術者や照査技術者に求められる資格として認められる場合があります。
そのため、資格を取得することで、これまで担当者として携わっていた業務から、業務全体の管理や成果物の照査を担う立場へと仕事の幅を広げられる可能性があります。
ただし、必要な資格や実務経験は発注機関・業務によって異なるため、RCCMを取得すればすべての業務で管理技術者や照査技術者になれるわけではありません。
昇進・転職で評価される可能性がある
RCCMは、一定の実務経験と専門技術力を有していることを示せるため、建設コンサルタント会社などで昇進や転職時の評価材料になる可能性があります。
勤務先によっては資格取得を推奨していたり、資格手当の対象としていたりするケースもあります。
ただし、資格手当の有無や金額、昇進への影響は企業によって異なるため、「RCCMを取得すれば必ず年収が上がる」とは限りません。
技術士へのステップアップにつながる
RCCM試験では、専門分野の知識だけでなく、業務経験や管理技術力、技術者倫理なども問われます。
これらは、技術士を目指すうえでも役立つ経験や考え方です。そのため、RCCMの取得後に、さらに専門性を高めるため技術士を目指すのもキャリア形成のひとつです。
なお、RCCMと技術士は制度や資格の目的が異なるため、RCCMが技術士の下位資格というわけではありません。勤務先や担当業務で求められる資格を踏まえて取得を検討しましょう。
RCCM合格後の登録・更新
RCCM資格試験に合格した後は、RCCMとして登録するための手続きが必要です。試験に合格しただけで登録が完了するわけではないため、合格後はRCCM資格制度事務局の案内に従って新規登録を行います。2026年度試験の合格発表は、2027年3月1日に予定されています。
また、登録後も、RCCM資格を継続するためには所定の更新手続きが必要です。
| 項目 | 内容 |
| 新規登録 | 試験合格後に資格登録を申請 |
| 登録の継続 | 有効期間に応じて更新手続きが必要 |
| CPD | 更新時に所定の継続教育実績が必要 |
| 確認先 | RCCM資格制度事務局の最新案内 |
登録の有効期間や更新に必要なCPD単位、手数料などは、登録時期によって最新の要件を確認する必要があります。試験合格後は、RCCM資格ホームページで公開される登録・更新の案内を確認して手続きを進めましょう。
RCCMについてよくある質問【FAQ】
RCCMと技術士の両方を取得するべき?
RCCMと技術士は評価軸が異なるため、両方を取得すれば、高い専門性と信頼性を得られます。特にRCCMは実務に強く、技術士は国家資格として社会的評価が高いです。官公庁案件や昇進を視野に入れるなら、ダブル取得が有利です。
実務経験が足りない場合は受験できる?
実務経験年数が基準に満たない場合、基本的には受験できません。たとえば大学卒なら7年以上の実務経験が必要です。ただし、経験年数の算定に関する判断基準には例外もあるため、協会の要項をよく確認することをおすすめします。
RCCMは独学でも合格できる?
独学で合格を目指すことは可能です。ただし、RCCM試験には択一問題だけでなく、業務経験や管理技術力を問う記述問題もあります。過去問の確認に加えて、自身の業務経験を文章にまとめる練習や、CBT方式での入力練習も進めておくことが重要です。
まとめ
RCCMは、建設コンサルタント分野での実務力・専門性を証明できる重要な資格であり、キャリアアップ・年収向上・社会的信頼の獲得につながる実践型の資格でもあります。
業務経験を積んできた技術力を社会に証明するために役立つ資格ですので、年収アップ・キャリアアップのためにも、取得を検討してみてください。