【2026年最新版】建築確認申請費用はいくら?30万・50万・100万の違いと内訳、依頼先の種類も完全ガイド

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Category:コラム建築
Tag:建築

著者:上野 海

家を建てるときに必ず必要になる「建築確認申請」ですが、費用が30万円・50万円・100万円くらいになるなど、金額が違うのはなぜでしょうか。実はこの金額差は、公的手数料・設計や申請の代行費用・構造や省エネの追加審査といった複数の要素が組み合わさって生まれます。

そこでこの記事では、建築確認申請費用の仕組みと相場をわかりやすく解説します。

建築確認申請費用はいくら?

建築確認申請費用は「数万円〜100万円超」まで幅があります。

その理由は、国や自治体に支払う法定手数料に加え、建築士などへ支払う代行費用や、構造・省エネなどの追加審査が重なるからです。

なお、国土交通省の建築基準法にもとづく制度では、床面積や用途によって審査区分が変わり、これが費用差の正体となります。まずは内訳を整理しましょう。

建築確認申請費用の内訳(大きく3つに分けられる)

まず、建築確認申請の費用は、3つの箱に分けて考えると理解しやすいです。

区分内容目安
公的手数料確認申請・中間検査・完了検査など(建築基準法にもとづく)数千円〜数十万円
代行費用建築士・設計事務所・ハウスメーカーが行う図面作成・申請10万〜30万円前後
追加審査構造計算・省エネ・天空率など数万円〜数十万円

※自治体や依頼先、建物の条件によって変動します。

分ける理由は、支払先と性質がまったく異なるからです。たとえば国・自治体に払う公的手数料と、民間に払う代行手数料、条件付きで増える追加審査が足し合わさって建築確認申請のトータル費用を導けます。

なお、国交省や各自治体は、床面積区分ごとに確認申請・検査手数料を条例で定めているため、ここはほぼ固定費です。一方で代行費用と追加審査は、依頼先や条件によって金額が変動しやすい点に注意してください。

費用を左右する主要因(床面積・用途・地域・構造)

建築確認申請の費用を決める要因は「床面積・用途・地域・構造」の4つです。

  • 床面積:100㎡以下か、300㎡超かで手数料テーブルが変わる
  • 用途:戸建住宅か、店舗・共同住宅かで審査が増える
  • 地域:東京都・指定検査機関などで手数料が異なる
  • 構造:構造計算が必要な建物は別途審査費が発生

たとえば、木造2階建て150㎡の戸建なら比較的安く済みますが、RC造の共同住宅や3階建てになると、構造審査や省エネ審査が加わり、一気に費用が上がります。

また、建築確認申請の概要から知りたい方は、以下の記事がおすすめです▼

建築確認申請費用が30万・50万・100万になるのはどんなケース?

建築確認申請の費用は、30万円・50万円・100万円程度かかる人が多い傾向にあります。そして、30万・50万・100万という金額差は、建物の「規模・構造・用途」と「どこまでを誰に頼むか」でほぼ決まると言われています。

ここでは、国土交通省が公開している「2025年4月(予定)から4号特例が変わります」の資料を考慮しながら金額のイメージ像を紹介していきます。

建築確認申請費用が「30万」になりやすい例

建築確認申請費用が30万円前後で収まるのは、2025年3月までに建築確認を出す「4号特例の対象となる木造戸建住宅」です。

これまで木造2階建ての戸建住宅は、建築基準法の「4号特例」により、構造や省エネに関する審査が省略されていました。そのため、建築士が最低限の図面と壁量計算だけで確認申請を行うことができ、行政側の審査も簡易的だったのです。

条件内容
建物木造2階建て戸建住宅
延床面積100〜150㎡程度
構造壁量計算レベル(構造計算書なし)
用途自己居住用の住宅
申請方法建築士が標準的な代行のみ実施
  • 公的手数料:約3〜10万円
  • 代行費用:15〜25万円
  • 追加審査:ほぼなし

ただし、このゾーンは2025年3月までの制度によるものです。2025年4月以降は同じ木造2階建て住宅でも、次の「50万円ゾーン」に入りやすくなります。

建築確認申請費用が「50万」になりやすい例

建築確認申請費用が50万円前後になるのは、2025年4月以降に確認申請を出す木造住宅や、もともと審査が増える建物です。

2025年4月から、国の法改正により「4号特例」が縮小され、木造戸建住宅でも省エネ関連図書と構造関係図書の提出が義務化されます。これにより、これまで審査が省略されていた住宅も、行政による実質的なチェックを受けるようになります。

条件内容
建物木造2〜3階建て住宅、店舗併用住宅
延床面積150〜300㎡程度
構造簡易な構造計算または仕様規定+根拠図
用途住宅+店舗・事務所など
申請方法設計事務所が省エネ・構造対応まで実施
  • 公的手数料:10万〜20万円
  • 代行費用:20万〜35万円
  • 追加審査:5万〜15万円

2025年以降の一般的な戸建住宅はこのゾーンに入るケースが増えます。2026年現在、、「30万円で済む家」は減り、50万円程度が新しい標準になると考えてよいでしょう。

建築確認申請費用が「100万」になりやすい例

建築確認申請費用が100万円を超えるのは、4号特例の対象外となる「非住宅・大規模・特殊構造」の建物です。

以下のような建物は、もともと4号特例の適用外であり、構造計算適合性判定や省エネ適合性判定など、複数の専門審査が必須となります。

条件内容
建物共同住宅、店舗、倉庫、工場、医療・福祉施設
延床面積300㎡〜1,000㎡超
構造RC造、S造、大スパン、吹抜、免震など
用途事業用・収益物件
申請方法設計事務所+構造設計者がフル対応

建築確認申請はもちろん、構造計算適合性判定や省エネ法適合性判定、避難・天空率などの各種検証といった、それぞれに別途手数料と設計費がかかるため、合計で80万〜150万円超になるケースも珍しくありません。

なお建築確認申請はすべての建物に必要なわけではありません。詳しくは以下の記事もチェックしてみてください▼

建築確認申請費用の相場(自治体・民間・検査機関の例)

建築確認申請の相場は「①自治体の法定手数料+②民間の代行費+③検査機関の審査料」の合計で決まります。

同じ建物でも、どこに申請し、誰に代行を頼むかで総額は大きく変わります。ここでは、東京都(自治体)、設計・代行を担う民間企業、そして検査機関の3つに分けて相場を紹介します。

自治体の手数料例(東京都における床面積別)

たとえば、東京都に建築確認を出す場合だと、床面積によって建築確認申請費用のトータルコストが細かく決まっています。まず建築確認の手数料は次の通りです。

延床面積東京都の確認手数料
30㎡以内6,900円
30〜100㎡13,000円
100〜200㎡21,000円
200〜500㎡25,000円
500〜1,000㎡35,000円
1,000〜2,000㎡49,000円
2,000〜10,000㎡146,000円
10,000〜50,000㎡249,000円
50,000㎡超474,000円

出典:東京都都市整備局「建築基準法関係申請手数料(2025年9月16日更新)」

また、2025年4月以降は、4号特例が縮小され、ほとんどの木造住宅で構造図書の提出が必須になります。その場合、次の「構造審査手数料」が上乗せされます。

延床面積構造審査手数料
〜1,000㎡156,000円
1,000〜2,000㎡209,000円
2,000〜10,000㎡240,000円
10,000〜50,000㎡319,000円
50,000㎡超587,000円

さらに、省エネ適合判定を仕様基準で建築確認に組み込む場合は、以下の追加料金がかかります。

延床面積省エネ審査料
30㎡以内2,500円
30〜100㎡4,700円
100〜200㎡7,800円
200㎡超9,400円

つまり、東京で建築確認申請をした場合、延床120㎡の木造2階建て住宅だと、以下がトータル費用になります。

項目金額
基本確認手数料21,000円
構造審査(4号特例外)156,000円
省エネ仕様審査7,800円
合計184,800円

東京都に申請する場合は上記の公的手数料が、民間の指定確認検査機関に申請する場合は後述の検査機関審査料が適用され、そこに建築士の代行費用が加わって総額30万〜50万円になります。

民間企業による代行費用の手数料例

代行を依頼する企業によって、金額が違う点に注意しなければなりません。そのなかでも、平均的な目安の手数料を以下にまとめました。

建物条件民間の代行費用目安
木造2階建て・100〜150㎡(構造計算なし)15万〜30万円
木造2〜3階・構造計算あり30万〜60万円
鉄骨造・RC造50万〜120万円
共同住宅・店舗・特殊用途60万〜150万円以上

ここに、前述した自治体の費用や、後述する検査機関の費用などが上乗せされていきます。

建築士・設計事務所・ハウスメーカーで代行費用は何が違う?

建築確認申請の代行費用は、「誰に依頼するか」で大きく変わります。単なる手数料の違いではなく、どこまでの業務を含めているかが違うためです。以下に比較表をまとめました。

項目建築士(個人)設計事務所ハウスメーカー
代行費用の目安10万〜30万円20万〜60万円0円〜(工事費に含む)
構造計算壁量計算が中心許容応力度計算まで対応社内基準で実施
省エネ計算外注が多い自社または外注社内システムで実施
確認申請の提出
審査機関との質疑対応△(本人次第)
2025年法改正への対応力個人差が大きい高い非常に高い
向いている人なるべく安く済ませたい複雑な建物・安心重視家を建てるのが目的

なお、上記の代行費用はあくまで目安です。詳しくは見積もりを取得してください。

指定確認検査機関の審査料の例

建築確認申請では、東京都(特定行政庁)に出す場合でも、民間の「指定確認検査機関」に出す場合でも、建物の安全性や法適合性をチェックする審査料が発生します。

建物条件指定確認検査機関の審査料目安
木造2階建て・100〜150㎡
(壁量計算+省エネ仕様)
5万〜12万円
木造2〜3階・構造計算あり10万〜25万円
鉄骨造・RC造20万〜50万円
共同住宅・店舗・特殊用途30万〜100万円以上

※これは「自治体の追加審査」とは別にかかることがあります。

建築確認の提出先を自治体(東京都など)ではなく指定確認検査機関にした場合は、上記の検査機関審査料が適用されます。

建築確認申請費用の見積もりで必ず確認すべき項目

建築確認申請の見積書を受け取った際には、合計金額だけで判断するのは危険です。必ず以下の内訳を確認してください。

  • 構造計算・省エネ計算が含まれているか
  • 確認申請・中間検査・完了検査まで含まれているか
  • 審査機関との質疑対応費が含まれているか
  • 設計変更時の再申請費用は別か

2025年以降は、構造と省エネの図書が必須になるため、「計算費込みかどうか」で20万円以上差が出ます。複数社の見積もり取得し、比較すると安心です。

建築確認申請費用が上がる「追加審査・追加業務」一覧

建築確認費用が高くなる原因の多くは、追加業務の発生です。代表例は次のとおりです。

  • 設計変更による再申請・再審査
  • 構造計算のやり直し
  • 省エネ基準の再計算
  • 法規違反の是正指示への対応
  • 審査機関からの質疑・追加資料要求

特に2025年以降は、省エネと構造の修正が増えやすく、1回の修正で5万〜10万円かかることもあります。事前に対応範囲を確認することが重要です。

建築確認申請費用は誰が払う?

建築確認申請費用は、原則として建築主(施主)が負担します。ハウスメーカーの場合は工事費に含まれていることが多く、設計事務所や建築士に直接依頼する場合は別途請求されます。

なお、土地の売主や工務店が負担するケースはほぼありません。「確認申請費込み」と言われた場合は、建物価格に含まれているだけなので、内訳を確認しましょう。

建築確認申請は自分でできる?

現実的にはほぼ不可能です。2025年以降は、構造計算書・省エネ計算書・各種図面が必須となり、専門ソフトと資格が必要になります。個人で申請すると、次のようなリスクが高く、結果的に費用が増えてしまうでしょう。

  • 審査に通らない
  • 差し戻しが何度も発生
  • 工期が数カ月遅れる

専門家に任せたほうがトータル費用を抑えやすくなります。

建築確認申請は誰に頼むべき?失敗しない依頼先の選び方

建築確認申請は、建物の規模と複雑さで依頼先を選ぶのが鉄則です。目安ですが、以下の規模感で考えるのが良いでしょう。

  • 小規模な戸建て → 経験豊富な建築士
  • 構造計算や省エネが必要 → 設計事務所
  • 住宅を建てるだけ → ハウスメーカー

なお、2025年以降の制度に対応できない事務所に頼むと、後から追加費用が発生します。業者の選定には十分に注意してください。

まとめ

建築確認申請費用は、「東京都などに支払う法定手数料」だけでなく、「構造・省エネの審査料」や「建築士による申請・計算・対応の代行費用」が合わさって決まります。

2025年以降は制度変更により、木造戸建てでも費用が上がりやすくなっています。だからこそ、見積もりの内訳をしっかりと確認をしたうえで申請を行いましょう。