「西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発」とは|事業のポイントと周辺再開発一覧

目次
トレンドワード:西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発
今回は、西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発についてご紹介します。本事業では、大型複合ビルの新設とテレビ朝日通り(補助10号線)の道路拡幅が予定されています。竣工は2029年度を予定しており、2025年から着工しています。この記事では西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発の概要をはじめ、周辺の再開発計画もくわしく解説していきます。
「西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発」とは|事業概要
ここからは、「西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発」の事業概要について解説します。
所在地
都市計画決定のお知らせ,https://www.nomura-re.co.jp/cfiles/news/n2019041901558.pdf,参照日2025.6.30
「西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発」の施工地区は、東京都港区西麻布三丁目及び六本木六丁目各地内です。本地区は六本木ヒルズに隣接するエリアで、最寄り駅は東京メトロ日比谷線および都営大江戸線「六本木駅」です。アクセスは六本木駅から約300mとなっています。
本エリアでは、沿道の建物の耐震性不足や、公園等の不足という課題がありました。そのため、本事業では制振構造の超高層ビルを新設し、快適かつ緑豊かな複合市街地を形成して課題の解決を目指す計画です。また、地区内にある3つの寺社もそれぞれの棟に再整備し、まちの歴史の継承にも配慮しています。
構造・規模
建物の構造は、以下の表をご参照ください。
建物 | 構造 |
---|---|
A街区 (オフィス、住宅、ホテル等) | 鉄筋コンクリート造、地上54階、地下4階建て |
B1街区(寺社) | 鉄筋コンクリート造、地上3階、地下1階建て |
B2街区(寺社) | 鉄筋コンクリート造一部木造、地上3階、地下1階建て |
B3街区(寺社) | 鉄筋コンクリート造、地上4階、地下1階建て |
A街区は、地上54階建ての大型複合ビルです。B1街区からB3街区には3つの寺社が再整備されるほか、防災機能を確保した緑の広場が交流拠点として活用される予定です。

また、区画道路の整備もあわせて行われます。北側の広場には歩行者デッキが整備され、「六本木ヒルズクロスポイント」とつながることで周辺地域の回遊性を高める計画となっています。
面積
主な面積は、下記をご確認ください。
- 敷地面積:約1.6ha(4840坪)
- 建築面積:約5,100㎡(1542.75坪)
- 延床面積:約99,910㎡(30222.775坪)
着工日・竣工日
着工日と竣工日は、下記の通りです。
- 着工日:2024年2月22日
- 竣工日:2029年
ゼネコン|大成建設
西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発の施工者は、大成建設となっています。設計は、基本設計が梓設計、実施設計が梓設計と大成建設です。
西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発のポイント
ここからは、西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発の大きな特徴3つをご紹介します。
①六本木ヒルズ隣接、約1.6haの第一種市街化開発事業
都市計画決定のお知らせ,https://www.nomura-re.co.jp/cfiles/news/n2019041901558.pdf,参照日2025.6.30
「西麻布三丁目北東地区第1種市街地再開発」の区域は、六本木ヒルズの西側に隣接しています。六本木駅からは徒歩約4分とアクセスも良く、敷地面積は約1.6haの第一種市街化開発事業です。
②地上54階の超高層ビルを建設、寺社を再整備
市街地再開発組合設立認可のお知らせ,https://www.nomura-re.co.jp/cfiles/news/n2020091001738.pdf,参照日2025.6.30
「西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発」では、地上54階建て、高さ約200mの超高層ビルを建設する計画です。高層棟には住宅、オフィス、ホテルが導入される予定で、特に外資系のラグジュアリーホテルが誘致されることが話題になっています。
また、南エリアには地域にもともとあった寺社が再整備されます。緑の公園を中心に、3つの寺社が配置される計画で、公園は防災機能を持つ交流拠点としての活用が予定されています。
③テレビ朝日通りの道路拡幅、歩行者デッキと広場も整備
市街地再開発組合設立認可のお知らせ,https://www.nomura-re.co.jp/cfiles/news/n2020091001738.pdf,参照日2025.6.30
高層棟の建設とあわせて、周辺道路の拡幅と整備も行われます。対象となるのは開発区域東側にある都市計画道路(補助10号線)で、現状の10mから15mに拡幅されます。北側の広場も整備され、隣接する「六本木ヒルズクロスポイント」と歩行者デッキで接続する計画です。あわせて区域内の緑化も行われ、今回の再開発のコンセプトである「緑豊かで魅力ある複合市街地」が形成される予定です。
西麻布周辺の再開発一覧
ここからは、西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発地域周辺で予定されている再開発計画をご紹介します。
2028年|赤坂七丁目 2 番地区第一種市街地再開発事業
赤坂七丁目 2 番地区第一種市街地再開発事業では、防災機能の強化を目的として、地上46階建ての複合ビルを建設する計画です。この地域は老朽化したマンションが多く、坂による高低差も大きいため、通路の整備による地域のバリアフリー化が求められていました。
建設予定の建物は2棟で、敷地の東側にオフィス・店舗が配置された中層棟、地区の中心部に住宅用途の高層棟が建設されます。敷地の西側には、隣接する高橋是清翁記念公園との一体感を目指し、緑あふれる広場が誕生します。
本事業は2025年6月に着工し、2028年の完成を予定しています。
2029年|三田小山町西地区第一種市街地再開発事業
三田小山町西地区第一種市街地再開発事業は、東京メトロ南北線麻布十番駅の近隣エリアに、公園と複合ビルを建設する計画です。計画地は約2.5haのエリアで、戦前の建物も多く周辺の都市化に取り残されていることから、安全で快適な複合市街地の形成を目指します。
建築予定のビルは北街区と南街区でそれぞれ二棟ずつで、住宅、オフィス、店舗などが導入される予定です。区域の東側には、約2,500㎡と広大な公園も新設します。
このエリアは「港区まちづくりマスタープラン」の「芝地区地域活力向上ゾーン」に含まれていることから、特に居住環境に配慮して計画されています。本事業は、2029年の完成を予定しています。
2029年|北青山三丁目地区第一種市街地再開発事業
北青山三丁目地区第一種市街地再開発事業は、北青山三丁目に地上38階建ての複合ビルを建設する計画です。建設を予定している地域には老朽化した旧都営住宅があり、整備が求められていました。複合ビルは2棟の計画で、1街区にオフィス、ホテル、公共公益施設、2街区に店舗が導入されます。

この地域は、流行の中心地として多くの人でにぎわう表参道に近接しているため、都市機能の更新とともに商業、宿泊、公共機能等の充実も目的としています。完成は2029年の予定で、施工者の独立行政法人都市再生機構は事業パートナーを募集しています。
2030年|三田五丁目西地区市街地再開発
三田五丁目西地区市街地再開発は、木造密集地域に地上45階建ての複合ビルを建設し、周辺道路と広場の再整備を行う計画です。再開発が行われるのは地下鉄白金高輪駅から約400mに位置する区域で、対象エリアの東側に複合ビル、西側が児童遊園として整備されます。街区公園規模の広場の整備は、三田五丁目エリアとして初の試みです。
また、オフィスや店舗が導入される低層棟の屋上も児童遊園として整備される予定で、良好な住環境の整備が期待されています。この計画の完成は、2030年の予定です。
2035年|神宮外苑地区第一種市街地再開発事業
「神宮外苑地区第一種市街地再開発事業」として、神宮外苑にスポーツ拠点を建設する計画が始まっています。第一段階として神宮第二球場を解体しラグビー場棟を建設、さらに秩父宮ラグビー場を解体し、複合等とホテル併設野球場を建設する予定です。
本プロジェクトは三井不動産株式会社、宗教法人明治神宮、独立行政法人日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事株式会社が代表執行者となっています。建物の完成は、2035年を予定しています。
まとめ
西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発は、緑の公園を中心に、3つの寺社と超高層ビルが整備される計画です。歩行者デッキの新設や道路の拡幅も予定されていて、回遊性の向上と、さらなるにぎわいの形成が期待されています。利便性の高さと住民の暮らしやすさが両立するエリアとして、2029年度の完成を予定しています。周辺地域の再開発計画と合わせて注目していきましょう。