「みなとみらい21中央地区52街区開発事業」とは|横浜再開発まとめ一覧

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「みなとみらい21中央地区52街区開発事業」についてピックアップします。2027年に大型複合施設がオープンする予定で、街のさらなる発展が期待されます。本記事では横浜みなとみらい再開発の事業概要や、ゼネコンの着工状況について解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
「みなとみらい21中央地区52街区開発事業」とは|事業概要
ここでは「みなとみらい21中央地区52街区開発事業」の事業概要について、横浜市の資料等から分かりやすく解説します。
所在地
「みなとみらい21中央地区52街区開発事業」の所在地は、横浜市西区みなとみらい5丁目1番2他です。交通アクセスは、横浜高速鉄道みなとみらい線「新高島駅」より徒歩約2分・JR「横浜駅」より徒歩約10分となっています。
元々「みなとみらい21地区」は1983年から開発されてきた地区で、多くの企業や商業・文化・娯楽施設、大型国際会議場が集積しているのが特徴です。本事業で再開発されるのは、みなとみらい21地区の中で「中央地区」に該当します。
構造・規模
建物の構造は、下記の通りです。
建物 | 構造 |
---|---|
オフィス棟 | 鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造地上29階、地下2階、塔屋6階建て |
ミュージアム棟 | 鉄骨造地上3階建て |
具体的にはミュージアム棟(地上3階建て)、オフィス棟(地上29階、地下2階、塔屋6階建て)、地域熱供給プラントを開発するプロジェクトです。ミュージアム棟とオフィス棟の間にはデッキが設けられ、周辺の街区とのつながりも形成されます。
面積
主な面積は、下記の通りです。
- 敷地面積:11,818.44㎡(3,575.08坪)
- 建築面積:7,308.73㎡(2,210.89坪)
- 延床面積:113,898.83㎡(34,454.40坪)
竣工日・オープン予定日
竣工日やオープン予定日は、下記となっています。
- 着工日:2024年2月22日
- 竣工日:2027年5月30日(予定)
- オープン予定:2027年7月(予定)
ゼネコン|大和ハウス工業
施工を担当するのは、「㈱フジタ・大和ハウス工業㈱特定建設工事共同企業体」です。2024年2月には起工式が執り行われ、着々とプロジェクトが進められています。
また、設計は㈱久米設計となっています。
みなとみらい21再開発のポイント
ここでは、「みなとみらい21中央地区52街区開発事業」の建物用途やコンセプトのポイントをご紹介します。
①世界初!ゲームアートミュージアム
「みなとみらい21中央地区52街区開発事業」では、敷地の南側に世界初のゲームアートミュージアムが設けられる予定です。具体的にはゲームの映像やキャラクターデザイン、メインビジュアル、サウンドなど様々な要素の展示・体験ができる施設となります。
建物の外観は「生命」をイメージ螺旋状のデザインとなっています。またミュージアムの外にあるアートガーデン(約3,000㎡)は四季折々の植物を楽しめる空間で、夜はプロジェクションマッピングでゲームの世界観を演出することも想定されています。
②「地域熱供給プラント」でCO2削減
「みなとみらい21中央地区52街区開発事業」では、地下に地域熱供給プラントが設置される予定です。高効率な地域冷暖房システムを用いることでみなとみらい21中央地区全体にエネルギーを安定供給し、街の環境性向上に貢献します。
運営は「みなとみらい二十一熱供給㈱」が担当し、今後、供給エリアが拡大した場合でも、同地区内の熱供給の約20%を供給できる見込みです。
③「ZEB Oriented」を目指す
建物は、環境性能の評価において高水準となる「ZEB Oriented」を目指す予定です。これは外皮の高性能化及び高効率な省エネルギー設備に加え、さらなる省エネルギーの実現に向けた措置を講じた建築物のことを指します。
オフィス棟の屋上には太陽光発電設備を設置するとともに、災害や事故が発生した際に早期復旧できるよう、免震システムも導入されます。また非常用発電機や貯水タンクが設けられているため、電力や水等は連続72時間使用可能です。
さらに水や食料、毛布などを備蓄した防災倉庫も設置される予定です。
横浜みなとみらい・関内周辺の再開発一覧
ここでは、横浜みなとみらい・関内エリア周辺の再開発計画を一覧でご紹介します。
2026年|みなとみらい21中央地区62街区(仮称)横浜フォーシーズンズ・ホテル&リゾーツ
2026年3月には、「みなとみらい21中央地区62街区」に(仮称)横浜フォーシーズンズ・ホテル&リゾーツが開業予定です。
地上14階、地下2階で構成される新しい複合施設で、下層階には水族館、レストラン・物販の店舗が新設されます。上層部には客室だけでなく、スパやプール、フィットネスルームも設けられます。
2026年|都市再生特別地区(海岸通り地区)
2026年秋に、「横浜郵船ビル」がホテルとして生まれ変わります。元々日本郵船創業50年を記念して1936年に完成した建物で、クラシックな外観が印象的な古典主義様式の建築が特徴です。横浜港の玄関口として海運の発展に寄与してきた歴史があり、外観など大部分が保全・活用される計画です。
隣接地に立つ築70年余りの「横濱ビル」は解体され、地上21階、地下1階の大規模な高層複合オフィスビルになります。歴史的、建築的、景観的価値を考慮して外観を保全しつつ、周囲に新たに整備されるオフィスや商業施設等と共に、地域の賑わいを創出していきます。
設計はJPプロパティーズ㈱一級建築士事務所、施工は岩田地崎建設㈱です。
2027年|(仮称)北仲通北地区B-1地区新築工事 ハーバーステージ横浜北仲(HARBOR STAGE YOKOHAMA KITANAKA)
2027年6月に、「北仲通北地区B-1地区新築工事」によって「ハーバーステージ横浜北仲(HARBOR STAGE YOKOHAMA KITANAKA)」が完成する予定です。みなとみらい線「馬車道」駅より徒歩約2分に位置し、二方が海に囲まれるウォーターフロントの大型複合開発事業となります。
40 階建ての住宅棟からは横浜の景色を一望でき、敷地内には運河沿いにプロムナードや約3,200 ㎡からなる広場が設けられる予定です。また低層部商業ゾーンは、運河沿いの開放的な環境と上質な時間を楽しめる飲食店舗、サービス店舗などが開業します。
全館実質 100%再生可能エネルギー由来の電力利用で、オフィスゾーンは「CASBEE スマートウェルネスオフィス認証」を取得予定です。さらに屋上に設置する太陽光発電設備の電力を共用部の一部に供給するなどの取組みを実施予定であり、サステナブルな社会の実現に貢献します。
建物の設計は熊谷組・東急設計コンサルタント設計共同企業体、施工は熊谷組が担当し、設計・施工の一貫体制・技術開発力により高い品質を実現します。外観デザインについては、日建設計が担当します。
2029年|みなとみらい21中央地区60・61街区(Linkage Terrace Project)
2029年には、みなとみらい21中央地区60・61街区にオフィス、ホテル、ミュージアム、商業施設及び専門学校から構成される複合施設 「Linkage Terrace」が誕生します。地上27階・地下1階・塔屋1階の東棟、地上13階・地下1階・塔屋1階の西棟からなり、観光やエンターテイメントを軸とした街づくりが期待されます。
事業主体は、SMFLみらいパートナーズ㈱・鹿島建設㈱・学校法人岩崎学園の3社を構成企業とする企業グループです。施設はオープンスペースを回廊やデッキでつなぎ、コモンスペース及びアクティビティフロアが1階と2階で多層にわたって形成される予定です。
歩行者が敷地内外を自由に通行できるようにすることで連続性を感じさせる街並みが形成され、にぎわいが演出されます。
2037年|横浜駅みなみ東口地区第一種市街地再開発事業
横浜駅みなみ東口地区の市街地再開発事業の実施に向け、2024年6月に「横浜駅みなみ東口地区市街地再開発準備組合(理事長:㈱崎陽軒)」が設立されました。このエリアはJR線・京急線など6社9路線が乗り入れる日本有数のターミナル駅である横浜駅の東口駅前に位置しています。
事業協力者は日本郵政不動産㈱・東日本旅客鉄道㈱・京浜急行電鉄㈱です。すでに計画策定に着手しており、国際都市横浜の玄関口にふさわしい魅力とにぎわい溢れるまちづくりを目指します。
2040年代|横浜駅西口大改造構想
相鉄ホールディングス㈱と㈱相鉄アーバンクリエイツは「横浜駅西口大改造構想」を発表し、横浜駅西口周辺の大規模な再開発の本格検討に着手しています。安全性や機能性の面からも新しい時代に合わせた都市の再開発の必要性が高まっていることが理由です。
再開発スケジュールは、2020年代後半~2040年代までと想定されています。
まとめ
横浜駅周辺エリアは首都圏有数のターミナルで、オフィスや観光地が集積しています。ただし中には老朽化が進んでいる建物もみられ、再開発が進められています。さらなる国際競争力の強化や、利便性向上の実現に注目です。