積算業務の課題を解決するサービスとはとは~AIや最新技術を活用する積算代行の未来展望~【後編】

積算士の高齢化や残業規制による社内リソースの不足など、積算業務が抱える課題を解決するため、「積算外注サービス」を提供する中村伸志氏のインタビュー。
後編では、AIや最新技術を活用して実現を目指す積算外注サービスの未来展望についてお聞きします。
▼前編の記事はこちら
目次
事業の強みはすべての積算に対応できることと、AIによるオペレーション強化
-今まで外注していなかった方が御社のサービスを利用する際、どういったきっかけで始められるのでしょうか?
インターネットで検索してくるお客様が多いですね。あとは、私たちの営業力もあります。飛び込みや電話営業ですね。まずはニーズに気づいてもらう、啓蒙するところからやっています。あとは展示会にも積極的に参加しています。
-インターネットで検索すると、同様の積算外注サービスがいくつか見つけられると思うのですが、御社が特に強く打ち出している他社との差別化ポイントがあれば教えてください。
積算外注サービスや積算事務所といったものは、私たちのような外注サービスの形が多いのですが、私たちは設備や土木、建築に関わらず、積算というものであればすべてを引き受けられるように整っていることが強みだと思います。
もう一つの優位性としては、オペレーション内でAIやBIMなどの最新技術を活用したり、積算業務の中に組み込んでいるところですね。お客様にいいものをよりスピーディーに提供できる体制を整えていっている点は、中長期的に強く差別化していけるところだと思っています。
-積算の全領域に対応可能ということですね。その中で、特に変わった事例はありますか。
改修・解体の積算や電気・機械設備、土木などですね。私たちはニッチな積算も全部カバーできるので、そういったところもご依頼いただいています。
最近では、BIMモデルの構築からBIMの積算についてのご依頼が少しずつ増えていますね。
大手ゼネコンでもBIMが使えない方もいらっしゃるので、BIMモデルからの自動数量拾いなどもご依頼いただいています。
正確な見積もりを数秒で!見積もり領域のナンバーワンDXプラットフォームを目指して
-ここからは、今後の展望についてお聞かせください。着手していきたい領域や機能など、現在考えられていることはありますでしょうか。
私たちのビジョンとしては、建設業界の見積もり領域において、No.1DXプラットフォームになるというのが中長期的な目標です。それには今の積算の外注サービスでナンバーワンを取らないといけないので、短期的にはそこを目指してやっている状況です。その上で、オペレーションを強くしていくことも目指しています。
あとは、集客や営業においてもとにかく数を積み重ねていくことを考えています。積算の業界でナンバーワンになるためには、お客様に良いものを1日でも早く届けることがとても重要なので、とにかくここを深掘りしていきたいです。直近では、事業のオペレーションを最適化していくというところに取り組んでいます。
-DXを進めていく中で、データの拾い出しや現地状況が必要なこともありますよね。そういった場合、ヨコの会社と繋がっていくことでより価値を生めるのではと思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。
それは積極的に取り組んでいきたいなと思っています。建設業界もいろんなニーズがあり、工程も細かく分かれていて、それごとにプロダクトやツールがありますよね。そういった会社と組んで見積もりのDXをしていくとか、そういうことはどんどん積極的にやっていきたいなと思っています。
-先ほどの質問と一部重複するかもしれないのですが、会社として今後どういう取り組みをしていくのか、もう少し教えていただけますでしょうか。
私たちは、建設業界の課題を新しい仕組みや技術で解決していくことをミッションにしています。今は新しい仕組みなどを導入して、積算を少しずつ効率化していく方向性なのですが、最終的にはそういった新しい技術、例えばAIなどを掛け合わせて、より正確な見積もりを数分や数秒で出せるようにしていきたいなと考えています。
-それが実現したらすごいですね。
建設業界は本当に課題が多く、各社が取り組んでいるのですが、それぞれやっていることがバラバラなんですね。そういった現状もあり、課題を解決するのが難しい領域だとは思うのですが、将来的にはそういった見積のスピード化が絶対に実現していくと思っています。
展示会出展でリアルチャネルの重要性を再確認
-先ほど、営業のお話で展示会にも参加されているとお伺いしましたが、やはりリアルチャネルはかなり有効なのですね。
そうですね。まだ具体的な内容は出せないのですが、今年の8月と12月に、natさんと一緒にジャパンビルドへの出展をさせていただこうと思っています。共同でブースを構えるイメージですね。
今後具体的な打ち出し方が決まれば、BuildAppNewsの独自取材として取り上げていただきたいです。
-こちらとしてもぜひお願いします!
展示会の様子はBuildAppNewsでも展示会:独自取材として取り上げる予定です。今後の掲載を楽しみにお待ちください。
建設DX系の展示会【JAPAN BUILD】8月(大阪)/12月(東京)
・ワイヤーベース&nat共同出展: https://www.japan-build.jp/hub/ja-jp.html
WIREBASE関連サイト
・WIREBASE(コーポレートサイト): https://wire-base.com/
・積算外注サービスサイト: https://wire-base.com/sekisan/
・積算ナビ(積算パートナー登録サイト): https://wire-base.com/partner/
まとめ – BuildApp 編集部感想 –
積算業務の速度向上が求められている中、「正確な見積もりを数分・数秒で提供できるようにしていきたい」という力強い言葉が印象に残りました。
展示会への共同出展をはじめ、他社とのコラボレーションにも積極的に取り組んでいくとのことで、今後の展開がますます期待されます。