竹中工務店、新会社オフグリッドフィールドを設立、モバイルハウスで地域課題の解決を図る

2025年4月17日、株式会社竹中工務店(社長:佐々木正人)がモバイルハウス活用事業を本格的に展開するため、新会社「株式会社オフグリッドフィールド」を設立したことを発表しました。この新会社は、トレーラー開発・製造を専門とする株式会社クロコアートファクトリー(社長:徳田吉泰)との共同出資によって生まれ、神奈川県小田原市に拠点を置いています。取締役社長には廣里成隆氏が就任し、すでに事業を開始しています。
新会社設立の経緯
竹中工務店は建設業界における働き方改革と生産性向上を目指し、2023年11月から「牽引式オフグリッド型モバイルハウス」の開発と試験導入を進めてきました。このモバイルハウスの最大の特徴は、自立電源と自立通信を備えていることで、工事現場の敷地内を自由に移動しながら、工事事務所としての機能を発揮できます。
実際に導入された現場では、作業員の移動時間削減などによる生産性向上が確認されています。
実証実験の成果と事業拡大の決断
2024年5月には実証実験として、大阪・関西万博の工事現場内に同型のモバイルハウスを活用した移動式コンビニエンスストアを開店。これは建設業界だけでなく様々な分野から注目を集める結果となりました。
こうした成果を踏まえ、竹中工務店は建設現場での活用促進に加え、電気や通信インフラがない場所でも利用できるモバイルハウスの特性を活かした社会課題解決事業を本格的に展開するため、新会社設立に踏み切りました。
「オフグリッドフィールド」の事業内容
新会社では、ソーラーパネルと蓄電池による自立電源や衛星インターネットによる自立通信を装備した牽引式モバイルハウスやトレーラーハウスを基盤とした「オフグリッド型モビリティー」に関する以下の4つの事業を展開します。
・オフグリッド型モビリティーのレンタル事業
・レンタカー事業者等へのオフグリッド型モビリティーの販売事業
・オフグリッド体験パークの運営事業
・オフグリッド型モビリティーを活用した屋外空間の企画提案事業
今後の展望
株式会社オフグリッドフィールドは、2025年2月にレンタカー事業の認可を取得し、すでに本格的な事業を開始しています。初年度のレンタル稼働率は、年間平均60%を目標としています。また、牽引式モバイルハウスやオフグリッド型モビリティーは、株式会社レンタルのニッケンからもレンタル可能となっており、さらなる普及が期待されます。
同社は、建設現場でのレンタル用途にとどまらず、「まちづくりモビリティーカンパニー」として地域活性化や社会課題の解決にも貢献していくことを目指しています。自立電源と自立通信を備えた移動式住居の活用は、災害時の対応や過疎地域へのサービス提供など、多様な分野での可能性が広がっています。
竹中工務店は、こうした取り組みを通じて、建設業の枠を超えた社会的価値の創出に挑戦しています。今後の「オフグリッドフィールド」の展開にも大きな注目が集まっています。
新会社の概要
会社名:株式会社オフグリッドフィールド(URL: https://offgrid.jp/)
代表者:取締役社長 廣里成隆
所在地:神奈川県小田原市早川128
設立:2024年12月
出典情報
株式会社竹中工務店リリース,モバイルハウス活用事業の本格展開に向けた新会社を設立 「まちづくりモビリティーカンパニー」として、社会課題解決を目指す,https://www.takenaka.co.jp/news/2025/04/06/