竹中工務店、建築工事の位置プラス「進捗管理」アプリをリニューアル 現場の可視化で生産性向上


竹中工務店(社長:佐々木正人氏)と竹中グループの朝日興産(社長:宮本靖雄氏)は、建設2024年問題への対応策として、建築工事の進捗状況を部屋・部位ごとに簡単に可視化できるアプリ「位置プラス®」の「進捗管理」機能を大幅にリニューアルしました。

「位置プラス 進捗管理」の概要と実績

「位置プラス 進捗管理」は2020年に位置プラスシリーズの一つとして提供開始され(特許第7381373号)、現在までに合計200現場での導入実績があります。

実際に使用した現場からは「職員の業務負担をさらに軽減できる機能拡充」や「作業者向け機能の簡素化」を求める声が多く寄せられ、これらのニーズに応えて今回の刷新が実現しました。なお、このアプリは朝日興産を通じて外部にも販売されており、今後も販路拡大を目指しています。

サービスの特長

本サービスは、作業者がスマートフォンなどで工事実績を入力するだけで、以下の3種類の管理図表を即座に生成し、関係者間でリアルタイムの情報共有を実現するクラウドサービスです。

・進捗表(鳥かご表)

・進捗図

・進捗線

マンション、ホテル、病院など多くの部屋がある建物の新築・改修工事をはじめ、様々な用途の工事進捗管理に活用されています。導入現場での調査によると、若手工事管理者の進捗管理業務の負担が平均47%削減されるなど、建設2024年問題の解決に効果をあげています。

リニューアルで強化された5つの主要機能

リニューアルで拡充した主な機能は、以下の通りです。

1. 進捗線表示のブロック矢印方式への変更(特許出願済)

これまで線分形式で各部屋・部位の完了率のみを表示していた進捗線画面が、ブロック矢印表示へと変更されました。この改良により、各エリアの進捗状況について、どの作業に問題が発生しているかを一目で視覚的に把握できるようになり、管理効率が大幅に向上しました。

2. 出来高(出来形)集計・出力機能(特許出願済)

作業者が登録した進捗実績を月ごとにまとめ、作業別・協力会社別にExcel形式で出力できる機能が追加されました。20日締めや月末締めなど、集計期間は自由に設定でき、各現場の請求タイミングに合わせた集計が可能です。

この機能は出来高請求時の根拠資料として活用できるため、管理業務の効率化につながります。同時に、作業者がアプリに作業完了登録を積極的に行う動機づけにもなります。

3. 作業予定日管理機能の追加

各部屋・部位の個別作業に対して、開始予定日と完了予定日を登録できるようになりました。設定日を過ぎると、着手遅れや完了遅れを示すアイコンが管理画面に表示されるため、作業の遅延を早期に発見し、迅速に対応することができます。

4. PDF登録・閲覧機能の追加

部屋・部位ごとに必要なPDFファイルを登録・閲覧できる機能が追加されました。

例えば

・マンションやホテルの新築工事:オプション表、間取図、仕上表

・部位別管理:詳細図面

これにより、複雑な工事内容や細かな仕様の違いがある現場でも、スムーズな進捗管理が可能になりました。

5. スマートフォン向け画面の大幅改良

作業者が日常的に使用する登録・閲覧画面について、スマートフォン対応を強化し、ユーザーからの意見をもとに多数の改良を行いました。建設現場の作業者が見やすく、最小限の操作で登録できるよう工夫されています。これにより、デジタル機器の操作に不慣れな作業者でも簡単に利用できるようになりました。

建設2024年問題への対応

建設業界では、高齢技能者の大量退職による人手不足や若手への技術継承、生産性向上などの「2024年問題」が深刻化しています。本アプリの導入により、特に若手の工事管理者の業務負担が大幅に軽減されることが実証されており、この課題解決に効果的な手段となっています。

今後の展開

両社は、今後もユーザーからの要望に基づいて定期的にサービスを改善していく予定です。位置プラスシリーズの展開を通じて建設現場の業務効率化と生産性向上を推進し、建設業界全体の共通課題である2024年問題の解決やDX推進に積極的に貢献していきます。

出典情報

株式会社竹中工務店リリース,位置プラス「進捗管理」を大幅リニューアル 建築工事の進捗実績を簡易に見える化し、管理手間を半減,https://www.takenaka.co.jp/news/2025/02/03/