竹中工務店がCDP気候変動で世界最高評価を獲得、環境戦略2050で脱炭素社会へ前進

竹中工務店(社長:佐々木正人)は、世界的な環境評価機関CDPから、気候変動対策において最も優れた企業として評価され、「CDP2024気候変動Aリスト」に選出されました。この評価は、同社の環境保護への取り組みが国際的な基準から見ても特に先進的であることを示しています。

CDPとは

CDPは、2000年にイギリスのロンドンで設立された国際的な非営利団体です。企業や自治体の環境への取り組みを評価・公表することで、世界全体の環境保護活動を促進することを目的としています。

CDPの評価システムについて、詳しく見ていきましょう。

・評価方法:毎年、世界の主要企業に環境対策に関する詳細なアンケートを送付

・評価基準:企業の環境戦略、実際の取り組み、情報開示の質などを総合的に判断

・評価段階:「A」「A-」「B」「B-」「C」「C-」「D」「D-」の8段階で評価

・最高評価:「Aリスト」企業として公表

2024年の評価実績

2024年の調査では、以下のような広範な参加がありました。

・世界全体:約24,800社が回答

・日本企業:2,100社以上が参加

・評価対象:気候変動、水セキュリティ、森林保全の3分野

竹中グループの環境戦略

竹中グループは、2023年に「竹中グループ環境戦略2050」を策定し、以下の3つの社会実現を目指しています。

1.脱炭素社会の実現

2050年カーボンニュートラルを目標に、CO2排出削減と再生可能エネルギーの活用を推進。

2.資源循環社会の実現

建設資材の再利用と廃棄物削減を徹底し、環境負荷の少ない材料利用を促進。

3.自然共生社会の実現

生物多様性に配慮した建築設計と、地域環境との調和を重視した事業展開を推進。

具体的な目標と成果

温室効果ガス削減に関する具体的な取り組みについて。

1.スコープ1・2の削減目標

2019年比で46.2%削減を目指し、2024年3月にSBTiの国際認証を取得。

2.情報開示の強化

2024年9月にTCFDガイドラインに準拠した環境情報の開示を実施し、ステークホルダーとの対話を促進。

用語解説

■スコープ1(直接排出)

企業が事業活動で直接排出する温室効果ガス。

例:

・社用車の燃料使用

・建設現場での重機の使用

・施設での燃料使用

■スコープ2(間接排出)

企業が購入して使用するエネルギーによる温室効果ガス排出。

例:

・オフィスでの電力使用

・工場での熱エネルギー使用

・建設現場での電力使用

■SBTi(Science Based Targets initiative)

・科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減目標を認定する国際的な組織

・パリ協定の目標(世界の平均気温上昇を1.5℃以内に抑える)と整合した目標設定を推進

・世界的に信頼される環境目標設定の基準として認知

今後の展望

竹中グループは、今回のCDP最高評価を新たな出発点として、さらなる環境保護活動の強化に取り組みます。

省エネルギー建築の開発や環境配慮型の建設手法の確立など、環境技術の革新を進めていきます。また、環境マネジメントシステムの充実や従業員の環境意識向上を図り、グループ全体での連携を強化。さらに、環境データの透明性を高め、ステークホルダーとの対話を深めながら、定期的な進捗報告を行っていきます。

建設業界のリーディングカンパニーとして、環境保護と事業発展の両立を目指し、持続可能な社会の実現に向けて取り組みを継続していきます。

出典情報

株式会社竹中工務店リリース,CDP気候変動のAリスト(最高評価)に認定 気候変動への対応が総合的に評価される,https://www.takenaka.co.jp/news/2025/02/01/