国土交通省、建設業界の担い手確保と働き方改革を推進 – 中野国交相が就任会見で表明

中野洋昌国土交通大臣は11月12日の就任会見で、建設業界への感謝と今後の展望を語りました。なかでも、能登半島地震や各地の豪雨災害からの復旧に尽力した建設業界への深い敬意を示しました。

「道路の啓開作業や、電気・水道などライフラインの復旧、さらには仮設住宅の建設まで、建設業界の皆様には献身的な働きをしていただきました」と中野大臣。建設業界の迅速な対応が、被災地の復興を大きく支えたと評価しています。

建設業の重要性を強調

中野大臣は、建設業の二つの重要な役割を挙げました。一つは日常的な社会インフラの整備や維持管理。もう一つは災害時における地域の守り手としての役割です。

「建設業は私たちの暮らしに欠かせない存在です。平時のインフラ整備はもちろん、災害時には地域の安全を守る重要な役割を担っています」と、その存在意義を強調しました。

深刻化する人材不足への対応

建設業界が直面する最大の課題は、若手職人をはじめとする人材の確保です。中野大臣は国土交通省での勤務経験と、その後の12年間の議員活動を通じて、建設業界の実情を深く理解しています。

「現場では人材不足が深刻化しています。若い世代に建設業の魅力を伝え、業界で働きたいと思ってもらえる環境づくりが急務です」と述べ、具体的な対策の必要性を訴えました。

三つの重点施策を発表

建設業界の課題解決に向けて、中野大臣は以下の三つの重点施策を示しました。

1. 処遇改善の推進

・賃金水準の引き上げ

・福利厚生の充実

・休暇取得の促進

2. 働き方改革の実現

・長時間労働の是正

・現場環境の改善

・業務効率化の推進

3. 若手人材の育成強化

・職業訓練の充実

・キャリアパスの明確化

・技術継承の支援

地域建設業への支援強化

地方の建設業者への支援も重要な課題です。災害対応や地域インフラの維持管理には、地域に根ざした建設業者の存在が不可欠だからです。

「地域の建設業者が健全な経営を続けられるよう、適切な支援策を講じていきます」と中野大臣は表明。地域の実情に応じた支援策を展開する方針です。

業界からの期待

中野大臣の就任について、建設業界からは期待の声が上がっています。国土交通省での実務経験と、議員時代の建設業関連法案への関与が、現場の実情を踏まえた政策立案につながるとの期待です。

今後の展望

建設業界は2024年問題や人手不足、資材高騰など、様々な課題に直面しています。中野大臣は「現場の声に真摯に耳を傾け、実効性のある対策を講じていく」と決意を示しました。

「建設業は地域の維持に不可欠な存在です。次世代に引き継いでいけるよう、持続可能な建設業の実現に全力を尽くします」。中野大臣の力強い言葉に、業界からも大きな期待が寄せられています。

国土交通省は今後、業界団体や関係者との連携を深めながら、建設業の持続的な発展に向けた取り組みを強化していく方針です。建設業界の構造的な課題解決に向けて、具体的な施策の展開が注目されています。

出典情報

国土交通省リリース,中野大臣就任会見要旨,https://www.mlit.go.jp/report/interview/daijin241112.html#gm12