持続可能な社会の実現をもたらすグリーン建築にBIMが果たす役割とは|㈱キャパ メディア連携企画
サステナブルな社会の実現は今や個人や政府だけでなく、企業も取り組むべきであるとして注目を集めています。持続可能な社会づくりには環境負荷の小さな建築プロセスの普及が役に立ちますが、大きく貢献するとされているのがBIMの存在です。
この記事では、そんなBIMが持続可能な社会への貢献度の高い、グリーン建築の実現へ、どのように役立つ技術なのかについて、解説します。
グリーン建築とは
そもそもグリーン建築は、地球環境の負荷を抑えた建築物のことを指します。実際の呼称はさまざまで、「グリーンビルディング」や「緑の建築」と呼ばれることもあります。
設計、施工段階で環境負荷の小さい工法を採用したり、運営管理の段階で一般的な建築物よりもエネルギー負荷を抑えられたりする仕組みを取り入れたりしている建物であることが特徴です。
建築業界は建築資材や化石燃料など、多くの資源を必要とする業界であるだけでなく、排出エネルギーも膨大です。巨大なオフィスビルなどは、建てるだけでも多大なエネルギーが必要ですが、竣工後も莫大な光熱費がかかることから、維持管理においても負荷の大きい存在であることがわかります。
グリーン建築は、そんな従来の建築物の環境負荷の大きさを解決するためのアプローチです。建築物によっては建物の外壁を緑化し、熱の発生や吸収を抑えるとともに、二酸化炭素の削減に役立てようとする取り組みも見られます。
グリーン建築が注目される理由
グリーン建築が注目される理由として、一つにはSDGsへの取り組みが企業に求められていることが挙げられるでしょう。
高度な建築技術は会社のブランド認知向上に貢献しますが、その一環としてグリーン建築の実現が注目されています。環境負荷を抑えるためには業界を問わず高度な技術とモラルのある意思決定が求められるため、投資家や消費者の関心を集めるためにはグリーン建築への参入が欠かせません。
また、グリーン建築は施工コスト削減や維持管理コストの削減にも間接的に貢献します。設計段階で余計な資材をカットし、最低限の資材のみで施工を進めていくので、材料費や輸送費がかかりません。また、不要な水道光熱費をカットできるよう、効率の良い設備設計を実現し、維持管理の際の負担軽減にも貢献します。
環境負荷が小さく節約にもつながるグリーン建築は、投資回収のサイクルを高速化する上でもメリットの大きなアプローチと言えるでしょう。近年のグリーン建築はビジュアルもインパクトが大きい、ユニークな設計になっているケースも多く、施工企業のブランドやテナントに入っている企業のブランドの認知向上に貢献するはずです。
グリーン建築の課題
多くのメリットを持つグリーン建築ですが、一方で懸念すべき課題もあります。まず、グリーン建築を実現するにあたっては、正規の手続きを経て認証を得なければなりません。グリーン建築に関する認証制度は世界に複数存在し、日本でもGreen Building JapanやDBJ Green Buildingといった認証期間があります*1。これらの認証はグリーン建築の正当性を説明する上で欠かせませんが、近年は多くの認証が乱立しており、どの認証を取れば良いのかわかりづらい問題に直面しているのです。
グリーン建築に関する認証制度をある程度整理し、建設に関する意思決定のスピードを高めたり負担を解消したりする取り組みが、制度面で必要とされています。
もう一つの課題は、プロジェクトのコストが従来の工法よりも高くなる可能性がある点です。グリーン建築は、うまくプロジェクトを実現できればコスト削減効果が得られますが、どちらかというと維持管理負担の削減といった長期的な視座に基づいたコスト計算に比重が置かれています。
そのため、従来の工法の方が設計・施工段階のコストは安いと判断され、グリーン建築は二の次となるケースも懸念されます。そもそも環境に配慮した建物は生産性が低くコストが高いというイメージがつきまとっており、その印象から脱却しないと実現しづらいというのもまだまだ問題でしょう。
BIMがグリーン建築において果たす役割
つづきは株式会社キャパ オウンドメディア「持続可能な社会の実現をもたらすグリーン建築にBIMが果たす役割とは」でお読みいただけます。