鹿島建設、実務体験型研修施設「鹿島テクニカルセンター」を開設

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Category:鹿島建設

鹿島(社長:天野裕正)は、当社グループの若手や中堅社員の品質管理能力を早期かつバランスよく高めることを目的に、実務体験型研修施設「鹿島テクニカルセンター」(横浜市鶴見区)を開設しました。「FEEL & THINK」をメインコンセプトに掲げ、社員が五感で感じ・考える施設となっています。
 今後、本施設での新たな実務体験型研修を通じ、鹿島グループ社員の「現物をしっかり見て的確に判断できる目」を養うことで品質管理能力を一層高め、建物品質のさらなる向上につなげていきます。

施設外観施設外観

開設の背景

 当社では現在、就業者不足への対応や働き方改革の実現に向けた様々な取組みを進めています。このうち、現場を担う若手や中堅の技術系社員に対しては、早期かつバランスのとれた品質管理能力の習得を求めています。一方、建設工事は専ら一品生産であり、建物用途や使用する工法も数多く、工程の進捗度も工事により異なります。

このため、従来のOJTによる教育だけでは習得できる技術やノウハウが限られること、同世代の社員間でも習得技術に偏りやばらつきが生じることが課題でした。
 そこで当社は、これらの課題解決に向け本施設の整備を進めることとしました。

鹿島テクニカルセンターの特長

 本施設の開設により、当社グループの若手・中堅社員がバランスよく技術習得することを目指します。
 本施設の特長は、以下のとおりです。

1.施設内に実物大の各種モックアップ(構造体の模型)を設置

研修エリア(1~2階)には、実物大の鉄骨や鉄筋コンクリート造の構造部材および設備機器などを設置しました。研修生は、モックアップを目で見て、手で触れ、実際に鉄筋の組立てなどを体験することにより、品質管理に欠かせないポイントを学び、理解を深めることができます。

また近くには、グループワークやミーティング用の討議エリアを配置し、モックアップを見ながら討議を行うことも可能です。

1階研修エリア1階研修エリア

2階討議エリア2階討議エリア

2.研修生の学びを後押しする取組み

 研修生には、本施設に滞在しているすべての時間を有効に活用してもらい、短期間での技術習得を目指します。宿泊エリア(3~5階)には個室を81室、各階にはラウンジを配置し、研修生同士が交流できる場を数多く設けています。
 また研修生が、木の持つ建築や家具材としての質感、リラックス効果を五感で感じることができるよう、当社グループが国内に所有する約5,500ヘクタールの保有林から伐採した木材を活用しました。本施設の宿泊室※1や一部耐震壁に採用したCLT※2の一部には保有林の杉を、全ての宿泊室および施設の要所に設置した家具には保有林のハルニレやミズナラなどを利用しました。

宿泊室宿泊室

3階ラウンジ3階ラウンジ


※1:当社が開発した新たなユニット化工法「フライングボックス工法Ⓡ」にて施工
※2:Cross Laminated Timberの略。ひき板を繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料

3.当社開発の緑化技術や環境配慮型コンクリートを採用

 本施設には、当社が開発した3つの緑化技術(屋上緑化システム「エバクールガーデンⓇ」、壁面緑化システム「緑彩マルチパネルⓇ.RT」、外構緑地システム「DEWレインガーデン™」)を導入しています。また、コンクリートの製造過程でCO2を吸収・固定することでカーボンネガティブを実現するコンクリート「CO2-SUICOMⓇ」を外構の一部に採用しています。

さらに、通常は廃棄処分する戻りコンクリートを原材料として再利用することでCO2排出量を抑えるコンクリート「エコクリートⓇR3」を構造体や外構の一部に採用しました。これら環境配慮型の技術を間近に見ることで、環境問題解決に向けた研修生の意識を醸成していきます。

外構緑地システム「DEWレインガーデン」外構緑地システム「DEWレインガーデン」

「CO2-SUICOM」の車止めブロック「CO2-SUICOM」の車止めブロック

今後の展開

 当社は、本施設における新たな実務体験型研修を通じて、鹿島グループ社員の品質管理能力を高めるとともに、建物品質のさらなる向上を実現してまいります。

建物概要

所在地: 横浜市鶴見区元宮1-19-8
建物用途: 事務所(研修所)
延床面積: 5,809㎡
構造: RC造一部S造、木造、地上5階
設計者: 鹿島建設株式会社
施工者: 鹿島建設株式会社
竣工年月: 2022年12月

参考

空飛ぶ部屋!「フライングボックス工法」を実工事に適用(2022年5月31日プレスリリース)
https://www.kajima.co.jp/news/press/202205/31a1-j.htm

生物多様性や雨水の貯留・浸透に貢献する総合的なソリューションを提供(2023年1月31日プレスリリース)
https://www.kajima.co.jp/news/press/202301/31a1-j.htm