RUGとは|BIM用語集

RUBとは、BIMの1つであるRevitを普及・促進・活用できるように進める団体のことです。今回は、RUBについて、概要や活動目的、運営体制について解説していきます。

RUGとは

RUGとは、Revit User Groupの略称で、Revit-BIMを実務活用できるような活動サポートを行う2007年に設立された団体のことです。活動実績としては、各ワーキンググループやタスクフォース内で月1〜数カ月に1回程度、集まり課題事項の検討を進めています。また、年に2度程RUGカンファレンスやRUG総会で活動報告や発信など積極的にBIMの普及と展開を進めています。

また、RUGが推進を進めているRevit-BIMでは、意匠・構造・設備設計に通じた専門的なツールが備わっており、一つのソフトで設計から施工まで全ての作業が行うことが可能です。また、データをファイル上に保存できるため、他者との共有が簡単にでき、別々に作業できるなどの機能も備わっています。リアルタイムのチャット機能もあるため、意思疎通にも困りません。

Revitでできること

Revitでできることは下記の通りです。

  • 設計・ドキュメント作成
  • 解析
  • ビジュアライゼーション
  • 調査・連携

順番にご紹介していきます。

設計・ドキュメント作成

Revitでは、設計・ドキュメント作成が行えます。BIMならではの平面図と立面図が連係していることで、壁や開口部、カーテンなどの詳細部分を確認しながら作業を進められます。

そのため、設計時にソフトを切り替えておこなう必要がなく、スムーズに設計業務が進められます。また、適宜2Dと3Dの往復が可能になるため、精巧なモデリング作成や施工時の修正などを減らすことが可能です。

設計・施工などの作業効率を望むのであれば、BIMの使用は欠かせません。

解析

次にRevitでは、建築物の維持費や価値などの計算を適宜早いタイミングでおこなえます。早い段階で建築物のパフォーマンスを最適化することができ、余計なコストを抑えられます。

また、見積もりを設計時に出せることで、施工の工期や建物の耐用年数なども算出できるため、実現可能な運用期間で建築物の竣工が可能です。運用・点検を見据えた将来性の提案も可能になるため、プレゼンテーションが行いやすくなります。

ビジュアライゼーション

Revitでは、写真に近い細かなレンダリングができるビジュアライゼーションが機能として備え付けられています。光の当たり方や人の流れ、建物の素材感など細部までレンダリングしてくれるため、素人が見ても竣工後のイメージが伝えやすくなるでしょう。

設計・施工だけがスムーズに行えるだけでなく、Revitはプレゼンテーションがしやすいといった利点を持ち合わせています。

調査・連携

Revitでは、統合されたプロジェクト環境でエンジニアや協力会社と調査・連携が簡単にできます。プロジェクトがスムーズに進むため、作業効率化が実現できます。

また、同期や反復処理なども可能になっているため、実際に導入した企業にとってRevitは使いやすいソフトと言えるでしょう。

RUGの活動目的

RUGの活動目的は、建設業界がRevitをメインとしたBIMの実務的使用ができるようにサポートすることです。近年、建設業界ではBIMを用いた業務が当たり前になりつつあります。

なぜなら、BIMは設計からエンジニアリングまでの施工・運用に至るまでの作業効率化と優れた成果を実現できるからです。そのため、BIMの活用は欠かせないようになっており、RUGの活動は高く評価されつつあります。

運営体制

RUGは下記の運営体制に分かれています。

  • 分野統合WG
  • 意匠WG
  • 構造WG
  • 設備WG

1つずつ見ていきましょう。

分野統合WG

分野統合WG(ワーキンググループ)では、BIMに関する全体的な課題に向き合います。主なTF(タスクフォース)は以下の通りです。

  • 全体ワークフローTF
  • 分野統合ExensionTF

分野統合WGでは、各ワークグループが連携し、BIMに関する問題に向き合います。これからご紹介する意匠・構造・設備をまとめるWGになります。

意匠WG

意匠WGでは、意匠に関する3D情報や図面、集計に関するBIM内容の問題に向き合います。意匠WGでおこなうTFは以下のとおりです。

  • 意匠ExtensionTF
  • 意匠確認申請TF
  • 意匠DynamoTF
  • 意匠・構造連携TF

意匠WGでは、建物に関する図面化の手間やコストなどの問題に向き合うワークグループとしてBIMの性能が優れるためには必要不可欠な部門と言えるでしょう。

構造WG

構造WGでは、構造に関するBIMモデルや構造計算、構造計算以外の計算に関する問題に向き合います。構造WGでおこなうTFは以下のとおりです。

  • 構造Extension検証TF
  • 構造確認申請TF
  • 構造確認申請用モデリング標準TF
  • 断面リストTF
  • STBLinkTF
  • 地盤情報TF
  • 構造DynamoTF
  • 3D鉄筋作成TF
  • 設備-構造連係TF

構造WGでは、多くのTFとBIM性能を高める課題があります。モデルの判断から計算まで幅広い課題について向き合っているWGです。

設備WG

設備WGでは、設備に関するBIMモデルや2D情報、計算書機器表などに関するBIM内容の問題に向き合います。設備WGでおこなうTFは以下のとおりです。

  • 設備ExtensionTF
  • Revitファミリ設備TF
  • 電気設計TF
  • 設備確認申請TF
  • 設備DynamoTF
  • ファブリケーションTF
  • 設備‐意匠連携TF

設備WGでは、意匠WGと連携したTFもおこなっています。フェーズに応じ企画・基本・実施など各設計フェーズに応じたシステムフローを検討するWGとして非常に重要です。

まとめ

今回はRUBについて解説しました。RUBは、今後もRevit‐BIMは日々課題に向き合い、建設業界の発展に大きな力を与えることでしょう。世界的にもBIMの活用は推奨されていますので、建設業界の発展のためにもBIMを活用・検討している企業は知っておきたい団体といえるでしょう。