コロナ禍での影響調査|地域ゼネコンのICT普及進む遠隔臨場の原則化提言

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建設経済研究所は新型コロナウイルスの流行が建設業に与えた影響などに関するアンケート結果をまとめた。アンケート対象企業は、各都道府県の建設業協会に所属する企業約1万8000社でうち回答者数は、1558社であった。

ICT(※1)工事については、コロナ禍以前から取り組んでいる企業が36.4%の567社に及び、ICTを適用した工種も、628社から複数回答が寄せられた。内容は、土工(580件)、のり面工(123件)、舗装工(97件)、地盤改良工(52件)、基礎工、ブロック据付工(35件)、浚渫工(35件)、付帯構造物設置工(17件)であった。さらに、コンクリート工(32件)、鉄筋工(16件)、型枠工(11件)、鉄骨建て方工(6件)、楊重工(4件)、電気設備工(2件)や内装・外装工(2件)と数は少ないものの一部建築分野にも拡大を見せており、地域建設業がコロナ禍以前から、ICTを適用する動きが拡大していること分かった。

次にICT工事での実施範囲は、「UAV測量のみ」が131件(21.6%)、「UAV測量から3次元モデルを作成し、ICT建機での施工」が247件(40.8%)、「UAV測量から3次元モデルを作成し、ICT建機での施工、完成検査までICT技術を活用」が228件(37.6%)であった。その他の取り組みとしては、写真、出来形、品質などの管理でのIT技術を適用するケースや提出書類の簡素化、ASP(工事情報共有システム)への活用が多かった。

コロナ後も取り組みたい項目としては、「協力会社との作業打ち合わせ」が26件、「工事調整会議(三者会議)の開催による現場運営の再調整」が14件、「部材規格の標準化による作業効率化」が6件であった。

建設経済研究所ではこのアンケート結果をもとに、「ICT普及に向けたICT建機等の官側による保有と施工企業へのレンタル(除雪機械等と同様な扱い)と契約でICTにかかる費用の計上」、「発注者の事務所から1時間以上離れた現場でのASP、遠隔臨場の原則化」「地方自治体での電子契約普及率の拡大」などを提言した。

※1 情報通信技術