速乾コンクリートとは?|普通コンクリートとの違い・硬化時間・おすすめ製品を解説

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著者:上野 海

コンクリートを早く固めたいときや、当日中に補修を済ませたいときなどに活用されているのが、速乾コンクリートです。しかし、通常のコンクリートとどれくらい違いがあるのかわからない方もいるでしょう。

そこでこの記事では、速乾コンクリートの概要や、普通コンクリートとの違いについてわかりやすく解説します。

速乾コンクリートとは?

速乾コンクリートとは、通常より短時間で硬化するよう特殊な成分を配合したコンクリートです。早く硬化する理由は、硬化反応を早める急結材や特殊セメントが使われているためです。水と反応すると短時間で固まり始めるため、緊急補修や短時間施工に向いています。

なお、一般的なコンクリートは十分な強度が出るまで1日以上かかることがありますが、速乾タイプは30〜60分ほどで歩行可能になる製品もあります。

また、以下のような用途で活用されます。

  • 駐車場や土間のひび割れ補修
  • 支柱・フェンスの固定
  • ブロック塀の補修
  • 急ぎの穴埋め施工

一方で、硬化が早いぶん施工時間も短く、広範囲施工では扱いにくいケースもあります。

速乾コンクリートと普通コンクリートの違い

一般的な「普通コンクリート」と比較して、速乾コンクリートがどれくらい早く硬化するのか気になっている方も多いでしょう。本項では、硬化時間や強度、施工性というポイントに分けて、2つの違いを紹介します。

比較項目速乾コンクリート普通コンクリート
硬化時間30〜60分程度3日以内
初期強度短時間で強度が出やすいゆっくり強度が出る
長期強度製品差がある安定しやすい
施工スピード素早い作業が必要比較的余裕あり
向いている用途補修・支柱固定大型施工・土間施工
作業難易度やや高い初心者向き
価格やや高め比較的安価

硬化時間の違い

速乾コンクリートは30〜60分程度で歩行可能になる製品もあり、駐車場補修や支柱固定など「すぐ使いたい場所」で使われています。

一方、普通コンクリートはゆっくり硬化するのが特徴です。ひとつの例として、約20℃だと3日以内に初期性状を発揮できるまで硬化すると言われています。そのため、施工後すぐに荷重をかける用途には向きません。ただし、作業時間に余裕があるため、広範囲施工では通常タイプのほうが扱いやすいケースもあります。

(参考:J-Stage「コンクリートの初期性状」

強度の違い

速乾コンクリートは、短時間でも十分な強度が出るよう設計されていますが、製品によって性能差があります。

たとえば、小規模補修やDIY用途なら十分な強度を確保できる一方、大型土間や重量物を支える基礎では普通コンクリートが選ばれることも少なくありません。また、速乾タイプは水加減を間違えると強度が低下しやすいため、説明書どおりに施工することが重要です。

施工性の違い

施工性では、普通コンクリートのほうがゆっくり作業できるため初心者向きです。

速乾タイプは硬化が始まるまでの時間が短く、準備不足のまま施工すると途中で固まり始めることがあります。特に夏場は可使時間がさらに短くなるため注意が必要です。

一方、小規模補修なら短時間で完了できるため、工期を短縮したい場面では速乾タイプが便利です。

また、コンクリートはほかにも複数の種類があります。以下の記事にて、さまざまなコンクリートの種類を解説しています。

から練りコンクリートとは?

寒中コンクリートとは?

巻き立てコンクリートとは?

オワコン(コンクリート)とは?

軽量コンクリートとは?

デザインコンクリートとは?

カラーコンクリートとは?

速乾コンクリートが向いている用途

速乾コンクリートは、「短時間で使える状態にしたい場所」と相性が良い材料です。たとえば、以下のような用途で使われるケースが多くあります。

  • 駐車場や土間のひび割れ補修
  • フェンス・カーポート支柱の固定
  • ブロック塀まわりの補修
  • 小規模な穴埋め施工
  • 急ぎのDIY補修

特にDIYでは、「今日中に作業を終わらせたい」という場面で便利です。一方で、施工スピードが求められるため、一度に大量施工する用途にはあまり向いていません。

向いていない用途

速乾コンクリートは便利ですが、すべての施工に適しているわけではありません。特に広範囲施工や、ゆっくり仕上げたい作業では通常コンクリートのほうが扱いやすいことがあります。

たとえば、以下のような用途では注意が必要です。

  • 大型土間の施工
  • 広範囲の駐車場施工
  • 真夏の長時間DIY
  • 一人で行う大規模施工
  • 表面を丁寧に均したい施工

速乾タイプは硬化が始まるまでの時間が短く、途中修正しにくい特徴があります。特に初心者が広い面積を施工すると、ムラやひび割れにつながるケースも少なくありません。

速乾コンクリートは季節により硬化時間が変動

速乾コンクリートは製品名どおり短時間で硬化しますが、実際の硬化速度は気温によって変わります。

特に夏場は硬化が非常に早くなり、混ぜている途中で固まり始めるケースも少なくありません。反対に、冬場は硬化反応が遅くなるため、製品表記より長く時間がかかることがあります。

そのため、夏は「少量ずつ練る」、冬は「硬化時間に余裕を持つ」といった調整が重要です。特に真夏の屋外施工では、通常よりさらに短時間で作業する前提で準備する必要があります。

速乾コンクリートおすすめ製品一覧

速乾コンクリートは、製品によって硬化時間や扱いやすさが異なります。特にDIYでは「早く固まりすぎる製品」を選ぶと施工が追いつかないケースもあるため、用途に合うものを選ぶことが重要です。

参考として以下に、販売されている速乾コンクリート製品の一例をまとめました。

製品名特徴硬化時間目安向いている用途
速乾コンクリート
(トーヨーマテラン)
バランス型でDIY向き約60分駐車場補修・支柱固定
超速乾30分セメント
(家庭化学)
短時間硬化タイプ約30分緊急補修
速乾セメント
(サンホーム)
扱いやすく初心者向き約60分小規模DIY
インスタントコンクリートSG
(家庭化学)
水を加えるだけで施工可能約60分穴埋め・補修

※製品によっては「速乾セメント」「インスタントコンクリート」などの名称で販売されているケースもあります。

なお、「すぐ固まるほど便利」と思われがちですが、実際には施工時間も短くなります。初めて使う場合は、硬化時間だけで選ぶのではなく、施工範囲や作業人数も含めて選ぶことが失敗防止につながります。

速乾コンクリートの費用相場

前述した製品一覧などを参考に、容量ごとの費用相場を整理しました。

容量価格相場用途目安
1〜2kg400〜1,000円前後小さな穴埋め・補修
4kg前後700〜1,200円前後支柱固定・小規模DIY
10kg前後1,500〜2,500円前後駐車場補修・土間補修
20kg前後2,500〜4,000円前後広めの施工

特にDIY向けでは4kg〜10kg商品が多く、ホームセンターや通販で手軽に入手可能です。

ただし、施工面積が広い場合は通常コンクリートのほうがコストを抑えやすいケースもあります。速乾タイプは「施工時間を短縮できる代わりに、通常タイプよりやや高め」と考えるとイメージしやすいでしょう。

速乾コンクリートでよくある失敗

速乾コンクリートは便利な反面、通常タイプのコンクリートと同じ感覚で施工すると失敗しやすい材料です。特に多いのが「硬化速度」と「水加減」に関するトラブルで、DIY初心者ほど注意が必要です。

ここでは、よくある失敗を解説します。

思ったより早く固まった

最も多い失敗がこちらです。

速乾タイプは気温によって硬化がさらに早まり、準備不足のまま練り始めると施工途中で固まり始めることがあります。特に夏場は可使時間が短くなるため、施工前に道具や水量を準備しておくことが重要です。

水を入れすぎて強度不足になった

施工しやすくするために水を増やすと、硬化後の強度低下につながります。

特に速乾タイプは配合バランスが重要で、水を入れすぎるとひび割れや崩れの原因になることがあります。説明書どおりの水量を守ることが大切です。

固まり始めてから練り直した

一度硬化が始まった材料に再度水を加えて練り直すと、本来の性能が出なくなります。

見た目は使えそうでも、本来の強度が出にくくなり、剥がれやひび割れの原因になります。少量ずつ練るほうが失敗しにくいです。

まとめ

速乾コンクリートは、駐車場補修や支柱固定など「短時間で施工を終わらせたい場面」で便利な材料です。一方で、普通コンクリートより硬化が早いため、水加減や施工準備を間違えると失敗しやすい特徴もあります。

施工やDIYで失敗したくないなら、施工範囲や作業時間に合わせて通常タイプと使い分けることが重要です。