大成建設、幸手市と包括連携協定締結、T-FIELD拠点に環境教育など連携推進

大成建設株式会社(社長:相川善郎)および大成ロテック株式会社(社長:加賀田健司)は、埼玉県幸手市(市長:木村純夫)と2026年2月17日、包括連携協定を結びました。この協定は、大成建設グループが幸手市内に設けた次世代技術研究所「T-FIELD/SATTE」を中心として、環境・教育をはじめとする幅広い分野での協力関係を進めることを目的としています。大成建設グループと地方自治体が包括的な協定を結ぶ事例は各地で見られますが、今回は自社の研究拠点を起点とした連携という点で、一歩踏み込んだ取り組みといえます。
日本初のゼロカーボンビルを核とした研究拠点
「T-FIELD/SATTE」は、日本で初めてとなるゼロカーボンビルを中核に据えた施設です。建設・道路分野における脱炭素化を加速させるための研究・実証拠点として、2026年2月16日に本格的な運用がスタートしました。
ゼロカーボンビルとは、建物の運用中に排出されるCO₂排出量削減を目指した建築物のことです。省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの活用、建材の工夫といった複合的なアプローチによって実現されます。「T-FIELD/SATTE」はそうした最先端の取り組みを実際の建物で体現した施設であり、建設業界における脱炭素化のモデルケースとして位置づけられています。
この研究所の建設が決まって以来、大成建設グループは幸手市と連携し、市内の子どもたちが参加する植樹活動や、地域の関係者が集う連携ワークショップといった取り組みを積み重ねてきました。今回の協定締結は、そうした実績を土台とした、より踏み込んだ連携体制の確立を意味します。
協定で定められた6つの連携分野
今回の包括連携協定では、以下の6分野にわたる協力が明記されています。
・まちづくりに関すること
・環境に関すること
・防災に関すること
・学校教育・生涯学習の推進に関すること
・シティプロモーションに関すること
・その他、協定の目的を達成するために必要な事項に関すること
環境や防災、教育といった市民生活に直結するテーマが幅広く盛り込まれており、行政と民間企業が連携して地域課題に取り組む姿勢が明確に示されています。特に「学校教育・生涯学習の推進」が盛り込まれた点は注目に値します。研究所という最先端の技術拠点を、子どもから大人まで幅広い世代の学びの場としても活用していこうという意図が感じられます。
脱炭素技術の知見を地域社会へ
今後、大成建設グループは「T-FIELD/SATTE」での研究を通じて得た脱炭素技術や環境配慮型材料に関する知見を、幸手市との連携に役立てていく方針です。
同グループが独自に開発した評価システム「T-ZCB(Taisei Zero Carbon Building)」も、この取り組みの中で活用されます。T-ZCBとは、建物の調達・施工・運用・修繕・解体というライフサイクル全体を通じたCO₂排出量と削減効果を数値で示し、ゼロカーボン化の達成度を体系的に評価する仕組みです。単に建物を建てるだけでなく、その一生涯にわたる環境負荷を見える化することで、より精度の高い脱炭素化を目指しています。
こうした技術提案や実証成果を地域社会へ還元することで、幸手市における持続可能で安全・安心なまちづくりに貢献していくとしています。研究所での最先端技術が、地域住民の暮らしに直接つながっていく取り組みとして、今後の展開が注目されます。
出典情報
大成建設株式会社リリース,大成建設グループと幸手市が「包括連携協定」を締結-次世代技術研究所「T-FIELD/SATTE」を起点に地域共創を推進-,https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2026/260217_10939.html