竹中工務店、割り箸再資源化で建築空間と家具用途の3社共同研究開始を発表、適用拡大へ

竹中工務店は2026年2月19日、コクヨ株式会社およびカナダに本社を持つ循環型製造企業・ChopValue Manufacturing Japan株式会社(以下、ChopValue Japan)と、使用済み割り箸のアップサイクル技術を建築空間やオフィス家具へ広く活用するためのパートナーシップ(共同研究契約)を締結したと発表しました。
年間200億膳が捨てられている現実
日本では毎年、約200億膳もの割り箸が使い捨てられています。食卓やオフィスで何気なく使われているこの小さな木の棒が、これほど膨大な量でゴミとして処分されているという事実は、多くの人にとって意外に感じられるかもしれません。
今回の取り組みは、こうした使用済み割り箸を単なる廃棄物として終わらせず、建材や家具へと生まれ変わらせることを目指すものです。資源の無駄を減らしながら、CO2の固定にも貢献できる点が大きな特徴といえます。また、身近な素材を通じて資源循環への意識を広める効果も期待されています。
竹中工務店はこれを、自社が提唱する「サーキュラーデザインビルド®」の実践として位置づけています。「つくる」・「つかう」・「つなぐ」の3つをキーワードに、さまざまな関係者との協業でサーキュラーエコノミーを実現していくというコンセプトです。
3社の役割と協業の内容
今回のパートナーシップでは、3社がそれぞれの強みを持ち寄りながら、以下のような役割分担で取り組みを進めていきます。
・割り箸の回収体制の整備:コクヨと竹中工務店が、それぞれの事業所での割り箸回収に関する実証試験を実施。日本国内での適切な回収・物流の仕組みづくりを目指します。
・新製品・新用途の開発:ChopValue Japanのアップサイクル技術をベースに、コクヨは文具・家具分野での新製品を、竹中工務店は建材分野での新用途の開発を進めます。
・空間評価の共同実施:開発された建材や什器を実際の空間に取り入れた際の印象を、エンドユーザーやデザイナーへの印象評価等を3社で協業しながら実施します。
今後の展開と期待される効果
竹中工務店は今後、自社の事業所や建設現場で集めた割り箸を内装材・建材・家具什器などへとアップサイクルし、建物の設計提案や自社物件への活用を進めていく方針です。さらに、建築主や自治体、地域の人々と連携しながら、割り箸の回収からアップサイクル製品の建物への導入まで、川上から川下までを網羅したサーキュラーエコノミーの取り組みを幅広く展開していく計画です。
将来的には、ChopValue Japanが持つ廃棄物を板材へと加工する技術を、割り箸以外の建築廃棄物のアップサイクルにも応用していくことも視野に入れています。
また、3社での共同研究とは別に、竹中工務店とChopValue Japanの2社間でも個別に共同研究契約を締結。内装材として幅広い建築物に使用するために必要な防火認定の取得に向けた検討を進めていきます。
ChopValue Japanとはどんな企業か
ChopValue Japanは、使用済み割り箸を什器や建材へと加工するアップサイクル技術を持つカナダ発の循環型製造企業です。2016年に創業し、これまでに10か国で事業を展開。2025年4月には日本国内第1号となる工場を川崎市に開設しています。
身近な「使い捨て」が、建物を彩る素材へと変わる——この取り組みは、資源循環の新たな形として今後の広がりが注目されます。
出典情報
株式会社竹中工務店リリース,使用済み割り箸のアップサイクルに向け始動 コクヨ・ChopValue Japanと建物への適用拡大へ向け協業,https://www.takenaka.co.jp/news/2026/02/03/
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