大林組、空調用誘引ユニットin-DUCT吹出口タイプを大空間・半屋外向けに開発

大手建設会社の株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:佐藤俊美)は、協立エアテック株式会社(本社:福岡県糟屋郡篠栗町、社長:久野幸男)と共同で、空調用誘引ユニットの新製品を開発しました。この製品は「in-DUCT(インダクト)」吹出口タイプと呼ばれ、大量の空気を送り出せる能力と、吹出口での結露を防ぐ機能を併せ持っています。
発表は2026年1月7日に行われ、新製品は大空間や半屋外空間での空調において、エネルギー消費を抑えながらコストを削減できる技術として注目されています。
デザイン賞の受賞と導入実績
既に市場に投入されている「in-DUCT」ダクト中間タイプは、2024年度のグッドデザイン賞においてグッドデザイン・ベスト100に選ばれました。今回発表された吹出口タイプについても、2025年度グッドデザイン賞を獲得しています。
導入先としては、全国のスポーツ関連施設や生産施設での採用が決まっており、2027年に開催されるGREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)における大林組Villageでも使用される予定です。
開発に至った経緯
大林組がこの技術の開発に取り組んだ理由は、アトリウムやスタジアムといった天井が高く広々とした空間、または半屋外の環境で、湿度が高い状態でも快適で効率的な空調を提供するためでした。2023年には、ダクトの中間部分に取り付けるタイプの「in-DUCT」を開発していました。
この装置の仕組みは、空調機から送られる空気が装置内を通る際に、周辺の空気を引き込む構造になっています。引き込まれた空気と元の空気が混ざり合うことで、大量の混合空気として送り出されます。室内の温度と送り出される空気の温度の差が小さくなるため、吹出口が冷えすぎて水滴がつく現象を防ぐことができます。
さらに、この装置は動力を必要とせず、メンテナンスも不要という特徴があり、設置時の費用や運用中の費用を抑えることが可能です。
このたび、「in-DUCT」をより多くの場所で使えるようにするため、設置の自由度を大きく高めた吹出口タイプを新しい製品ラインとして開発しました。
新製品の主な特徴
「in-DUCT」吹出口タイプは、空気を引き込む機構と吹出口が一つにまとまった構造で、空調ダクトの先端に設置する形式です。ダクト中間タイプと同じ性能を維持しながら、ダクトへの接続だけでなく、空調機に直接つなぐこともできる設計になっています。
対応できる風量の幅を広げるため、3種類のサイズ(風量1,200~4,800立方メートル毎時台)を用意しました。設置方法の選択肢が増えたことで、様々な現場の条件に合わせやすくなりました。
風の向きを調整できる機能
吹出口タイプには、空気を引き込むための「くぼみ」の前後にある縮小部分と拡大部分を分けて、拡大部分を回転させられる仕組みが採用されています。これによって、空気を引き込む性能を保ったまま、最大で30度まで吹出す方向を変えることができ、空調が必要なエリアに気流を届けやすくなります。
また、吹出す部分に風向を調整するオプション部品を取り付けることで、上下の方向だけでなく、左右の方向にも風の向きを変えられるようになっています。
これからの方向性
大林組は今後、「in-DUCT」のダクト中間タイプと吹出口タイプの両方を、それぞれの現場や用途に応じて積極的に提案していく方針です。広い空間や半屋外の空間において、エネルギー消費を減らしながら快適な環境を作り出すことを目指しています。
この新しい空調技術により、これまで空調が難しかった場所でも、効率的で経済的な温度管理が実現できると期待されています。
出典情報
株式会社大林組リリース,空調用誘引ユニット「in-DUCT®」吹出口タイプを開発 設置自由度を大幅に向上し、大空間や半屋外空間で省エネルギーかつ低コストな空調を実現,https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20260107_1.html