【2026年最新】建築設備士の難易度は国家資格で何位?合格率・勉強時間まで徹底解説

建築設備士は「設備系資格のなかでも特に難しい」と言われる国家資格です。実際に調べてみると、合格率は毎年15〜20%前後と低水準で推移しており、「受かる気がしない」「一級建築士より難しいのでは?」と不安を感じる方も少なくありません。
そこでこの記事では、建築設備士の難易度について、合格率・試験構成・他資格との比較などをもとに、わかりやすく解説します。
目次
数字で見る建築設備士の難易度【合格率】
建築設備士の難易度は、よく難しいと言われているものの、具体的にどう難しいのかイメージできずにいる人も多いでしょう。
ここでは、公益財団法人 建築技術教育普及センターが公表している過去5年間の公式データをもとに、数値としての建築設備士の難易度について解説します。
建築設備士試験の合格率は約15〜20%で推移している【過去5年】
建築設備士の総合合格率は直近5年間で15.7〜21.5%の範囲で推移しています。以下は、JAEICが公開している過去5年間の総合合格率です。
| 実施年 | 実受験者数 | 合格者数 | 総合合格率 |
| 令和3年 | 3,217人 | 606人 | 18.8% |
| 令和4年 | 3,183人 | 516人 | 16.2% |
| 令和5年 | 3,302人 | 632人 | 19.1% |
| 令和6年 | 3,403人 | 732人 | 21.5% |
| 令和7年 | 3,584人 | 563人 | 15.7% |
出典:建築技術教育普及センター「建築設備士試験データ」
合格率は一貫して20%前後以下であり、年度による多少の上下はあるものの、易化・難化の振れ幅は小さいということがわかります。
さらに重要なのは、建築設備士試験は受験資格に実務経験が必要である点です。つまり、母集団はすでに「設備・建築の実務経験者」であり、そのなかで約8割以上が不合格になっています。
このことから、建築設備士は「誰でも挑戦できるが難しい資格」ではなく、「経験者でも簡単には受からない資格」と位置づけるのが実態に近いと言えるでしょう。
また、難易度を理解したうえで受験を検討している方は、以下の記事もチェックしてみてください▼
なぜ建築設備士は「難しい」と言われるのか?
建築設備士が「難関資格」と言われるのは、単に合格率が低いからではありません。受験者数、試験範囲の広さ、評価される能力の性質を分解していくと、他の建築・設備系資格とは性格がまったく異なる試験であることが関係しています。
ここでは、難易度が高いと言われている本質的な理由を3つに分けて解説します。
【理由1】受験資格に実務経験が必要で、受験者レベルが高い
建築設備士は、誰でも受験できる資格ではなく、一定年数の実務経験が受験資格として必須です。そのため受験者の多くは、設備設計・施工管理・工事監理などの実務経験者になります。
(参考:建築技術教育普及センター「令和8年建築設備士試験受験総合案内書」)
公益財団法人 建築技術教育普及センターのデータでも、合格者の約5割が設計業務従事者です。合格率が約15〜20%である点からしても、母集団のレベルが高いこと自体が難易度を押し上げています。
【理由2】学科試験は設備×法規×建築一般の横断知識が必要
建築設備士の学科試験は、設備単体の知識だけでは対応できません。以下のような設備知識に加え、建築計画や建築基準法などの法規・建築一般を横断的に理解しているかが問われます。
- 空調
- 給排水
- 電気
法規は持ち込み可能ですが、条文を暗記しているだけでは不十分で、設計実務と結び付けて解釈できる力が必要です。この「分野横断型」の出題構成が、学科試験を難しくしています。
【理由3】設計製図試験は“設備設計の実務力”がそのまま問われる
建築設備士の設計製図試験では、過去に図書館や複合商業施設、ZEBを想定した市民センターなど、実務レベルの建築物が課題として出題されています。
このときに評価されるのは、図面の綺麗さではなく、用途に応じた設備計画の妥当性や系統構成の論理性です。つまり「正解を覚える試験」ではなく、実務でどう考え、どう設計するかを説明できるかが合否を分けるため、実務力の差がそのまま難易度に直結します。
建築設備士の難易度を他資格と比較すると?
建築設備士の難易度を正しく理解する参考として、他の建築・設備系国家資格との難易度の違いを比較します。
建築設備士と一級建築士の難易度比較
合格率だけを見れば一級建築士の方が難易度は高いとされますが、試験の性質や求められる力が次のように大きく異なります。
| 項目 | 建築設備士 | 一級建築士 |
| 総合合格率 | 約15〜20% | 約10%前後 |
| 受験資格 | 実務経験必須 | 学歴+実務 |
| 試験構成 | 学科+設計製図 | 学科+設計製図 |
| 主な評価軸 | 設備設計の妥当性・助言力 | 建築設計の総合力 |
| 製図試験の特徴 | 設備計画・系統構成重視 | プラン・法規・構造配慮 |
| 体感難易度 | 実務力依存が大きい | 試験対策量が多い |
建築設備士は、受験者全員が実務経験者であるにもかかわらず、この合格率です。そのため「数字以上に難しい」と感じる人も多く、特に設計実務経験が浅い場合は、一級建築士よりもハードルが高く感じられるケースもあります。
よって、設計に関わりたい人には建築設備士、建築全体を統括したい人には一級建築士が向いています。
建築設備士と設備系資格(管工事施工管理技士・電気主任技術者)の違い
建築設備士は、他の設備系資格のなかでも難易度が高い国家資格として知られています。その理由は、以下の表からわかるように、求められる役割が違う点にあります。
| 項目 | 建築設備士 | 管工事施工管理技士 | 電気主任技術者 |
| 主な立場 | 設備設計・助言 | 施工管理 | 保安監督 |
| 中心スキル | 建築×設備の設計判断 | 工程・品質・安全管理 | 電気理論・法規 |
| 設計力の比重 | 非常に高い | 低い | 低〜中 |
| 建築計画理解 | 必須 | 不要 | 不要 |
| 試験の性格 | 実務思考型 | 管理知識型 | 理論・暗記型 |
| 設計製図試験 | あり | なし | なし |
特に建築設備士は、施工や保安の資格ではなく、建築計画を踏まえて設備をどう成立させるかを考える資格です。そのため、施工管理技士や電気主任技術者を取得していても、設計経験が乏しい場合は難易度が一気に跳ね上がります。
建築設備士に受かる人・受からない人の特徴
建築設備士の合否は、持ち合わせている知識量よりも実務との結び付きが結果を左右します。以下は合格者・不合格者に多い傾向です。
| 受かる人の特徴 | 受からない人の特徴 |
| 設備設計・計画に日常的に関わっている法規を「設計判断」に使える製図で理由を説明できる | 施工・管理中心で設計経験が少ない暗記中心の学習過去問だけで対策している |
つまり、実務をしっかりと理解できていなければ、高得点を目指せません。現在の学習状況がどちらに近いかを整理し、必要なら早めに学習方針を「受かる人の特徴」にシフトチェンジしましょう。
「建築設備士は意味ない」と言われる理由は本当か?
建築設備士の資格は、時折「意味ない」と言われることがあります。その理由は、施工管理中心の業務で資格を取ったものの、設計に関われず評価につながらなかったケースが多いためです。
まず、建築設備士は万能資格ではなく、使える場面が明確な専門資格です。そのため、次のように評価されるケースとされにくいケースに分かれます。
| 評価されるケース | 評価されにくいケース |
| 設備設計・監理 技術助言・設計判断中〜大規模建築 | 施工管理のみ 資格手当目的 小規模案件中心 |
よって、設計・助言の立場では「すごい資格」と評価される一方、業務内容によっては恩恵を感じにくいのが実情です。資格取得を目指す前に、「今の実務で受験資格を満たすか」「製図対策が必要か」を一度整理してから挑戦しましょう
建築設備士の勉強時間と現実的な学習戦略
建築設備士の勉強時間は、独学で300〜500時間程度が目安とされています。ただし、時間よりも「何をやるか」が重要です。以下に現実的な学習戦略の例をまとめました。
- 学科:法規+設備を設計視点で整理する
- 製図:過去課題で計画理由を言語化する
また、弱点分野は講座・添削を活用するのがおすすめです。特に設計製図は独学の限界が出やすいため、早期に戦略を固めることが合否を分けます。
建築設備士の難易度についてよくある質問【FAQ】
建築で一番難しい資格は何ですか?
一般的に「建築で一番難しい資格」は一級建築士とされ、総合合格率は例年10%前後です。ただし、建築設備士も合格率15〜20%と難関で、しかも受験者は実務経験者に限定されます。そのため、設備設計分野に限れば建築設備士は最難関クラスと評価されることも多く、分野別で難易度は異なります。
建築設備士を活かせる仕事は何がありますか?
建築設備士は、設備設計・設備監理・建築士への技術助言で特に活かせます。延べ面積2,000㎡超の建築物では、建築設備士による助言が制度上想定されており、設計事務所や建設会社、官公庁案件で評価されやすい資格です。一方、施工管理専業の場合は活躍の場が限定される点に注意が必要です。
まとめ
建築設備士は、合格率15〜20%の難関資格であり、実務経験者でも十分な準備が求められます。
ただし、資格を取得すれば設備設計や技術助言の分野におけるキャリアの武器になります。難易度だけで判断せず、まずは「受験資格を満たすか」「製図対策が必要か」を整理し、無理のない学習計画を立ててから挑戦しましょう。