オワコン(コンクリート)とは?透水性コンクリートとの違いやメリット・デメリットを解説

「オワコン コンクリート」と検索すると、「終わった素材」「後悔する」といった不安な言葉が並びます。しかし結論から言えば、オワコンはコンクリートのひとつの名称です。使いどころを誤らなければ、排水性・防草性・コスト面のバランスを高められます。
そこでこの記事では、名称の誤解が生まれた背景から、造粒ポーラスコンクリートとしての仕組み、従来コンクリートとの違い、メリット・デメリット、費用目安までをわかりやすく解説します。
目次
そもそも「オワコン コンクリート」とは?【誤解されがちな正体】
オワコンは「終わったコンクリート」ではありません。水を通す構造をもつ透水性の高機能材です。降雨量の多い日本で活躍するコンクリートであり、庭・犬走り・駐車場など、排水性・防草性・施工性を求められる場所で採用されています。
まずはコンクリートであるオワコンの誤解と正しい知識について見ていきましょう。
「オワコン=終わった」という誤解が生まれた理由
オワコンというコンクリート名を聞くと「終わったコンクリート」「もう使われていないコンクリート」とイメージする人も多いでしょう。
ですが実際には、「終わらない(長く使える)コンクリート」「維持管理が楽なコンクリート」という意味があります。ネットスラングのオワコン(終わったコンテンツ)とは全く別物です。
名称が同じであることから混同され、ネガティブな印象を受けてしまいますが、こちらは建設工事で活用されるコンクリートであり、ポジティブな意味合いである点に注意してください。
正式名称と仕組み|造粒ポーラスコンクリートとは
オワコンの正体は「造粒ポーラスコンクリート」です。
造粒ポーラスコンクリートとは、骨材をあらかじめ造粒し、結合材で固めた透水性コンクリートになります。粒同士の間に連続した空隙ができるため、雨水を地中へ逃がし、水たまりが発生しにくい構造を持ちます。
一方で表面は硬化するため、土のように流出せず、雑草も生えにくいのが特徴です。排水性と防草性を両立できることから、庭や犬走り、ぬかるみ対策などで採用されています。
※国土交通省の「構内舗装・排水設計基準(平成27年制定)」でもオワコンなどの透水性コンクリートは、浸水対策として有効とされています。
オワコンと従来のコンクリートは何が違う?
オワコンと従来のコンクリート(土間コンクリート)の最大の違いは、「水をどう扱うか」という設計の考え方です。
| 比較項目 | オワコン (造粒ポーラスコンクリート) | 従来のコンクリート (土間コン) |
| 排水の考え方 | 水を地中に浸透させる | 水を勾配で流す |
| 水たまり | できにくい(下地条件に左右される) | 勾配不良だと発生しやすい |
| 構造 | 連続した空隙を持つ透水構造 | 不透水構造 |
| 排水設備 | 原則不要 | 排水桝・勾配が必要 |
| 施工工程 | 敷く → 均す → 踏み固める | 配筋 → 型枠 → 打設 → 養生 |
| 養生期間 | ほぼ不要(条件による) | 約7〜10日 |
| 施工後の使用 | 当日〜翌日から歩行可能 | 養生完了後 |
| 仕上がり | 土に近い自然な見た目 | フラットで均一 |
| 向いている場所 | 庭・犬走り・裏庭・排水対策 | 駐車場・アプローチ・意匠重視 |
以下より、排水と施工性に分けて詳しい違いを紹介します。
排水・水たまりの考え方の違い
従来のコンクリートは「水を表面で処理」しますが、オワコンは「水を地中へ逃がす」という考え方で排水できます。
表面を固めて人や自動車が移動しやすくなる一方、土の状態と同じように排水できるため、犬走り・裏庭など排水処理が難しい場所との相性が良いです。
※透水性能は下地(土質・転圧)に大きく左右されるため、万能ではありません。
施工工程・養生期間の違い
オワコンは、通常のコンクリートと比べて施工工程がシンプルで、養生期間が短く抑えられます。
たとえば従来のコンクリートは7~10日ほどの養生期間が必要ですが、オワコンは養生がほぼ不要です。「敷く→均す→踏み固める」という簡単な工程で施工できるため、施工当日から歩行可能なケースもあります。
オワコンとオコシコンの違い【見た目・DIY・施工難易度】
オワコンと同じく透水性コンクリートの種類に「オコシコン」というコンクリートもあります。2つの違いを以下に整理しました。
| 比較項目 | オワコン | オコシコン |
| 見た目 | 土に近い、やや柔らかい印象 | 砕石が目立ち、石畳に近い |
| 表面の粒感 | 細かい | 粗い |
| 施工方法 | 踏み固め施工が可能 | 振動プレート等が必要 |
| DIY適性 | 比較的高い | 低い(業者向き) |
| 仕上がりの均一性 | ややムラが出やすい | 均一に仕上がりやすい |
この2つは、使われている材料構成と締め固め方法が違います。
オワコンは造粒された骨材を用いるため粒が細かく、踏み固め施工が可能です。一方、オコシコンは砕石ベースのポーラス構造で、均一な締固めには専用機械が必要になります。
そのため、裏庭や犬走りなど人目につきにくい場所ではオワコンが向いていますが、アプローチや外構の見せ場では、オコシコンのほうが優れます。
オワコンのメリット【なぜ選ばれ続けているのか】
オワコンが選ばれ続けているのは、「水・草・コスト」という外構の三大ストレスを一度の施工で同時に軽減できるためです。
従来の対処法を組み合わせるより、結果的に手間と費用を抑えやすい点が評価されています。ここでは、工事に適用するメリットを紹介します。
透水性が高く水たまりができない
オワコンは透水性が高く、雨水を地中へ逃がすため水たまりができにくい素材です。そのため、犬走りや裏庭など、排水設備を設けにくい場所に設ければ、ぬかるみ対策として役立ちます。
雑草対策として長期的にラク
オワコンは、コンクリートで地表を覆うため、日光が阻害されて雑草が生えにくくなります。防草シートのように数年で突き破られる心配が少ないことから、長期的な草取り作業を減らせるのがメリットです。
土間コンより安く施工が早い
オワコンは、土間コンクリートより費用を抑えやすく、工期も短い傾向があります。
たとえば、配筋や型枠、長期養生が不要であるため、人件費と工程を削減でき、その分だけ施工費を抑えられるのが強みです。また、条件次第では施工当日から歩行可能で、生活への影響も最小限に抑えられます。
オワコンで後悔する人の特徴【デメリット】
オワコンは透水性が高いという魅力を持っていますが、「選び方」と「使い方」を誤ると後悔につながるケースがあります。
ここでは、工事採用のデメリットを紹介します。
見た目を重視しすぎたケース
オワコンは、土に近い自然な風合いで、表面に多少の凹凸が出るため、滑らかなコンクリートの見た目をイメージして利用すると、後悔につながります。景観性よりも機能性を重視する場所におすすめです。
用途に合わない場所に使ったケース
オワコンは排水・防草向きで、重荷重や完全な平滑性を求める場所には不向きなため、用途と性能が合わないと良さが活きません。特に、車の頻繁な切り返しやデザイン重視の場所では、見た目や性能に対する不満が出やすくなります。
DIYで下地処理を省いたケース
オワコンを用いる際に、転圧や路盤調整が不十分だと、沈下や透水不良が起きやすくなります。オワコンはただ「敷く」だけではなく、下地処理の対策が必要です。
路盤・路床などの材料の準備なども必要になるため、DIYをする際には施工手順をしっかりと確認しましょう。
オワコンの費用目安
オワコンの費用はメーカーによって金額が異なりますが、おおよそ1㎡あたり約4,000〜7,000円前後が目安です。
土間コンクリートは1㎡あたり約12,000〜15,000円前後であるため、費用を半分ほどに抑えられます。なお、費用を抑えられるのは、以下の対応が原則不要であること、そして材料費だけでなく人件費と工期を圧縮できるのが理由です。
- 配筋
- 型枠
- 長期養生
ただし、下地処理(転圧など)や施工面積によって金額が変動する点に注意してください。
コンクリートを全部オワコンにすべきではない理由
オワコンを利用すれば、費用を抑えやすく排水設備を設ける必要がなくなるため、すべてをオワコンにしたほうがいいと考える人もいるでしょう。
しかし、外構や敷地のすべてをオワコンにするのは最適ではありません。用途ごとに素材を使い分けましょう。以下に材料選定の例をまとめました。
- 駐車場の切り返し部・玄関アプローチ:土間コン向き
- 犬走り・裏庭・水はけ不良地:オワコン向き
オワコンは排水・防草に強い反面、完全な平滑性や意匠性、重荷重耐性を最優先する場所には不向きです。従来コンクリートのほうが適するケースもあるため、どの範囲をオワコンで対応するかを検討することが大切です。
オワコンについてよくある質問【FAQ】
オワコンはホームセンターで買える?
一般的なホームセンターでは、完成材としての取り扱いがほとんどありません。オワコンは生コンに近い扱いであるため、製造・運搬・施工がセットになるケースが多いです。一部資材は入手可能な場合もありますが、品質管理が難しいため注意が必要です。
オワコンはカインズで買える?
カインズでオワコンそのものを常時購入できるケースは確認されていません。カインズでは砂利やインスタントモルタルは販売されていますが、造粒ポーラスコンクリートは専門材に分類されます。
オワコンの耐用年数はどれくらい?
オワコンの耐用年数は、施工条件次第ですが、適切な下地と施工で10年以上使われるケースが一般的です。コンクリート素材であるため、防草シート(耐用年数2~3年)より劣化を抑えられます。
まとめ
オワコン(造粒ポーラスコンクリート)は、「終わった素材」ではなく、排水性・防草性・施工性に強みを持つ用途特化型のコンクリートです。
一方で、見た目や使用場所を誤ると後悔につながるため、すべてをオワコンにするのではなく使い分けが重要になります。水たまりや雑草に悩む場所には有効な選択肢となるので、まずは自宅条件に合うかを整理しましょう。