【2026年対応】建設業経理士2級とは?合格率・試験日・勉強時間・過去問まで完全ガイド

「建設業経理士2級」は、建設業界で経理・現場事務に関わる人向けの資格です。完成工事原価や未成工事支出金など、一般的な簿記では学ばない建設業特有の会計処理を体系的に理解でき、経営事項審査(経審)の加点対象にもなります。
そこでこの記事では2026年対応版として、資格の合格率・試験日・難易度・勉強法をわかりやすく解説します。
目次
【結論】建設業経理士2級はこんな人におすすめ
建設業経理士2級は、万人向けの資格ではありません。
ですが、「建設業で働く」「経理・数字に関わる」「会社評価を高めたい」という条件に合う人であれば、費用対効果が非常に高い資格です。ここでは、特に取得メリットが大きい人のタイプを整理します。
建設業の経理・現場事務として実務力を高めたい人
建設業経理士2級は、日々の経理処理を、ただの作業ではなく技術的に対応していきたい人におすすめです。
完成工事高や未成工事支出金など、建設業特有の会計処理を体系的に学べるため、数字の意味を理解したうえで処理でき、決算期や経審前の修正リスクを減らせます。経理・現場事務として実務の精度を高めたいなら、ぜひ取得を目指してみてください。
経営事項審査(経審)の加点を狙いたい会社・個人
建設業経理士2級は、公共工事の受注や会社評価を意識している会社におすすめです。
この資格は、登録要件を満たすことにより、公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が必ず受けなければならない「経営事項審査(経審)」の加点対象となります。
人を増やさずに評価点を積み上げられるため、業務受注を安定化させやすいのが魅力です。
簿記より「建設業特化」を重視したい人
将来も建設業界で働く予定があるなら、建設業に特化した経理を学べる建設業経理士2級を取得しましょう。
一般的な簿記2級は幅広い業界で使える一方、建設業特有の工事原価管理までは踏み込みません。対して、建設業経理士2級は最初から建設業を前提に設計されているので、学んだ知識をそのまま現場や経理業務に活かしやすいのが特徴です。
建設業経理士2級とは?1級・3級・4級との違い
建設業経理士2級は、建設業界に特化した会計・原価管理の知識を証明する資格です。
一般的な簿記資格とは違い、建設業法や経営事項審査(経審)と結びついて評価される点が大きな特徴です。
また建設業経理士は、ほかにも1級・3級・4級があります。以下に違いをまとめました。
- 1級:経理責任者・管理職向け(高度な財務・分析力が必要)
- 2級:実務担当・経審加点向け(原価計算・精算表が中心)
- 3級:建設業経理の基礎理解向け(入門レベル)
- 4級:事務初心者・補助業務向け(評価・加点対象外)
つまり2級は、精算表や工事原価管理など実務頻出分野を扱いながら、経審評価にもつながる点が特長です。そのため「まずは会社や自分の評価を上げたい」という人に選ばれやすい級となっています。
(参考:建設業振興基金「建設業経理検定試験公式サイト」)
また、建設業経理士のほかの級の情報も詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください▼
建設業経理士2級で「何ができる」ようになる?
建設業経理士2級を取得すると、建設業特有の会計処理を実務レベルで理解・説明できる状態になります。単なる資格取得にとどまらず、日常業務や会社評価に直結する点が特徴です。
具体的には、次のようなことが可能になります。
- 完成工事高・未成工事支出金を正しく処理できる
- 工事別原価管理や精算表を自力で作成できる
- 経営事項審査(経審)の加点対象として会社評価に貢献できる
- 税理士・上司・経営層に数字の根拠を説明できる
「経理作業がわかる人」から「数字で判断できる人」へステップアップできるため、建設業の経理を担当する方にとって、非常に役立つ資格だと言えます。
建設業経理士2級の合格率・難易度はどのくらい?
建設業経理士2級は、「難しすぎず、簡単すぎない」実務寄りの資格です。
以下に整理した「近年の実施状況」を見ると、合格率は概ね30〜40%台で推移しており、しっかり対策すれば十分に合格を狙えます。
| 試験回 | 実施日 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 第33回 | 令和5年9月10日 | 8,985人 | 3,796人 | 42.2% |
| 第34回 | 令和6年3月10日 | 8,920人 | 4,255人 | 47.7% |
| 第35回 | 令和6年9月8日 | 8,083人 | 2,952人 | 36.5% |
| 第36回 | 令和7年3月9日 | 9,014人 | 4,254人 | 47.2% |
| 第37回 | 令和7年9月7日 | 8,010人 | 2,577人 | 32.2% |
出典:建設業振興基金「過去の実施状況」
つまり、回によるブレはあるものの「3人に1人〜2人は合格」する試験です。
建設業経理士2級の受験費用・料金
建設業経理士2級を受験する際にかかる費用は、受験料+申込手数料が基本です。
| 試験区分 | 受験料(税込) |
| 建設業経理士2級 | 7,120円 |
| 参考:2級・3級 同日受験 | 12,620円 |
| 参考:3級 | 5,820円 |
| 参考:4級 | 4,720円 |
なお、上記の金額は申込手数料320円(税込)を含めた金額です。近年の物価高の影響もあり、受験料が定期的に更新されるため、最新の金額を公式サイトで確認しましょう。
建設業経理士2級の試験日・試験スケジュール【2025・2026】
建設業経理士2級の試験は、年2回(上期・下期)実施されるのが原則です。
ここでは、2025年(令和7年)の確定情報と、2026年の予測スケジュールを整理します。試験日だけでなく、申込期間・合格発表日・試験時間もあらかじめ把握しておくことで、無理のない学習計画を立てやすくなります。
建設業経理士2級 試験日(2025年・令和7年)
2025年(令和7年)は、上期・下期ともに試験日が確定しています。建設業振興基金の公式発表によると、2級は以下の日程で実施されます。
上期(第37回)
- 申込期間:令和7年5月13日(火)~6月12日(木)
- 試験日:令和7年9月7日(日)
- 合格発表日:令和7年11月14日(金)
下期(第38回)
- 申込期間:令和7年11月11日(火)~12月11日(木)
- 試験日:令和8年3月8日(日)
- 合格発表日:令和8年5月8日(金)
出典:建設業振興基金「令和7年度 建設業経理検定試験のご案内」
なお、2級の試験時間は回によって異なり、上期は12:00〜14:00、下期は14:40〜16:40となっています。時間割の違いは見落としやすいため注意が必要です。
建設業経理士2級 試験日(2026年・令和8年)
2026年の正式日程は、現時点では公表されていません。ただし、過去数年の実施傾向から、2026年も年2回(9月・3月)に実施される可能性が高いと考えられます。
以下に予測スケジュールをまとめました。
- 上期:2026年9月上旬の日曜日
- 下期:2027年3月上旬の日曜日
- 申込期間:試験日の約3〜4か月前
- 合格発表:試験日から約2か月後
正式な日程は、必ず建設業振興基金の公式サイトで確認してください。受験料や時間割が改定される可能性もあります。
建設業経理士2級の試験内容と出題範囲
建設業経理士2級は、建設業における実務処理ができるかどうかを問う試験です。
単に暗記をするだけではなく、仕訳から精算表作成まで一連の流れを理解しているかが評価されます。ここでは、試験形式・合格基準とあわせて、各問題の出題内容と配点の考え方を紹介します。
試験形式・合格基準・制限時間
建設業経理士2級は、「90分・100点満点」の筆記試験を実施しており、記述・計算問題が中心となります。
また、合格基準は公開されていませんが、70%以上の正答で合格になると言われています。
電卓の使用は可能ですが、処理手順を理解していないと時間切れになりやすい点が特徴です。特に後半の問題ほど配点が高いため、時間配分が合否に直結します。
各問題の出題内容と配点
建設業経理士2級は「後半問題ほど重要度が高い試験」です。以下に、構成されている5問を整理しました。
| 問題 | 主な内容 | 配点目安 |
| 第1問 | 仕訳問題(建設業特有の勘定科目) | 約10点 |
| 第2問 | 文章題・計算問題 | 約15点 |
| 第3問 | 完成工事原価報告書の作成 | 約15点 |
| 第4問 | 工事間接費の配賦計算 | 約15点 |
| 第5問 | 精算表の作成 | 約30点 |
特に第5問の精算表は配点が高く、ここで得点できるかどうかが合否を左右します。逆に、精算表を重点的に対策すれば、安定して70点ラインに到達しやすくなります。
建設業経理士2級についてよくある質問(FAQ)
建設経理士2級は難しいですか?
適切に対策すれば十分合格可能な難易度です。合格率は平均30〜40%であり、決して簡単ではありませんが、出題範囲は比較的安定しています。特に精算表を重点的に対策し、過去問を繰り返せば、実務未経験者でも合格を目指せます。
建設業経理士2級の給料はいくらですか?
求人情報サイト等を参考にすると、建設業経理士2級の保有者は年収400万〜600万円前後になると言われています。資格単体で給料が大きく上がるわけではありませんが、資格手当(月5,000〜10,000円)や昇進・転職時の評価につながるケースが多く、長期的な収入の向上につながるかもしれません。
簿記2級とどちらを先に取るべきですか?
建設業で継続的に働く予定なら、建設業経理士2級を先に取るのがおすすめです。建設業特有の原価管理や工事会計を直接学べるため、実務との親和性が高まります。一方で、将来的に業界を問わず活躍したい場合は、簿記2級から始める選択も有効です。
まとめ
建設業経理士2級は、建設業特有の会計・原価管理を実務レベルで身につけられる資格です。合格率は30〜40%台と適度な難易度で、特に点数配分の高い「精算表」を中心に対策すれば十分合格を狙えます。
また、経営事項審査(経審)の加点対象となる点も大きな魅力で、会社の評価や受注、キャリアアップに直結します。建設業で経理・事務に関わる方は、2026年開催の次回試験日を目標に、学習をスタートしてみてはいかがでしょうか。