新宿再開発はいつまで?|新ビルやゼネコン情報まとめ

トレンドワード:新宿の再開発

「新宿の再開発」についてピックアップします。新宿エリアでは現在、多数の大型再開発プロジェクトが同時進行しており、街の景観や利便性が大きく変わろうとしています。

西口・西南口エリアを中心に、オフィス、商業、駅機能を統合した複合ビルの建設が進み、各プロジェクトはゼネコンや大手デベロッパーが参画する都心屈指の計画として注目されています。本記事では新宿エリアの再開発について時系列で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

2026|西新宿一丁目地区プロジェクト

ここでは、2026年竣工予定の「西新宿一丁目地区プロジェクト」について解説します。具体的には1961年竣工の明治安田生命新宿ビル建て替え計画で、「新たな新宿西口駅前の顔づくり」が予定されています。

計画概要

出典:新宿区,新宿区景観まちづくり審議会,https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000272667.pdf,参照日2025.12.12

「西新宿一丁目地区プロジェクト」の計画概要は、下記の通りです。

  • 所在地:東京都新宿区西新宿一丁目9番
  • 敷地面積:6,294.72㎡(約1,900坪)
  • 延床面積:96,901.94㎡(約29,300坪)
  • 用途:事務所(4階~22階約15,500坪1フロア専有面積800坪超)、
  • 店舗(地下1階~1階約850坪)、ホール(2階約100坪)、その他(子育て支援施設、駐車場等)
  • 構造:鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造)
  • 階数および高さ:地上23階・地下4階、高さ約126m

竣工

「西新宿一丁目地区プロジェクト」の竣工予定は、下記の通りです。

  • 着工:2021年8月1日
  • 竣工:2026年8月

当初の竣工予定は2025年11月でしたが、2026年8月に延期となっています。

事業主体|明治安田生命保険・森ビル

出典:新宿区,新宿区景観まちづくり審議会,https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000272667.pdf,参照日2025.12.12

「西新宿一丁目地区プロジェクト」の事業主体は、下記の通りです。

  • 建築主:明治安田生命保険相互会社
  • 設計監理:株式会社日建設計

2020年8月に閉鎖した「明治安田生命新宿ビル」および周辺建物を建て替える計画で、事務所、店舗、ホール等からなる複合施設となります。世界有数の利用者数を誇る新宿駅と直結しており、新宿西口駅前広場に面する好立地ということもあり、賑わいのある街並み形成への貢献が期待されています。

森ビルは開発段階からプロジェクトマネジメントに参画するほか、竣工・開業後のプロパティマネジメント業務を受託し、事務所および店舗のテナントリーシング、ビルの管理・運営業務を支援する予定です。

ゼネコン|大成建設竹中工務店

「西新宿一丁目地区プロジェクト」のゼネコンは、「大成・竹中建設共同企業体」です。建物には自然換気口・太陽光発電等の自然エネルギー活用、地域冷暖房やエネルギーロスを抑制する高効率設備の採用が予定されており、サステイナブルな社会づくりへの貢献が期待されています。

またグリーン電力のテナント供給、電気自動車の充電設備設置や屋上庭園(約260坪)を含む敷地内の積極的な緑化等を検討し、環境保全・気候変動に対応しているのも特長です。

2029|新宿駅西口地区開発計画

出典:東急不動産,新宿駅西口地区開発計画,https://www.tokyu-land.co.jp/mxd/shinjukunishiguchi/,参照日2025.12.12

ここでは、2029年竣工予定の「新宿駅西口地区開発計画」について解説します。

計画概要

出典:東急不動産,新宿駅西口地区開発計画,https://www.tokyu-land.co.jp/mxd/shinjukunishiguchi/,参照日2025.12.12

「新宿駅西口地区開発計画」の計画概要は、下記の通りです。

  • 計画地:東京都新宿区新宿三丁目および西新宿一丁目各地内
  • 敷地面積:約15,720㎡
  • 延床面積:約279,000㎡
  • 主要用途:商業、業務、駅施設等
  • 階数:地上48階地下5階
  • 最高高さ:約260m

竣工

「新宿駅西口地区開発計画」の竣工予定は、下記の通りです。

  • 着工:解体着工 2022年10月
  • 新築着工:2024年3月
  • 竣工:2029年度(予定)

事業主体|小田急電鉄・東京メトロ・東急不動産

出典:小田急電鉄,新宿駅西口地区開発プロジェクト,https://www.odakyu.jp/recruit/shinsotsu/works/project/g-shinjuku.html,参照日2025.12.12

「新宿駅西口地区開発計画」の事業主体は、小田急電鉄・東京メトロ・東急不動産となっています。

小田急電鉄は1960年代に小田急百貨店、西口広場を中心に新宿西口を開発し、新宿西口の街づくりに携わってきました。その小田急百貨店も開業から約60年が経過し老朽化が進行してきたため、新宿西口の開発プロジェクトが進められています。

都市計画の基本方針は、「新宿グランドターミナルの実現に向けた基盤整備」、「国際競争力強化に資する都市機能の導入」、「防災機能の強化と環境負荷低減」の3つです。駅とまちの連携を強化する重層的な歩行者ネットワークやにぎわいと交流を生み出す滞留空間を整備するとともに、災害時の帰宅困難者支援などによる防災機能の強化、最新技術の導入による環境負荷の低減も実現していきます。

ゼネコン|大成建設

出典:小田急電鉄,「新宿駅西口地区開発計画」新築着工,https://www.odakyu.jp/news/b4fuqs0000000tzh-att/b4fuqs0000000tzo.pdf,参照日2025.12.12

「新宿駅西口地区開発計画」のゼネコン等は、下記の通りです。

  • 新築設計:日本設計・大成建設設計共同体
  • 新築施工:大成建設

プロジェクトの「A区」の一部では建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)評価が取得され、「ZEBReady」を達成しています。これにより、ワークプレイスとしての機能性と環境配慮を両立させた高機能なオフィス空間が実現する予定です。

2033|西新宿三丁目西地区市街地再開発

出典:東京都,西新宿三丁目西地区第一種市街地再開発事業,https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/machizukuri/shigaichi_seibi/sai-kai/saikaihatsu/nisisinjuk_4_20,参照日2025.12.12

ここでは、2033年竣工予定の「西新宿三丁目西地区市街地再開発」について解説します。

計画概要

出典:野村不動産,西新宿三丁目西地区第一種市街地再開発事業,https://www.nomura-re.co.jp/cfiles/news/n2023020202164.pdf,参照日2025.12.12

「西新宿三丁目西地区市街地再開発」の計画概要は、下記の通りです。

  • 事業名:西新宿三丁目西地区第一種市街地再開発事業
  • 所在地:東京都新宿区西新宿三丁目8~19番(住居表示)
  • 施行者の名称:西新宿三丁目西地区市街地再開発組合(予定)
  • 施行区域面積:約4.6ha
  • 建築面積:【A-1街区】北棟約9,150㎡・南棟約10,600㎡、【A-2街区】約340㎡、【A-3街区】約200㎡
  • 延べ面積:【A-1~3街区】約383,600㎡
  • 建築物の高さ:【A-1街区】北棟約229m・南棟約228m、【A-2街区】約35m、【A-3街区】約35m
  • 主要用途:【A-1街区】住宅、店舗、事務所、生活支援施設、駐車場、保育所など、【A-2・3街区】住宅、店舗、生活支援施設、駐車場など
  • 住宅戸数:約3,200戸(予定)

竣工

「西新宿三丁目西地区市街地再開発」の竣工予定は、下記の通りです。

  • 建築工事着工(解体含む):2026年(予定)
  • 建築工事完了:2033年(予定)

【参考】東京都|西新宿三丁目西地区第一種市街地再開発事業

事業主体|野村不動産・住友商事・東京建物・首都圏不燃建築公社

「西新宿三丁目西地区市街地再開発」の事業主体は、野村不動産・住友商事・東京建物・首都圏不燃建築公社です。

本プロジェクトはJR「新宿」駅と京王新線「初台」駅の間に位置し、緑豊かな「新宿中央公園」、高層ビルが建ち並ぶ「新宿西口エリア」、「新国立劇場」などの文化施設、住居系の市街地が広がる区域を対象とする再開発事業です。

再開発によって、総戸数約3,200戸の大規模共同住宅、商業施設、子育て施設、初台駅~新宿駅方面(十二社通りまで)の歩行者デッキの整備が実現する予定です。

ゼネコン|前田建設

「西新宿三丁目西地区市街地再開発」のゼネコンは、前田建設です。分譲マンションの建設だけでなく、商業系施設、業務系施設、生活支援施設のほか、周辺道路の拡幅といった整備計画も予定されています。

  • 地域の交通環境の向上・改善や、地区の高度利用を支える都市基盤の整備

・計画地の北側に位置する都市計画道路(水道道路)の拡幅整備

・A-1街区両側の区画道路※の新設整備及び拡幅整備

  • 地域の一時的な避難集合場所や、防災性の向上に寄与する施設の整備

・広場の整備:約4,500㎡(地上レベル、マンホールトイレを設置)、約1,100㎡(デッキレベル)

・防災備蓄倉庫の整備:約100㎡

・災害時帰宅困難者対策として飲食店共用部の一部と大屋根下の広場を開放:約470㎡

  • 地域の利便性、回遊性の向上を図る歩行者空間・歩行者ネットワークの整備

・初台駅~新宿駅方面への歩行者デッキを整備(初台駅~十二社通りまでを整備)

・地区外周部に歩道状空地を整備

  • 地域コミュニティ・にぎわい・利便性の向上を図る施設の整備

・子育て支援施設の整備:約700㎡(認可保育園)

・地域の利便性の向上を図る商業施設の整備:約24,000㎡

・地域コミュニティ・にぎわいの形成を図る施設の整備(上記記載の広場、商業施設等)

2040~|新宿駅西南口地区開発計画

ここでは、2040年代竣工予定の「新宿駅西南口地区開発計画」について解説します。

計画概要

出典:京王電鉄・東日本旅客鉄道,(仮称)新宿駅西南口地区開発事業,https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000345695.pdf,参照日2025.12.12

「新宿駅西南口地区開発計画」の概要は、下記の通りです。

  • 所在地:東京都新宿区西新宿一丁目及び渋谷区代々木二丁目各地内
  • 計画容積率:北街区約1,250%、南街区約2,000%
  • 延べ面積:約291,500㎡(北街区約141,500㎡、南街区約150,000㎡)
  • 主要用途:【北街区】店舗、宿泊施設、駐車場等【南街区】店舗、事務所、宿泊施設、駐車場等
  • 階数/最高高さ:【北街区】地上19階、地下3階/GL+110m(GL=T.P.+41.0m)【南街区】地上37階、地下6階/GL+225m(GL=T.P.+41.0m)

事業主体|京王電鉄・JR東日本

「新宿駅西南口地区開発計画」の事業主体は、京王電鉄とJR東日本です。本計画は「新宿グランドターミナル」構想の一部であり、駅・駅前広場・駅ビルを一体的に再編して歩行者ネットワークを強化する狙いがあります。

地下・地上・デッキ階をつなぐ分かりやすい動線や、観光情報発信・体験施設、宿泊機能などを整備して新宿の活性化を図るほか、防災力向上や省エネ技術の導入にも取り組む予定です。今後は東京都や新宿区・渋谷区の審議を経て、内閣総理大臣による区域計画認定を目指します。

竣工|延期・中止の可能性も

当初、「新宿駅西南口地区開発計画」の竣工予定は下記のようになっていました。

  • 北街区:~2040年代
  • 南街区:2023年度~2028年度

しかし2025年3月に、京王電鉄は南街区の工期完了時期を「未定」に変更し延期となっています。「北街区も中止や頓挫するのでは?」といった声も聞かれますが、北街区の工期は従来の予定通りとなっています(2025年12月時点)。

工事延期の理由としては、昨今の物価高騰や人手不足が挙げられます。類似のケースとしては「中野サンプラザ」の計画白紙事例があり、建設業を取り巻く環境の変化が伺えます。

ゼネコン|未定

「新宿駅西南口地区開発計画」の解体工事のゼネコンは、大成建設です。しかし新築施工するゼネコンは、未定となっています(2025年12月時点)。

まとめ

新宿の再開発は、2026年竣工の西新宿一丁目地区から始まり、2029年の西口地区、2033年の西新宿三丁目西地区、さらに2040年代の西南口計画まで、約20年以上にわたる長期プロジェクトです。

駅機能の強化、環境配慮、災害対策、歩行者ネットワークなど多面的な都市再編が進む予定となっています。しかし一方で、物価高騰や人手不足による延期・見直しも課題となっており、今後の対応に注目が集まっています。