大成建設のプラウド参宮橋がウッドデザイン賞受賞、都心で木の温もり感じる住まいを実現

大成建設株式会社(社長:相川善郎)が設計と施工を手がけた分譲マンション「プラウド参宮橋」が、一般社団法人日本ウッドデザイン協会が主催する「ウッドデザイン賞2025」において、集合住宅/ライフスタイルデザイン部門で受賞したことが2025年11月20日、発表されました。この受賞は、発注者である野村不動産株式会社との共同によるものです。
ウッドデザイン賞とは
ウッドデザイン賞は、木材が持つ魅力や価値をデザインの力で引き出し、私たちの暮らしや社会全体を豊かにすることを目指した表彰制度です。建築や空間設計、製品開発、活動や仕組みづくり、研究といった幅広い分野から、木材を効果的に活用した優れた事例を募り、評価しています。
この賞は以下の3つの部門で構成されています。
・ライフスタイルデザイン部門
・ハートフルデザイン部門
・ソーシャルデザイン部門
2025年度は、全体で206点が選出されました。
プラウド参宮橋の特徴
受賞したプラウド参宮橋は、東京都渋谷区代々木4丁目に位置し、2024年に完成した全19戸の分譲集合住宅です。明治神宮の杜を望む参宮橋の高台という恵まれた立地に建てられています。
独自の構造技術を採用
この建物の最大の特徴は、木質構造による都心型分譲集合住宅である点です。住戸部分の最上階となる4階の床までは鉄筋コンクリート造(RC造)で建てられていますが、4階の屋根と壁の主要構造部分には、大成建設が独自に開発した「CLT・鉄骨ハイブリッド構造」が使われています。コア部分を除き、本格的に木材を構造材として取り入れた設計となっています。
耐火性能と木の魅力を両立
CLT(直交集成板)で耐火材と鉄骨を挟み込むという独自の構造技術により、1時間耐火の大臣認定を取得しています。この技術により、耐火建築物としての安全性を確保しながら、住戸内部にCLTの構造材を「現し」として仕上げることが可能になりました。都市部でありながら、住まいの中で木の温もりを直接感じられる空間を実現しています。
環境への配慮
プラウド参宮橋では、主要構造部だけでなく、内装や外装の仕上げにも国産木材を積極的に使用しています。その使用量は約120立方メートルにも及びます。
これだけ多くの木材を使用することで、以下のような環境面でのメリットが得られています。
・CO2の固定化
・環境負荷の低減
・快適な住空間の提供
つまり、居住者にとって心地よい住環境を作り出すと同時に、環境保全にも貢献するという、両方の目標を達成しているのです。
今後の展開
大成建設は今回の受賞を受け、今後も環境に配慮した持続可能な社会の実現を目指していくとしています。国産木材をより魅力的に、そして効果的に活用した建築物の提案を続けていく方針です。
木造建築というと、従来は低層の建物が中心でしたが、このような技術革新により、都市部の集合住宅でも木材を本格的に活用できるようになってきました。環境問題への関心が高まる中、こうした取り組みは今後ますます注目を集めていくでしょう。
出典情報
大成建設株式会社リリース,「プラウド参宮橋」がウッドデザイン賞2025を受賞,https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2025/251120_10771.html