大和ハウス工業とAirbnbが包括連携、次世代アパートメントホテルで滞在需要に応える

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大和ハウス工業株式会社(大阪市北区、大友浩嗣社長)は、2025年1月6日にAirbnb Japan株式会社と包括連携協定を締結したと発表しました(発表日は2025年4月22日)。

この協定は、変化するライフスタイルや多様な滞在ニーズに応えながら、地域社会との持続可能な価値創造を図ることを狙いとしています。

協定期間は2025年1月6日から2027年1月5日までの2年間で、両社は多様な暮らしと旅を支える社会インフラの共創を目指します。

初の共同プロジェクト、東京・台東区で着工決定

両社の最初の共同事業として、「(仮称)台東区寿三丁目計画」が2025年5月15日に着工予定です。東京都台東区に建設されるこの施設は、地上10階建て、17室の規模で展開されます。都営大江戸線「蔵前駅」から徒歩3分、都営浅草線「浅草駅」から徒歩5分の好立地に位置し、2026年秋の開業を予定しています。

この施設は「Sumu powered by Airbnb Partners」というブランド名で展開される初の物件となります。長期滞在を希望するゲストに向けた次世代型アパートメントホテルとして、新しい滞在スタイルを提案していく予定です。

両社の事業背景と取り組み

大和ハウスグループは「第7次中期経営計画」において「人・街・暮らしの価値共創グループ」として循環型バリューチェーンモデルを構築し、インバウンド需要を捉えたホテル開発やマネジメントコンストラクト方式での運営を展開してきました。

一方、Airbnbは2007年の誕生以来、500万人を超えるホストと20億回以上のゲスト受け入れ実績を有し、日本では「暮らすように旅する」コンセプトのもと、地域資源を活用した持続可能なコミュニティづくりに取り組んでいます。

協定の主要な取り組み内容

本協定では、インバウンド需要の本格回復を見据えた3つの主要な取り組みを展開します。

まず、新しい滞在体験への対応として、長期滞在やグループ利用、地域ならではの体験を求める旅行者のニーズに応えていきます。地域社会との共生を重視しながら、付加価値の高い滞在体験を提供します。

次に、多様なライフスタイルに向けたインフラ整備では、多拠点生活や一時利用、ワーケーションといった新しい住空間やサービスの創出を検討します。自治体や地域企業との連携により、制度面での環境整備も進めていきます。

最後に、地域資源の活用と活性化では、遊休不動産や文化的資源の新たな活用方法を共同で検討し、交流人口の増加や地域の魅力発信につなげます。

「Sumu」ブランドと今後の展開

今回のプロジェクトで初めて導入される「Sumu powered by Airbnb Partners」は、Airbnb Japanのビジネスコミュニティから生まれた新しいブランドです。旅行と日常生活を融合させた滞在スタイルの提案を目的とし、宿泊者が自分の家に「住む」ように滞在できる場所を作りたいという想いから「Sumu」と命名されました。

大和ハウス工業は、台東区での事業に続いて、東京都心部を中心に同ブランドのアパートメントホテルを東京都心を中心に2棟開発を予定しています。両社は今後も、地域社会との共生や多様化するライフスタイルへの対応といった社会的課題に向き合いながら、価値創造を継続していく方針です。

*注記: マネジメントコンストラクト方式とは、ホテルの「所有」「経営」を担う会社が、「運営」部分のみを別の会社に委託する運営形態を指します。

出典情報

大和ハウス工業株式会社リリース,―初の共同プロジェクトスタート― 多様な暮らしと旅を実現するための新たな事業創出に向け Airbnb Japanと包括連携協定を締結 ,https://www.daiwahouse.co.jp/about/release/house/20250422085609.html