大和ハウス工業、国際環境プログラム2つに参画、2055年環境負荷ゼロ目指し本格始動

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2025年4月30日、大和ハウス工業株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:大友浩嗣)は、地球環境の課題解決に向けた取り組みを強化するため、国連グローバル・コンパクト(UNGC)が主導する二つの国際的なイニシアチブに参加することを発表しました。

同社は4月22日付けで、持続可能な開発目標の実現を目指す「Forward Faster」と、企業による水資源保護活動を支援する「The CEO Water Mandate」の両イニシアチブに同時に参画しました。

世界規模で広がる企業連携の動き

「Forward Faster」は2023年9月の設立からわずか1年半で、世界各国の約2,000社が参画する大規模なプログラムとなっています。科学的根拠に基づく目標設定を推進するSBTや国際労働機関(ILO)など、20を超える国際機関が支持を表明しています。

このプログラムでは、持続可能な開発目標の達成に向けて5つの重要な分野で合計9つの具体的な目標が定められています。大和ハウス工業は、「気候変動への対応」と「水資源の持続可能な管理」の二つの分野における目標達成を約束しました。

2055年に向けた環境負荷削減計画

大和ハウス工業は、創業100周年を迎える2055年までに環境負荷をゼロにするという目標を掲げています。この長期ビジョンの実現に向けて、気候変動対策と水環境の保全を重点課題として位置づけています。

温室効果ガス削減への取り組み

同社グループは、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの達成を目標としています。2030年までにバリューチェーン全体での排出量を40%削減(2015年度基準)することを中間目標として設定しています。

目標達成に向けて、以下の3つの段階で取り組みを展開しています:

事業活動における削減

自社で発電する再生可能エネルギーの活用により、RE100の早期達成などを通じて、2030年までに70%削減(2015年度比)を目指しています。

まちづくりでの貢献

販売する建物について、原則としてすべてをZEH・ZEB仕様とし、太陽光発電設備を全棟に搭載します。これにより使用段階での排出量を63%削減することを目標としています。

サプライチェーンでの協働

2025年までに主要なサプライヤーの90%とパリ協定に沿った削減目標を共有し、省エネルギーや再生可能エネルギー利用の推進で協力します。

これらの削減目標は、国際イニシアチブ「SBTi(Science Based Targets initiative)」による認定を取得しており、科学的根拠に基づいた目標設定であることが国際的に認められています。

水リスク管理の強化

水環境保全については、2055年までに水リスクをゼロにするという目標を掲げ、サプライチェーンと自社グループの両方で水リスクの評価と対策を実施しています。

気候変動の影響により、豪雨や洪水、干ばつなどの水に関するリスクが増大している現状を受けて、積極的な対策を講じています。

サプライチェーンでの取り組み

主要サプライヤーの生産施設において、水リスクに関する詳細な調査を実施しています。大和ハウス工業、大和リース、フジタの3社の主要サプライヤー213社を対象として、取水量と排水量の実態、洪水による事業への影響度、浸水対策の実施状況について調査を行っています。

自社施設での評価と対策

自社施設が立地する地域について、水不足の危険度を示す「水ストレスレベル」の評価を実施しています。2024年度には、世界資源研究所(WRI)が提供する水リスク分析ツール「WRI Aqueduct」を活用して、特に水不足が顕著で、脆弱かつ優先すべき地域に該当し、水の使用量が1万立方メートルを超える事業施設を特定しました。

2025年度には、水リスク軽減効果が特に期待できるタイの生産工場とメキシコのホテル施設において、水使用量削減に向けた具体的な目標と実施計画を策定する予定です。

「The CEO Water Mandate」への参画

「The CEO Water Mandate」は、企業による水資源保護の取り組みと透明性のある情報公開を促進するプログラムです。2007年の設立以来、200社を超える企業が参加しており、日本企業では5社が参加しています。

参加企業は、水資源に関する6つの重要な分野について、年次報告を通じて進捗状況を公開することが求められています。

国際的な企業連携への参画意義

今回の両プログラムへの参画により、大和ハウス工業は国際的な企業ネットワークの一員として、より効果的な環境保護活動を展開していくことになります。他の参加企業や専門機関との情報共有や協力により、取り組みの質と効果の向上が期待されます。

両プログラムでは、参加企業が年次報告を通じて目標達成の進捗を公開することが義務づけられており、透明性のある取り組みが求められています。

出典情報

大和ハウス工業株式会社リリース,●気候変動や水環境保全の取り組みを加速するために国際的なイニシアチブに参画 「Forward Faster」と「The CEO Water Mandate」に参画しました,https://www.daiwahouse.co.jp/about/release/house/20250430104601.html