大成建設の技術力が評価、祇園の歴史建築と大学施設が第34回BELCA賞を獲得

大成建設株式会社が関わった「祇園甲部歌舞練場」と「九州工業大学 鳳龍会館」の2施設が、第34回BELCA賞において、『祇園甲部歌舞練場』がベストリフォーム部門を、『九州工業大学 鳳龍会館』がロングライフ部門を受賞しました。
この受賞は、建築物の長寿命化と優れた改修技術が評価されたものです。
伝統と革新が調和した「祇園甲部歌舞練場」
相川善郎社長率いる大成建設株式会社が設計施工を担当した「祇園甲部歌舞練場」(所有者:八坂女紅場学園)がベストリフォーム部門で表彰されました。この建物は1913年に建設され、2022年に改修工事が完了しています。
祇園甲部歌舞練場は、150年の歴史をもつ舞踏公演『都をどり』の劇場であり、芸子や舞妓の稽古場としても使用されてきた大規模な木造建築です。今回の改修では、主に耐震性能を大幅に向上させるとともに、設備の更新が行われました。
特筆すべきは、内装工事における取り組みです。既存の内装部材を「活かし取り・再利用」することを基本方針とし、いったん解体した後、耐震補強工事を実施し、その後元の位置に部材を再取り付けることで、空間を復元しました。
名建築の価値を未来へつなぐ「九州工業大学 鳳龍会館」
一方、大成建設が元施工を担当した『九州工業大学 鳳龍会館』(所有者:国立大学法人九州工業大学)は、ロングライフ部門で受賞しました。この建物は1960年の竣工後、2008年に大規模な改修が行われています。
鳳龍会館は、著名な建築家である清家清氏の設計による名建築として広く知られています。2008年の改修では、内装・外装を含め、細部のディテールに至るまで原設計の意図を忠実に再現することにこだわりました。
この改修では、対角線上に配置された梁で構成された正方形ユニットという既存躯体の特徴を最大限に活かし、より透明感のある開放的な空間が実現されています。
BELCA賞とは
BELCA賞は、1991年に既存建築物の長寿命化(ロングライフ化)に貢献することを目的として創設された表彰制度です。この賞は、優れた改修が実施された建築物、あるいは長期間にわたって適切な維持保全がなされた既存建築物に贈られます。
表彰部門は「ベストリフォーム部門」と「ロングライフ部門」の2つに分かれています。
大成建設の今後の取り組み
大成建設株式会社は、今後も未来を見据えた事業展開を進めていきます。特に脱炭素社会の実現、資源の循環利用の促進、自然との共生といった環境課題に取り組むとともに、地域の活性化や少子高齢化といった社会問題の解決にも力を注いでいくとしています。
これらの取り組みを通じて、予測不能な出来事にも柔軟に対応できる強靭な社会(レジリエントな社会)の構築に貢献していくことを目指しています。
出典情報
大成建設株式会社リリース,「祇園甲部歌舞練場」「九州工業大学 鳳龍会館」が第34回BELCA賞を受賞,https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2025/250515_10422.html