コンクリートに貼れるテープの選び方とは。湿っていてもOK!種類からおすすめ商品3選まで解説

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Category:コラム

建設業では、コンクリートを扱う業種が多く、中でもコンクリートに貼れるテープは、建設現場やDIYなどさまざまな場面で活用されています。

しかし、コンクリートの表面は粗く、水分や粉塵の影響を受けやすい特性から、テープが剥がれやすいという課題もあります。そのため、適切なコンクリートに貼れるテープの種類が把握しきれてないというケースもあるのではないでしょうか。


本記事では、コンクリートに貼るのに適したテープの種類や特徴、3つの製品などについてみていきましょう。

コンクリートに貼れるテープの種類と特徴

コンクリートの面は滑らかではなく、湿気や粉じんを含みやすいため、一般的なテープでは剥がれやすいといえます。そのため、表面の状態や使用目的に応じて、最適なコンクリートに貼れるテープを選定することが重要です。

養生テープ系

建設現場や内装工事では、養生テープが一般的に使用されています。とくに塗装や床仕上げ作業の際には、汚れや傷を防止するための養生が不可欠です。

養生テープは粘着力が控えめで剥がしやすく、施工後に糊残りしにくい点が特徴です。また、以下のようにクロスタイプとフィルムタイプに分かれるため、使用方法を把握しておきましょう。

種類特徴使用事例
クロスタイプ高い引張強度があり、粗面にも比較的しっかり貼れる仮囲いや足場への注意喚起表示、外部開口部の仮止めなど
フィルムタイプ軽く柔らかいため繊細な箇所にも使いやすいが、粘着はやや弱い室内フローリングやサッシ周りの養生、塗装作業時のマスキングなど

両面テープ系

仮設サインの固定やパネルの取り付け、軽量部材の仮設設置には、両面テープが活躍します。粗面用に開発されたタイプであれば、コンクリートのような凹凸面にも接着可能です。

選定時は、貼り付け面が平滑か粗面かをよく確認する必要があります。粗面にはフォームタイプが有効で、作業後に跡を残さないことも評価される点です。

種類特徴使用事例
フォームタイプ厚みがあり凹凸面への追従性が高く、屋外でも粘着力を保つコンクリート壁に案内板や仮設サインを一時的に貼り付ける場合など
不織布/フィルム型薄くて仕上がりが目立たず、平滑な面に強力に接着できるタイルや軽量ボードの仮固定、屋内掲示物や配線ガイドの仮設支持など


特殊用途テープ系

過酷な環境下や特殊な条件下でも機能するテープが特殊用途テープです。高温や低温、湿潤環境、紫外線下などでも安定した粘着力を保つため、汎用性も高いといえます。

特殊テープは高価格帯になる傾向があるものの、従来では困難だった環境下での活用が可能な点が特徴です。

特性特徴使用事例
耐熱・耐候タイプ高温環境でも粘着力を維持。長時間の屋外使用にも耐えるアスファルト舗装前のライン仮設、夏場の屋外マーキング作業など
湿潤面対応タイプ濡れた面や乾ききっていないコンクリートにも貼り付け可能雨天後の作業での仮設注意喚起テープ、湿潤下での仮止め用途
再剥離タイプ強粘着ながらも糊残りせずにきれいに剥がせる室内展示やリニューアル工事での仮装飾設置、一時的な注意喚起ラベル貼付など

コンクリートに貼れるテープ3選

建設現場では、仮固定や養生のために活用でき、なおかつ剥がしやすい専用のテープが必要となります。ここでは、そうしたニーズに応える「粘着力」「耐久性」「施工性」に優れたコンクリートに貼れるテープの中から、現場でも高評価を得ている3製品を厳選してみていきましょう。

せこたん™ 湿潤コンクリート用粘着テープ(ニチバン)

「せこたん™ 湿潤コンクリート用粘着テープ WCT」は、雨天後などで湿ったコンクリート面にも直接貼付が可能な特殊粘着剤を採用しています。従来は、湿潤面へのテープ貼付には乾燥やプライマー処理が必要でした。しかし、「せこたん™」では対処が不要となり、施工時間の短縮が期待できます。

また、ニチバン独自の技術によって、湿ったコンクリート面でも高い粘着力を発揮します。そのため、雨天翌日の施工や湿潤環境下での作業が可能となり、工期の短縮や作業効率の向上が期待できます。

また、基材にポリエチレンクロスを使用しており、手で簡単に切ることができるため、作業性にも優れている点はメリットといえるでしょう。

フィットライトテープ 強粘着No.736 マンゴー(積水化学工業)

「フィットライトテープ 強粘着No.736 マンゴー」は、コンクリートやアスファルトにも強く粘着するよう設計された高性能養生テープです。強力なアクリル系粘着剤と特殊クロス基材の組み合わせによって、強い粘着性を生み出しています。

さらに、耐熱性能にも優れており、アスファルト施工時に見られる高温環境やガスバーナー使用下でも縮みや変形が起こりにくい点も特徴です。舗装工事など高温作業を伴う現場でも使用できます。

また、基材にはポリエステルクロスを採用しており、強度と柔軟性のバランスに優れています。

ボンド 両面テープ 凹凸面用(コニシ)

「ボンド 両面テープ 凹凸面用」は、凹凸のあるコンクリート面にも対応可能な高性能両面テープで、コニシ株式会社によって開発されたコンクリートに貼れるテープです。

屋外での使用にも対応しており、耐熱・耐水性を備えているため、仮設看板や外壁資材の一時固定など、風雨や温度変化のある環境でも安心して使用できます。使用可能な温度範囲が広く、夏冬を問わず安定した性能を発揮できるのも大きな特長です。

また、柔軟性とクッション性を持つ発泡体構造は、振動の吸収にも効果があり、部材のズレや落下を防ぐことも可能です。建材の仮固定だけでなく、常設までの接着補助としても活用できます。

コンクリートに貼れるテープ選定のチェックポイント

コンクリートに貼れるテープテープは、貼り付ける環境や用途によって選ぶべき製品が大きく異なります。以下の表を参考に、選定時に確認すべき主な要素とそれぞれに適したテープの条件を把握しましょう。

チェックポイント内容の説明適したテープの特徴
使用場所屋内 or 屋外日射・雨風の影響があるか屋外なら「耐候性・耐水性」があるもの
表面の状態乾いている or 湿っている粉っぽい、ざらつきがある湿っているなら「湿潤対応」、凹凸には「粗面対応」
気温・温度条件夏場の高温、冬場の寒冷地など高温対応・低温対応の温度耐性テープ
使用期間数時間の短期か、数日〜週単位の長期か長期使用なら「耐久性・粘着力の安定性」が必要
剥がす予定があるか仮止めか恒久固定か仮止めなら「糊残りが少ない」「再剥離性が高い」タイプ
作業性・安全性手で切れるか、色は目立つか「手切れ性あり」「高視認性(橙・黄)」など

まとめ

コンクリートに貼れるテープは、使用環境や素材の状態に応じて適切に選ぶことが重要です。本記事では、養生・両面・特殊用途の各テープの特徴とおすすめ製品を紹介しました。用途ごとの特性を理解することで、施工ミスや手間を大幅に減らせます。選定の際は、粘着力だけでなく、耐候性や剥がしやすさにも注目しましょう。