【2025年】スタンプコンクリートとは?費用・デメリット・後悔しない施工法を徹底解説

おしゃれで高級感のある外構を手軽につくりだせる「スタンプコンクリート」は、建築分野でよく利用されているコンクリートに再現する技法です。では具体的に、どのようなメリット・デメリットをもつ施工方法なのでしょうか。
この記事では、スタンプコンクリートの特徴、施工方法、費用、メリット・デメリットについてわかりやすく解説します。施工に関する参考にしてみてください。
目次
スタンプコンクリートとは?初心者向けに解説
出典:一般社団法人日本スタンプコンクリート協会「スタンプコンクリート講義」
スタンプコンクリートは、コンクリートに専用の型で模様付けをすることで、おしゃれな外構をデザインできるコンクリートの施工方法のことです。
一般社団法人日本スタンプコンクリート協会が中心となって技術向上に取り組んでおり、コストパフォーマンスも優れているほか、防草対策として効果を発揮します。
たとえば駐車場、住宅の外構、景観地域の歩道舗装などに用いられることが多く、レンガなどをひとつずつ並べていく石張り施工と違い、広範囲を短期間で工事できるのが魅力です。
また簡易的に形成できるコンクリートのひとつに「インスタントコンクリート」というものがあります。詳しくは以下の記事をチェックしてみてください。
スタンプコンクリートのメリット・デメリット
スタンプコンクリートは、美しい見た目とコストパフォーマンスの高さで人気を集めていますが、一方で「後悔した」「思ったよりメンテナンスが大変だった」という声も見られます。
参考として以下より、スタンプコンクリートを導入するメリット・デメリットについてまとめました。
メリット|デザイン性・コスト・耐久性
スタンプコンクリートは、従来の舗装素材と比べて、機能性とコストのバランスが非常に優れています。
スタンプコンクリート | 天然石・タイル舗装 | インターロッキングブロック | |
デザイン性 | 高(模様・色自在) | 高(本物の質感) | 中(既製パターン) |
施工費用(㎡) | 約0.6万〜1.0万円 | 約1.2万~2.0万円 | 約0.7万〜1,2万円 |
耐久性 | 高(再塗装で維持) | 高 | 中(凹み・ズレやすい) |
防草効果 | 高(継ぎ目なし) | 中(目地から生える) | 低(ブロック間に隙間) |
「型押し」「着色」を組み合わせることで、耐久性のあるコンクリート外構を用意できます。また、継ぎ目がないため雑草が生えにくく、長期的なメンテナンス負担を軽減できるのがメリットです。
デメリット・後悔する理由|滑りやすさ・ひび割れ・施工ムラ
スタンプコンクリートは、適切な知識と品質の高い施工を実施しないと、次のようなリスクが生じます。
- 滑りやすい(特に雨の日や冬場)
- ひび割れやすい(コンクリートの特性上避けられないケースも)
- 施工ムラが起きる(型押しの品質と色ムラ)
なお上記のリスクは、すべり止めマットの併用や、伸縮継目の設置、専門業者に依頼するといった方法で回避できます。
スタンプコンクリートの製造メーカー(例:スタンプクリエイト、株式会社MAT)のカタログマニュアルや基準書などを参考にしつつ、適切な施工を実施することが大切です。
またコンクリートひび割れの原因について詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
スタンプコンクリートの施工方法
以下に、施工業者が実施する一般的な施工手順をまとめました。
工程 | 内容 |
STEP1 施工準備 | 掘削・下地整地・型枠設置 |
STEP2 コンクリート打設 | 生コンクリートの流し込み & 均し作業 |
STEP3 着色 | カラー硬化剤やリリースパウダーを散布 |
STEP4 型押し(スタンプ) | ゴムマットやスタンプ型で模様を転写 |
STEP5 乾燥・洗浄 | 固まった後、表面の色粉を洗い流す |
STEP6 シーラー塗布 | 表面に保護剤(シーラー)を塗布 |
なお、スタンプコンクリートの施工は固化するまでに実施しなければならないため「時間との勝負」になります。失敗のリスクを抑えるためにも、施工業者に依頼するのが良いでしょう。
スタンプコンクリートはDIYでできる?必要な道具と注意点
スタンプコンクリートはDIYで対応することも可能ですが、次のような道具を自費で準備しなければならない点に注意が必要です。
- 基本工具(コテ、均し棒、スコップ)
- 着色剤
- スタンプ型
- コンクリート
- 仕上げ剤
- その他の道具(バケツ、手袋、高圧洗浄機など)
またスタンプ用の型は一度しか使わないため、場所を取ってしまうことにも注意しなければなりませんし、施工に失敗するとやり直しがききません。費用や手間を考えるなら、なるべく専門業者に依頼するのがおすすめです。
またDIYに使える図面アプリに興味がある方は、以下の記事をチェックしてみてください。
スタンプコンクリートの費用相場【2025年版】
2025年時点におけるスタンプコンクリートの費用相場は、施工費込みで1㎡あたり約0.6万〜1.2万円です。(メーカー公式ページなどより平均した値)
参考として以下に、ある一定の規模感をベースとした合計費用の目安を整理しました。
用途・場所 | 面積目安 | 単価相場(㎡) | 合計費用目安(税別) |
駐車場(1台分) | 約15㎡ | 0.6万〜1.2万円 | 約9.0万〜15.0万円 |
アプローチ(玄関前) | 約5㎡ | 約3.0万〜6.0万円 | |
テラス・庭 | 約10㎡ | 約6.0万〜12.0万円 | |
小規模DIY(自宅一部) | 約5㎡ | 約3.0万〜6.0万円 (+工具費) |
上記の費用はあくまで目安です。詳しくは、スタンプコンクリートメーカーから見積もりを取ることをおすすめします。
スタンプコンクリートを長持ちさせるポイント
スタンプコンクリートは経年劣化や外部からの圧力・衝撃を受けて、ひび割れやかけといった損傷ができやすくなります。また雨風といった自然の影響を受けて色落ちといった問題が起きてしまいます。
そのようななかでスタンプコンクリートを長持ちさせたいなら、次の対策を講じるのがおすすめです。
- 高圧洗浄での表面清掃(泥・苔・油汚れなどを早期に除去する)
- シーラーの再塗装(ツヤ出し・防水・防滑効果を持続できる)
- 割れや欠けの点検・部分補修(小さなひびを早めに補修して劣化を防ぐ)
- 車の出入り時の重量管理(タイヤ跡や荷重集中による摩耗を避ける)
- 水たまり・凍結対策(凍結膨張によるひび割れリスクを低減する)
スタンプコンクリートを含む外構は「施工して終わり」ではなく「維持してこそ品質を維持し続けられる」のが特徴です。スタンプコンクリートの形状や品質を維持し続けるためにも、定期的なチェック(点検)と簡単な清掃を行うのが良いでしょう。
スタンプコンクリートの施工事例
スタンプコンクリートの施工事例として、一般企業が公開している施工事例情報を紹介します。
階段部のスタンプコンクリート施工|株式会社 関西真空
出典:株式会社 関西真空「スタンプコンクリート施工例」
スタンプコンクリートは、上画像のように均一に石材を並べたような模様を施工できます。自然石に見立てて表面に凹凸をつくり出せるほか、階段のように形状調整が必要な場所でも簡易的に型押し(スタンプ)できるのが魅力です。
ランバリット|有限会社 宮国工業
出典:有限会社 宮国工業「一般住宅事例 ランバリット施工例 SS-33」
乱形の石を貼り合わせたような模様を表現する「ランバリット」という仕上げがなされたスタンプコンクリートです。スタンプコンクリートでは、均一的な模様だけではなく、上記のように自然石を組み合わせたようなデザインを施工できます。
まとめ
スタンプコンクリートは、建築分野でよく活用されている外構工事の工法であり、短期間で広範囲におしゃれな舗装を設けられるのが魅力です。
また、土木分野でも景観地域の舗装に用いられるなど、使用範囲が広がっています。自然に見える近所の舗装にもスタンプコンクリートが使用されているかもしれないため、ぜひチェックしてみてください。