国土交通省調査、2月建設工事は前年比4.6%増で5兆円超え、民間・公共ともに増加傾向続く

国土交通省総合政策局建設経済統計調査室が2025年4月18日に発表した最新の建設総合統計によると、2025年2月における建設工事の出来高総計は5兆1,038億円となり、前年同月と比較して4.6%増加しました。

民間部門と公共部門の両方で着実な成長

この統計では、民間部門と公共部門の両方で成長が見られました。民間部門の出来高総計は2兆9,153億円で、前年同月比5.1%の増加となっています。一方、公共部門の出来高総計は2兆1,884億円で、前年同月比4.0%の増加を記録しました。

建設業界全体としては、堅調な伸びを維持していることがこの数字から読み取れます。

民間部門の詳細分析

民間部門の内訳を見ていくと、建築関連の出来高は2兆2,639億円で、前年同月比2.8%の増加となりました。この建築関連はさらに居住用と非居住用に分類されます。

居住用建築の出来高は1兆3,434億円で、前年同月比3.8%増加しています。これは住宅建設が堅調に推移していることを示しています。非居住用建築の出来高は9,204億円で、前年同月比1.4%の微増でした。

特に注目すべき点は、民間の土木工事です。土木関連の出来高は6,515億円で、前年同月比13.9%という大幅な増加を示しています。これは民間企業によるインフラ投資が活発化していることを表しています。

公共部門の動向

公共部門の出来高総計2兆1,884億円のうち、建築関連は4,830億円で、前年同月比4.5%の増加となりました。

公共部門の建築は、居住用と非居住用に分けられます。居住用建築の出来高は509億円で、前年同月比13.2%の大幅増加となりました。これは公営住宅などの建設が進んでいることを示しています。一方、非居住用建築の出来高は4,320億円で、前年同月比7.1%増加しました。

公共部門の土木工事は1兆7,055億円で、前年同月比3.8%の増加です。これは政府による公共インフラ整備が着実に進んでいることを表しています。

建設業界の注目トレンド

民間部門では土木工事が13.9%増と大きく伸長しており、企業の設備投資意欲が高まっていることを示唆しています。特に、再生可能エネルギー関連施設や物流施設の建設が活発化していると見られます。

また、公共部門では居住用建築が13.2%増と顕著な成長を見せており、これは政府の住宅政策が具体的な形となって表れています。非居住用建築も7.1%増と堅調で、公共施設の更新や防災関連施設の整備が進んでいることがうかがえます。

今後の見通しと課題

全体としての4.6%増という数字は、昨年からの継続的な成長トレンドを維持しており、建設業界の安定した需要を示しています。この傾向が続けば、年間を通じて60兆円を超える出来高も視野に入ってくるでしょう。

ただし、建設資材の価格高騰や人手不足といった課題も依然として存在しており、今後の動向には注意が必要です。

データの取り扱いに関する注意点

このデータは四捨五入により億円単位としているため、内訳の合計値と総計が必ずしも一致しない場合があります。また、国土交通省では毎年6月(4月分公表時)に、確定した建設投資額の実績値から算出される直近の補正率を用いて、過去3年分のデータを見直しています。

さらに、統計の算出に使用している基礎データの品質改善に対応して過去のデータが修正される場合もあるため、常に最新版の数値を参照することが推奨されています。

出典情報

国土交通省リリース,建設総合統計 【令和7年(2025年)2月分】,https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001884577.pdf