竹中工務店の技術研究所『調の森SHI-RA-BE』、国交省優良緑地制度で最高ランク獲得

株式会社竹中工務店(社長:佐々木正人)は2025年3月18日、千葉県印西市にある竹中技術研究所の「調の森SHI-RA-BE®」を含む緑地が、国土交通省の「優良緑地確保計画認定制度 TSUNAG」において最高評価となるトリプル・スター認定を取得したことを発表しました。この認定は制度創設後の初回認定によるものです。

「優良緑地確保計画認定制度 TSUNAG」とは

この制度は都市緑地法に基づいて設立され、民間事業者などによる良質な緑地確保の取り組みを国土交通大臣が評価・認定するものです。評価においては以下の観点が重視されます。

・気候変動対策

・生物多様性の確保

・Well-Beingの向上

これらの「質」的な側面と、緑地の「量」的な側面から総合的に評価が行われ、その結果に応じて3段階のランクが付与される仕組みとなっています。

高評価を受けた「調の森SHI-RA-BE®」の取り組み

竹中技術研究所が立地する千葉県北総地域の地形や自然環境を詳細に分析し、地域特有の景観要素である雑木林、草原、湖沼などの再生に取り組んでいる点が高く評価されました。また、生態系ネットワークの強化による生物多様性の確保に向けた継続的な取り組みも加点要素となりました。

「調の森SHI-RA-BE®」では、以下のような先進的な取り組みが実施されています。

・雨水貯留浸透技術「レインスケープ®」の活用

・鳥類の生息環境の創出

・エコトーン(生態系の移行帯)の再生

・在来草原の再生

・希少な水草の生息域外保全

・都市農業の推進

・都市養蜂の実践

これらの技術は、環境問題への対応だけでなく、多面的な環境価値の創造に貢献することが期待されています。

今後の展望

竹中工務店は、今回の認定取得を通じて得られた知見を活かし、ネイチャーポジティブ(自然にプラスの影響を与える)の実現に向けて、顧客企業の認証・認定取得を支援していく方針です。

「調の森 SHI-RA-BE®」の概要

「調の森 SHI-RA-BE®」は2019年10月に竹中技術研究所内に創設された研究開発フィールドです。地域や社会の課題を多目的に解決することを目指し、グリーンインフラや生物多様性保全の研究開発が行われています。

ここで実証・開発された技術は、地域の生態系と調和し、人と自然との共生を目指すさまざまな屋外空間に適用されています。これにより、自然共生社会の実現と持続可能なまちづくりという社会課題の解決に取り組んでいます。

このような民間企業による自主的な環境保全の取り組みが高く評価され、国の認定制度において最高評価を獲得したことは、今後の都市緑化推進における民間セクターの役割の重要性を示す好例となっています。竹中工務店の取り組みは、企業活動と環境保全を両立させる新たなモデルケースとして注目されるでしょう。

出典情報

株式会社竹中工務店リリース,竹中技術研究所「調の森 SHI-RA-BE®」 が国土交通省「優良緑地確保計画認定制度TSUNAG」のトリプル・スター認定を取得,https://www.takenaka.co.jp/news/2025/03/05/