国土交通省調査、令和7年1月の建設受注が大幅増加、10か月連続増加し市場拡大

国土交通省は2025年3月12日、令和7年1月の「建設工事受注動態統計調査」の結果を発表しました。調査によると、1月の建設工事受注高は 8兆1,614億円 に達し、前年同月比 26.1%増 という大幅な伸びを記録しました。これにより、10か月連続で受注高が増加しており、建設業界の堅調な成長が示されています。

元請受注高は 5兆1,051億円 で前年同月比 27.5%増、下請受注高も 3兆564億円 で 23.8%増 となりました。特に民間工事の受注が好調で、公共工事の増加とあわせて市場の拡大が続いています。

公共工事と民間工事の受注状況

公共機関からの受注は 1兆2,074億円 で前年同月比 15.4%増 となりました。そのうち国の機関が発注した工事は 4,965億円 で 29.6%増、地方自治体からの受注は 5,640億円 で 2.7%増 という結果でした。

一方、民間工事の受注高は 3兆8,976億円 に達し、前年同月比 31.7%増 という大きな伸びを示しました。特に製造業からの発注が 2,634億円(前年同月比 89.7%増)と急増し、不動産業からの発注も 4,120億円(前年同月比 23.8%増)と引き続き高い水準を維持しています。

工事の種類別受注動向

1月の元請受注工事の内訳は以下の通りです。

・土木工事:1兆1,587億円(前年同月比 20.3%増、7か月連続の増加)

・建築工事:3兆3,688億円(前年同月比 29.5%増、4か月連続の増加)

・機械装置等工事:5,775億円(前年同月比 30.9%増、4か月連続の増加)

これらのデータは、インフラ整備の進展や都市開発の拡大が影響していることを示唆しており、今後も建設業界全体の成長が続くことが期待されています。

地域別の受注状況

地域別に見ると、関東圏や近畿圏での受注増加が顕著でした。

・東京都の受注高:2兆9,849億円(前年同月比 24.9%増)

・大阪府の受注高:1兆969億円(前年同月比 56.3%増)

・愛知県の受注高:3,602億円(前年同月比 16.2%増)

一方で、東北や一部の地方圏では減少傾向が見られ、例えば宮城県の受注高は前年同月比 22.5%減 となりました。

今後の見通し

建設業界全体としては、引き続き堅調な受注状況が継続すると見込まれます。特に公共工事は、政府のインフラ整備計画の推進に伴い、安定的な需要が見込まれます。さらに、民間投資の回復により、オフィスビルや商業施設、住宅建設などの分野でも受注が増加する可能性があります。

政府は、建設業界の受注動向を継続的に分析し、適切な政策を講じていく方針です。今後の市場動向を見極めながら、業界の持続的な成長を支援していくことが求められます。

建設業界の最新動向

国土交通省は、国内の建設業界の受注状況を詳細に把握するため、「建設工事受注動態統計調査」を毎月実施しています。本調査では、公共機関や民間企業が発注した工事の内容を、発注者別、業種別、工事種類別、地域別に分類し、業界全体の動向を明らかにすることを目的としています。

出典情報

国土交通省リリース,建設工事受注動態統計調査報告(令和7年1月分),https://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_001287.html