ショールームから飲食店まで。現場を彷彿とさせる現場喫茶とは

建設業においては、経営戦略としてショールームを展開する事業者は多いといえます。しかし、ショールームを活用して、喫茶店の運営を行っているケースは稀です。

今回は株式会社髙橋工業が運営する「現場喫茶」について詳しくふれていきます。

株式会社髙橋工業が運営する喫茶店「現場喫茶」のコンセプトや喫茶店を運営するきっかけについて

株式会社髙橋工業は、戸建からマンションまで手掛けている建設事業者です。そのうえで、経営戦略の1つとして、東京都墨田区押上にショールームをオープンしたのが喫茶店を運営するきっかけとなっています。

「会社規模から大きくはない中でどうやってこう生き残って案件を勝ち取っていくか」を考えた時に、相見積もりや口コミが重要であり、独自性の強みも必要と感じショールームをオープンしたとのことでした。

現場喫茶(ショールーム)の店内は、商談スペースや壁の実物サンプルを手で触ったり、目で見てすぐわかるようにディスプレイされています。「お客様が現場喫茶に来て、見やすい空間 の1つとしても使える」というコンセプトにしています。

お客様に対するサービスとこだわりの内装インテリア

現場喫茶では、テレワークのお客様が多いことからOA関連は充実しており、コンセントやWi-Fiはどの席でも使用可能な設計です。

たとえば、契約の可否を迫るイメージではなく、「お話して検討してもらう」ことがまず必要だったため、窮屈さをなくすためにもオープンなスペースを心がけた作りとなっている点が特徴です。

おかわり110円のサービスも含めてくつろぎやすい、過ごしやすい空間を目指した運営が実施されています。実際に、朝から仕事が終わるまで現場喫茶を利用しているお客様も多い状況です。

照明にもこだわりがあり、建設現場の投光器をシャンデリアに見立てて設置しています。色に関して暖色系の色を発する工夫を施しているとのことでした。

投光器のシャンデリア

リピーターが多く利用客層は日によって異なる

現場喫茶の客層は、次のように日によって大きく違います。

  • 平日:リモートMTGができるテレワークのサテライトオフィスとして活用しているお客様が多い
  • 土日:お子様連れのファミリーが多く、インスタ投稿で拡散されている。おもちゃも用意がある
  • 観光客:スカイツリー目的の方が穴場スポットとして利用している。Googleマップを調べて来店するケースが多い
  • 海外に関しては、インバウンド関連で増加し、コンセプトや店舗内の風景に興味関心を持って来店している

2Fが宿泊施設で喫茶店と提携しており、「ルームキーを見せてもらうことで1日1杯のコーヒー・ラテ類が無料になる」というサービスでは、海外のお客様が来店するケースが多い状況になっているとのことです。

メニューは建設現場を連想させる遊び心があふれる

現場喫茶では、自家製のレモネードはレモンシロップとジンジャーのシロップも自家製で作っています。通年では、ジンジャーエールとレモンスカッシュ、レモネードが販売しており、秋冬限定でホットレモネード、ホットジンジャーも販売している状況です。

また、ラテアートのオリジナルフレーズは業界人に好評です。とくに、掛け声に関しては現場でよく使用する「ご安全に」「ヘルメットよいか」などが多く使用されています。

自家製レモンスカッシュ
オリジナルフレーズが業界人にうけるラテアート
建設現場を連想させる遊び心あるうつわ盛り

現場喫茶として心掛けていること、店舗のスタッフについて

現場喫茶では、「訪れた全ての新規の方にコンセプトや運営会社の事業形態から説明する」ことを心がけています。内装や元々知っていたかどうかなども含めて、ショールームの役割を果たしつつ、喫茶店が株式会社髙橋工業を知ってもらう役割を果たしている状況です。実際に、現場喫茶から株式会社髙橋工業の案内や業界説明などもできるような環境を整えています。

店長も含め、現在は自社では15名程度の社員が働いてる状況です。協力会社の方も働いているため、もっと人数は多いとのことでした。現場喫茶を開くタイミングでは、本当に色んな意見を集め、おむつの無料配布といったサービスの実施も行っていました。実際に、その施策も含めて主婦の方の集客にもつながっています。

店長の今井氏も事務社員として入社したうえで、店舗に入っているため、店長含め全スタッフが株式会社髙橋工業や建設業界について説明できる環境となっています。顧客の悩みを聞いて担当につなげる役割を果たすことができているということでした。

今井店長さん
寅一:ユニフォーム&マルゴ:ワークシューズ

1451という数字について

現場喫茶では、株式会社髙橋工業所在地ということで1451という数字をロゴに取り入れています。創業年と勘違いされたり、暗号の一部だと思われたりするケースもありました。実際に、ネーミングの観点からすれば、「現場喫茶」が1つのブランドになりつつあるような状況です。

そして、1451という数字から「現場喫茶」を覚えてもらう面白さを付加できていると感じているとのことでした。

【まとめ】

株式会社髙橋工業の運営する「現場喫茶」は、経営戦略から生まれた1つの取り組みです。現場喫茶の中では、テレワークだけでなく、商談が進むケースもあり、企業活動の中でも多面的な機能を果たしているといえます。

近くに立ち寄った際は、ぜひ訪れてみてください。現場を彷彿とさせる遊び心を味わってみましょう。

現場喫茶~genbacafe1451~