国土交通省11月報告、建設工事受注が8か月連続増 下請工事が23%増で好調維持

受注工事の総額は9兆5,908億円となり、前年同月と比べて10.1%増加しました。これで8か月連続の増加となります。建設業界全体として、堅調な受注状況が続いていることがうかがえます。

元請・下請別の受注状況

【元請工事の動向】

元請受注高は5兆7,166億円を記録し、前年同月比で2.5%増加しました。これは2か月連続の増加です。元請工事は建設会社が直接、発注者から請け負う工事を指します。

【下請工事の動向】

下請受注高は3兆8,742億円となり、前年同月比で23.4%増加しました。8か月連続の増加であり、特に高い伸び率を示しています。これは建設工事の重層的な展開が活発化していることを示しています。

発注者別の受注状況

【公共工事の動向】

公共機関からの受注工事は1兆3,770億円となり、前年同月比で0.1%減少しました。6か月ぶりのマイナスとなりましたが、減少幅は小さく、ほぼ横ばいの水準を維持しています。

【民間工事の動向】

民間等からの受注工事は4兆3,396億円で、前年同月比3.4%の増加となりました。2か月連続の増加であり、民間部門における建設需要が引き続き堅調であることを示しています。

業種別の受注状況

【総合工事業】

建築・土木工事など総合的な工事を行う総合工事業の受注高は5兆6,299億円となり、前年同月比で16.1%増加しました。9か月連続の増加となっており、業界の中核を担う分野として安定した成長を続けています。

【職別工事業】

大工工事や鉄骨工事などの専門工事を行う職別工事業は1兆4,761億円で、前年同月比1.1%増加しました。5か月連続の増加となり、専門工事分野でも着実な受注の積み上げが見られます。

【設備工事業】

電気・管工事などの設備工事業は2兆4,848億円で、前年同月比3.3%増加し、3か月連続のプラスとなりました。設備関連の需要も底堅く推移しています。

工事種類別の状況

建築工事は3兆7,834億円(前年同月比1.9%増)となり、2か月連続で増加しています。また、機械装置等工事は5,642億円(同12.9%増)と、こちらも2か月連続の増加を記録しました。

今後の展望

全体として、建設業界の受注状況は堅調に推移しています。特に下請工事の大幅な増加は、建設工事の裾野の広がりを示唆しており、業界全体の活性化につながっているとみられます。一方で、公共工事がわずかながら減少に転じた点については、今後の動向を注視する必要があります。

※本統計は令和3年4月より新しい推計方法を採用しており、より精度の高い実態把握に努めています。

調査の概要

建設業界の動向を詳しく把握するため、全国の建設業許可業者約47万社の中から約1万2千社を対象に実施している月次調査です。調査結果は建設行政における重要な基礎資料として活用されています。

出典情報

国土交通省リリース,建設工事受注動態統計調査報告(令和6年11月分),https://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_001273.html