【無料あり】電子黒板アプリ12選!国土交通省も推奨
「電子黒板アプリ」についてピックアップします。工事現場で必要な小黒板の作業を電子化することで、業務がスムーズになります。本記事では国土交通省も推奨している電子黒板アプリについて、詳しくご紹介します。
電子黒板アプリが便利|メリットとは
電子黒板アプリとは、従来小黒板に記入して撮影していた写真をデジタル化できるアプリのことを指します。具体的にはスマホ等で撮影すると、工事名・工種・日付・立会者等も含めた情報を自動的に記録できます。
電子黒板アプリの主なメリットは、下記の通りです。
- 情報共有がスムーズになる
- 一人で撮影できる
- 工程管理の効率化
- コストを削減できる
- 工事写真の改ざん防止
電子黒板アプリでは、施工管理に必要な情報をデジタルで一元管理できます。図面や進捗状況、作業手順書などをその場で編集・共有可能なため、現場スタッフや関係者全員が同じ情報をリアルタイムで確認できるのがメリットです。
また従来までは小黒板を掲載する人員の確保、重機との輻輳等の安全性確保といった課題がありましたが、スマホ等で一人で撮影できるため省人化に貢献します。これにより、工程管理効率化やコスト削減にもつながります。
電子黒板アプリの主な機能
電子黒板アプリの主な機能は、建設現場での効率化や情報管理を目的として設計されています。主な機能として、下記の項目が挙げられます。
- 写真撮影・管理機能
- 報告書・台帳作成機能
- クラウド連携
- 電子納品
- 図面・資料の閲覧・編集
- 工程管理・進捗確認
- チェックリスト管理
- 位置情報管理
電子黒板アプリでは、写真に撮影日時や位置情報を自動で記録できます。また写真をクラウドにアップロードすれば、関係者間で簡単に共有可能です。
そして現場写真や進捗データを基に、作業報告書を自動作成できるアプリも登場しています。またスケジュール管理やチェックリスト機能があるタイプであれば、総合的な工事管理が可能になります。
さらに「電子納品」が可能なアプリの場合、国土交通省が定める電子納品要領に則した形で簡単に納品できます。
電子黒板アプリの使用に必要なアイテム|どうやって使う?
ここでは、電子黒板アプリの使用に必要なアイテムをまとめて整理しておきます。使用するまでの主な流れは、下記の手順となります。
- 1.アプリをインストール
- 2.アカウント作成・設定
- 3.情報入力・現場での利用
- 4.データ共有・提出
- 5.オフィスや会議で利用
特に現場でのスマホ・タブレットの活用がカギとなりますが、状況に応じてPCやプロジェクターを補助的に使用するとさらに便利です。
スマホ・タブレット端末(iPhone・アンドロイド)
電子黒板アプリは、スマホ・タブレット端末で撮影を行います。iPhoneやアンドロイド端末など、iOSまたはAndroidに対応していてアプリがインストール可能な端末を準備しましょう。またカメラ機能付きで、操作がスムーズな端末が推奨されます。
インターネット環境
インターネット環境は、データのクラウド共有やリアルタイムでの情報更新に必須です。これにより、遠隔地の関係者とも即座に情報共有が可能になります。
そのためには安定したWi-Fi環境やモバイルデータ通信が求められます。現場で利用する場合は、ポータブルWi-Fiルーターがあると便利です。
PC・プロジェクター
必須ではありませんが、PC(パソコン)があると事務所やオフィスでデータの詳細確認や報告書の編集が便利になります。 アプリ内で収集したデータを、大画面で確認・分析しましょう。
さらにプロジェクターがあれば、現場スタッフ全員への説明や会議でのデータ共有に使用できます。図面や進捗状況を拡大表示して確認することで、情報共有がスムーズに進みます。
国土交通省も電子黒板アプリを推奨|小黒板情報電子化
国土交通省は、2017年に「国技建管第10号」(デジタル工事写真の小黒板情報電子化について)を発表しています。これにより、公共工事においても電子黒板アプリの使用が認められるようになりました。
その後2023年に発表された「国営建技第14号」では、使用機器の事例として「デジタル工事写真の小黒板情報電子化対応ソフトウェア」が紹介されています。これは㈳施工管理ソフトウェア産業協会(J-COMSIA)による「信憑性確認(改ざん検知機能)検定」に合格したソフトウェア一覧です。
本記事では、J-COMSIAの検定に合格している電子黒板アプリを中心にご紹介します。
【参考】国土交通省「国営建技第14号」
無料の電子黒板アプリ
ここでは、無料で使える電子黒板アプリをご紹介します(2024年12月時点)。ただし無料期間はトライアルのみの場合もあるため、料金については適宜公式サイトをご確認ください。
Photoruction
Photoructionは、写真管理からBIMまでオールインワンで生産性を向上できるアプリです。大量の写真管理も、スマートフォンやタブレットから撮影するだけで自動整理できます。 電子黒板や台帳の作成も手軽に行えるため、建設生産に関する業務をソフトウェアで効率化可能です。
対応アプリ
iPad、iPhone、アンドロイド端末、PC
料金
- 無料トライアルあり
- 初期費用0円・利用者数に応じた月額料金(+オプション利用料金)
蔵衛門カメラ
蔵衛門カメラは、シンプルで使いやすい現場用カメラアプリです。2014年から電子黒板アプリを提供しており、撮影した写真をその場でクラウドへ自動保存できる機能が備わっています。
従来の「写真を事務所へ持ち帰る」プロセスが無用なので、撮影と台帳作成の分業による同時進行が可能です。ムダな時間を省いて残業を削減でき、働き方改革としても効果的です。
対応アプリ
- iPhoneまたはiPad対応
- Androidの場合、現場専用のタブレット「蔵衛門Pad」の使用を推奨
料金
- 無料トライアル可能
フリー | ライセンスパック | エンタープライズ | |
---|---|---|---|
料金 | 無料 | 1メンバー/月900円 | 1メンバー/月600円~(11名から契約可能) |
現場DEカメラLITE/PRO
現場DEカメラは、電子納品対応の電子小黒板機能付き工事写真カメラアプリです。撮影画像の解像度を設定でき、電子納品に適切な工事写真の撮影に配慮しています。撮影箇所ごとに図面や撮影枚数を確認できるため、撮影時の撮り忘れや撮り間違い防止につながります。
対応アプリ
iPad / iPhone / iPod touch
料金
現場DEカメラLITE | 現場DEカメラPRO | |
---|---|---|
料金 | 無料 | 3000円(買い切り) |
RICOH Drive 電子黒板アプリ
RICOH Drive 電子黒板アプリは、様々な工事情報(工事名や工種。種別・細別など)を記録できる電子黒板アプリです。2022年まで提供されていた「RICOH SnapChamber」に代替する「RICOH Drive」のサービスとなります。
電子小黒板写真は小黒板情報連携機能に対応している電子納品ソフトに取り込むと自動で最適なフォルダに仕分けられ、さらに工事情報も自動で入力できます。これにより、写真整理業務の大幅な削減が期待できます。
対応アプリ
iPhone/iPad(Android端末には非対応)
料金
- RICOH Driveライセンスを取得で無料利用可能
KANNA
KANNAは、建設・土木業界における工事現場の施工管理、製造業、物流業の工場や物品管理、プロジェクトの進捗状況といった現場の情報を見える化し、クラウド管理できるサービスです。
電子小黒板付きの写真撮影が可能で、現場ごとに最適な黒板テンプレートを作成し、簡単に写真撮影ができます。J-COMSIA認定の改ざん検知機能も付いているので安心です。
対応アプリ
iPhone/iPad/Android
料金
- 無料トライアル可能
ライト | ベーシック | エンタープライズ | |
---|---|---|---|
料金 | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ |
現場Plus
現場Plusは、住宅会社・工務店向けの施工管理アプリです。優れたコストパフォーマンスと使いやすい操作性、導入前後の手厚いサポートで高評価を集めています。
チェックリストの写真に電子黒板を追加できます。黒板の色(黒板・黄色・ホワイトボード)や表示する項目、表示方法をカスタマイズしたり、表示位置を選択することも可能です。また、デジタル工事写真の改ざん検知機能にも対応しています。
対応アプリ
iOS / Android / Google Chrome / Firefox / Safari / Microsoft Edge
料金
- 無料体験あり
- 月額1万円(60ID)
ミライ工事アプリ
ミライ工事アプリは、無料から使える工事写真アプリです。撮影から台帳の編集、出力までスマホでスムーズに完結するため、工事写真の業務が現場で完了します。
J-COMSIA認定済みで、信憑性確認(改ざん検知機能)の検定、小黒板情報連携機能検定に合格しています。これにより、デジタル工事写真に工事用小黒板の使用が認められている現場で利用可能です。
対応アプリ
iPad、iPhone、アンドロイド端末
料金
- 初期費用0円で無料プランあり
フリー | ベーシック | プロフェッショナル | 法人契約 | 法人契約(大容量) | |
---|---|---|---|---|---|
人数 | 1人 | 1人 | 1人 | 5人以上 | 10人以上 |
容量 | 30MB | 300MB | 3GB | 15GB/人 | 100GB/人 |
月額費用 | 無料 | 900円 | 1980円 | 2500円/人 | 5000円/人 |
有料の電子黒板アプリ
ここでは、有料の電子黒板アプリをご紹介します。ただし料金は2024年12月時点のデータのため、詳細は公式サイトをご確認ください。
ANDPAD
ANDPADは、現場の効率化から経営改善まで一元管理できるシェアNo.1のクラウド型建設プロジェクト管理サービスです。黒板作成から黒板付き写真撮影、写真整理、写真台帳作成まで一元管理できます。またJ-COMSIAの改ざん検知機能を搭載しており、民間工事から公共工事まで対応可能です。
対応アプリ
iPad、iPhone、アンドロイド端末、PC
料金
- 初期費用+月額費用+オプション費用
- 無料トライアルなし
OPTiM Taglet
OPTiM Tagletは、AIを用いた報告書自動作成カメラアプリです。写真を撮影してからタグ付けをすることで、AIが報告書を自動的に作成してくれます。これにより写真での記録が必要な現地調査報告や作業状況報告が手軽に行えるようになり、業務コストの圧縮と効率化を実現できます。
対応アプリ
iPhone/iPad/Android
料金
- 要問合せ
電子小黒板PhotoManager
電子小黒板PhotoManagerは、今まで複数人で行っていた現場での準備・撮影を全て1人で行えるアプリです。別途「PhotoManager」と併用することで、撮影から写真整理まで一連の工事写真業務を強力にサポートします。
対応アプリ
iPhone/iPad/Android
料金
- 無料(「PhotoManager」は¥1,100)
どこでも写真管理Plus
どこでも写真管理Plusは、小黒板付き工事写真の撮影に対応したiOS/Androidアプリです。「黒板作成・連携ツール」にて黒板情報を事前に入力し、作成した黒板を利用した撮影が行えます。
撮影した写真を「EX-TREND武蔵」の写真管理プログラムに取り込むことで、自動振り分けが行えます。アプリのダウンロード自体は無料ですが、「EX-TREND武蔵」の利用には料金が必要です。
対応アプリ
iPhone/iPad/Android
料金
- 要問合せ
工事写真
「工事写真」は、デジタルカメラと工事用黒板が一体となったiPhoneアプリです。黒板が入った工事現場撮影用のスマホアプリとして、2011年1月28日に世界で初めてリリースされました。
対応アプリ
iPhone/iPad(Android端末には非対応)
料金
- 工事写真後付黒板利用権30日間:¥600
- 工事写真サーバー利用権30日間-1GBプラン:¥600
- 工事写真日付表示利用権30日間:¥500
- 工事写真項目名変更利用権30日間:¥500
- 工事写真画像貼付利用権30日間:¥500
- 工事写真アルバム印刷利用権30日間:¥500
- 工事写真後付黒板利用権365日間:¥6,000
- 工事写真日付表示利用権365日間:¥5,000
- 工事写真サーバー利用権90日間-1GBプラン:¥1,500
- 自動写真整理機能利用権30日間:¥4,500
まとめ
電子黒板アプリの活用は、国土交通省でも推奨されています。本記事でご紹介したアプリを利用することで、ぜひ業務効率化に活かしてみてください。まずは無料トライアルから試してみるのもおすすめです。