国土交通省発表、建設業界10月受注額は26.7%増の10.8兆円、7か月連続のプラス

国土交通省が12月10日に発表した建設工事受注動態統計調査によると、令和6年10月の建設業界の総受注額は10兆8,164億円となり、前年同月と比べて26.7%増加しました。これは7か月連続の増加となります。

元請と下請、いずれも好調な伸び

建設工事の受注には、発注者から直接工事を請け負う「元請」と、元請会社から工事の一部を請け負う「下請」があります。

10月の元請受注額は7兆800億円となり、前年同月と比べて31.9%増加しました。先月は減少していましたが、再び増加に転じています。下請受注額も3兆7,363億円と、前年同月比17.9%増を記録し、7か月連続で増加しています。

公共工事と民間工事の状況

元請受注額の内訳を見ると、国や地方自治体などの公共機関からの受注額は1兆8,657億円で、前年同月と比べて19.7%増加し、5か月連続の増加となりました。

一方、民間企業や個人からの受注額は5兆2,144億円で、前年同月比37.0%増となり、こちらも先月の減少から増加に転じています。

業種別の受注状況

建設業界の主な業種別に見ると、建物の建築工事全般を手がける総合工事業の受注額は6兆4,364億円で、前年同月と比べて30.2%増加し、8か月連続のプラスとなりました。

左官工事や塗装工事などの専門工事を行う職別工事業は1兆5,848億円で、前年同月比21.9%増と4か月連続で増加。電気工事や給排水工事などを行う設備工事業も2兆7,952億円で、前年同月比22.0%増と2か月連続の増加となっています。

工事の種類別の動向

工事の内容別に見ると、道路や橋、トンネルなどの土木工事は1兆7,243億円で、前年同月と比べて26.1%増加し、4か月連続で増加しました。

オフィスビルや住宅などの建築工事は4兆4,355億円で、前年同月比31.8%増。先月は減少していましたが、今月は再び増加に転じています。

工場の生産設備や機械装置の工事は9,202億円で、前年同月比45.6%増となり、3か月ぶりに増加を記録しました。

今後の展望

このように、建設業界全体として幅広い分野で受注が増加しており、業界全体として好調な受注状況が続いています。特に民間からの受注が大きく伸びていることから、企業の設備投資や不動産開発なども活発化していることがうかがえます。

一方で、建設業界では人手不足や原材料価格の上昇など、いくつかの課題も抱えています。今後も受注状況と併せて、これらの課題への対応状況も注目されます。

なお、この調査は全国約47万社ある建設業許可業者の中から、約1万2千社を対象に毎月実施されているものです。建設業界の動向を把握する上で重要な指標となっています。

出典情報

国土交通省リリース,建設工事受注動態統計調査報告(令和6年10月分),https://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_001267.html