ユーフォリア、奥村組の現場で建設作業員を対象としたコンディション管理プログラムの導入
株式会社ユーフォリア(本社:東京都千代田区、代表取締役/共同創業者:橋口 寛・宮田 誠、以下 ユーフォリア)と株式会社奥村組(本社:大阪市阿倍野区、代表取締役社長:奥村 太加典、以下 奥村組)は、ユーフォリアが開発したコンディション管理プログラム「ONE TAP SPORTS for Biz」(以下、本プログラム)を建設現場向けに最適化し、奥村組の現場で試験的に導入したことをお知らせいたします。
本プログラムを導入することで、建設現場で働く作業員の体調管理を適切に行い、熱中症の発症リスクを低減します。
背景
作業員の健康管理は建設会社にとって重大な責務です。近年は数年前に比べ、夏期の気温が非常に高くなっている上、酷暑環境が長期化していることから、熱中症の発症リスクが高まるとともに、発症時の重篤度も大きくなっています。
熱中症は、気温や天候などの外的環境要因だけではなく、作業員の体調や疲労度などの内的要因によっても発症リスクが高まることから、作業員のコンディションの適切な管理が求められます。
そこでユーフォリアと奥村組は、どんな環境下にあっても最大のパフォーマンス発揮を追究するアスリートが実践するコンディショニングメソッドを、建設作業員の方々向けに最適化し熱中症予防のためのプログラムを開発しました。
技術の概要(図1)
本プログラムは、ユーフォリアが長年培ってきたスポーツ選手を支えるコンディショニングノウハウを活用し、身体的負荷の高い業務に就くワーカーを支援するために開発したウェルネスプログラムです。今回初めて建設現場に適用するため、現場関係者へのヒアリングを重ね、運動生理学を専門とする東京大学八田秀雄教授の指導のもと建設現場向けに最適化しました。
作業員はスマートフォンやタブレットから自身の疲労度、睡眠の質などの主観データや、睡眠時間、体重、水分補給量などの定量的な客観データを毎日入力します。それらのデータを産業トレーナーがモニタリングし、作業員個々のコンディションへフィードバックと改善アドバイスを行います。また、ユーフォリアから現場管理者へ「モニタリングデータ分析レポート」を提出し、建設現場の作業環境改善に活かしていただきます。
現場での適用
【対 象】奥村組の建設現場において、屋外作業を行う作業員20名
【適用期間】2023年8月後半から10月末まで
【測定方法】毎朝、始業時に行う作業内容の確認および危険予知活動(KY活動)の一環として、作業員が自らタブレットでデータを入力(図2、写真1)。
【結 果】作業員は、産業トレーナーからの改善アドバイスにより、作業時・作業後の十分な水分摂取など、体調維持に必要な行動が促された。また、現場管理者は、モニタリングデータ分析レポートにより、作業員の体調が可視化されたことで、適切なタイミングで熱中症対策を行うことができ、熱中症および熱中症疑いの事象も発生しなかった。
今後の展開
今後は、本プログラムを複数の現場に適用し、作業員の適切な体調管理を行うことで、熱中症を予防し、作業員の健康づくりとパフォーマンス向上を支援いたします。
指導・監修
八田 秀雄 教授
所属 :東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 生命環境科学系 身体運動科学研究室
専門 :運動生理学、運動時の乳酸を中心とするエネルギー代謝
株式会社奥村組 について
本社 :大阪市阿倍野区松崎町 2-2-2
設立 :1938年3月3日
代表者 :代表取締役社長 奥村 太加典
事業内容:総合建設業およびこれに関連する業務
本技術における役割:適用現場の提供/技術評価/実運用検討
URL :https://www.okumuragumi.co.jp/
株式会社ユーフォリア について
ユーフォリアは「人とスポーツの出合いを幸福にする」をミッションに、スポーツの課題をテクノロジーで解決するスポーツテック企業です。スポーツ選手のコンディション管理、ケガ予防のためのSaaS型データマネジメントシステム「ONE TAP SPORTS(ワンタップスポーツ)」( https://one-tap.jp )、スクール運営のDXプラットフォーム「Sgrum(スグラム)」( https://sgrum.com )を開発・提供しています。
さらに、これまでスポーツ界で培ってきたノウハウを生かし、一般企業のビジネス課題の解決を行う事業も推進中です。
本社 :東京都千代田区六番町5-5 飯田ビル2階
設立 :2008年8月18日
代表者 :代表取締役/共同創業者 橋口 寛・宮田 誠
事業内容:スポーツ領域におけるシステム開発・保守・コンサルティング、スポーツデータ活用による商品開発支援事業、健康経営支援事業
本技術における役割:体調管理ツールの提供/データ分析/改善プログラムの提案