東京都の創業支援とは|スタートアップ助成金・融資でDX促進

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著者:小日向

トレンドワード:東京都の創業支援

「東京都の創業支援」についてピックアップします。東京都では、スタートアップ企業に対する支援事業が行われています。本記事では創業支援を実施している主な機関や、建設業関連のスタートアップ企業の事例をご紹介します。

創業支援とは

創業支援とは、新事業立ち上げの際に行われるサポートや支援のことを指します。政府や地方自治体、民間の企業や団体など、さまざまな組織が創業支援を行っています。

起業家が事業を始める際には、様々な課題や困難に直面することが多いです。そういったスタートアップ企業を積極的に支援することで、事業の成功確率を高めることを目的としています。

ユニコーン企業が話題|「サカナAI」に続くか

2024年6月、スタートアップの「サカナAI」がユニコーン企業になったことが話題となりました。ユニコーン企業とは企業価値10億ドル以上の未上場企業のことを指し、設立1年以内での達成は国内最速です。

サカナAIとは

https://www.jafco.co.jp/portfolio/sakanaai

サカナAIは人工知能(AI)のスタートアップで、大規模言語モデル(LLM)などに関連した技術開発が強みです。既存のLLMを複数融合させる手法を採用することで、コストを抑えつつ開発を進めています。

これまでにNTTグループやソニーグループ等が出資しており、経済産業省の生成AI基盤モデル開発の支援先としても採択されています。日本は欧米に比べるとユニコーン企業が少ないのが課題のため、サカナAI等のスタートアップ企業の躍進が期待されているのです。

東京都の創業支援

ここでは、東京都が独自に行っている創業支援についてご紹介します。助成金や融資の案内の他、支援窓口やセミナーの開催も実施されているのが特徴です。

TOKYO創業ステーション

https://startup-station.jp

TOKYO創業ステーションは、(公財)東京都中小企業振興公社が運営するサービスです。起業に興味がある方から、具体的に起業の準備を進めたい方まで、起業家を広く支援しています。

具体的には、起業・創業に関する相談窓口やイベント・セミナーなど、数多くの支援メニューが揃っています。

都内での創業を具体的に計画している個人又は創業後5年未満の中小企業者等に対して「創業助成事業」を行っており、2024年度は上限400万円(下限100万円)を助成しています。また「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」や「商店街起業・承継支援事業」といったユニークな事業も積極的に行っているのが特徴です。

東京ビジネスサポートプラザ

https://www.tokyo-sogyo-net.metro.tokyo.lg.jp/soudan/tokyo_bsp.html

東京ビジネスサポートプラザとは、日本政策金融公庫による相談専門の窓口です。「起業はしたいけど何から始めたらよいかわからない」といった初心者の方も、安心して相談できる機関となっています。

具体的には、融資制度の案内や事業計画策定などのアドバイスを受けられます。予約制で夜間や休日でも創業相談に対応してもらえるため、忙しい方にもおすすめです。

東京開業ワンストップセンター

https://www.startup-support.metro.tokyo.lg.jp/onestop/jp

東京開業ワンストップセンターとは、法人設立や事業開始時に必要な定款認証、登記、税務、年金・社会保険、入国管理等の各種手続きに一元的に対応している窓口です。

行政手続に精通している相談員が、無料で相談に対応してくれます。また、中小企業診断士による経営相談・創業支援も可能です。

多言語による通訳や翻訳サービスも提供しており、外国人起業家にとっても使いやすいセンターとなっています。

東京都創業支援|建設業関連スタートアップ

ここでは、「東京都創業NET」で紹介されているスタートアップの事例をご紹介します。建設業やロボットの分野でも、スタートアップが台頭しています。

センシンロボティクス

https://www.tokyo-sogyo-net.metro.tokyo.lg.jp/interview/2009_01.html

センシンロボティクスは、産業用ドローンを活用した事業を展開するスタートアップです。具体的には高所設備や災害地での、ドローンによる設備点検・災害対策・警備監視を行っています。

社会インフラDXを推進するリーディングカンパニーを目指し、将来的にはAIによる予兆分析や予防保全も行う予定です。

Life Tech Robotics

https://www.tokyo-sogyo-net.metro.tokyo.lg.jp/interview/2210_01.html

Life Tech Roboticsは、ロボットの開発・製造・販売をトータルで行っているスタートアップです。具体的には、工場内や農業現場で荷物を運ぶものや、センサーを使って各部屋の明るさや距離などを計測して回るロボット、美術館などで人を案内し、作品紹介まで担当するロボットなどを手掛けています。

屋外で使用する場合は、天気や地面の状態、日当たりなどの環境を考慮して開発しています。現場の人手不足を解消する手段として、ロボットの活用が期待されているのです。

現在「インキュベーションオフィス・TAMA」に会社が構えられており、東京都から賃料の補助を受けながら入居しています。創業期の中小企業を各方面から支援してくれるオフィス内にあるため、知財や下請けのトラブルに関する相談等が気軽に行えるのがメリットです。

まとめ

東京都では、スタートアップ企業に対する創業支援を行っています。窓口での相談だけでなく、助成金事業やオフィスの提供など、幅広いサポートを行っている事業者もあります。建設業でも新技術によるDXが期待されており、スタートアップ支援の必要性が高まっています。