建設業のDXに利用できる補助金5選と活用のメリットを解説
建設業においても、DX を意識した取り組みを行う事業者も増加傾向にあります。とくに、人材不足による生産性の低下は、中小企業だけでなく大企業においても課題といえるでしょう。
そこで、今回は建設業のDXに利用できる5つの補助金について解説していきます。
目次
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建設業においてもDX化が進み、AIやクラウド、ドローンなどを活用して様々な業務を効率化することが可能となりました。また、DXはITやデジタル技術によって変革をもたらすことを意味します。
そのため、補助金によってITツールやBIM/CIMなどを導入すれば、DX化につながり、建設業の課題解決にも役立つといえるでしょう。
建設業でDX推進に使える補助金とは
建設業でDX推進に使える補助金とは、設備やシステム・ツール導入費などを支援できる補助金のことです。生産性向上や業務効率化によって、企業の課題解決につなげられるため、DX推進が建設業でも注目を浴びています。
補助金の要件として、補助金額が大きいものは、資本金や従業員数が具体的に決まっているケースもあります。しかし、 返済不要であることから中小企業でも活用しやすく、導入したシステムや設備は自社の工事に取り入れやすいことから、今後も補助金の活用は広がっていくと想定されるでしょう。
建設業のDXにおける補助金の活用メリット
建設業のDX における補助金の活用メリットは次の2つです。
- 返済不要となっている
- 事業計画の見直しにつながる
- クリアしたい課題に合わせて補助金を選べる
補助金が採択された場合は、返済する必要がありません。融資の場合は、利息分まで返済する必要があることから、申込の心理的ハードルは低いといえるでしょう。
また、補助金は大規模な設備導入や小規模な新しいシステムやツールの導入まで対応でき、必要なシステムや設備を慎重に選ぶことから、事業計画まで見直すことにつながります。
DX化によってITやシステムによる生産性向上や業務効率化も見込まれるでしょう。 とくに、生産性が高くなればなるほど、人材育成や人手不足、工期の長期化といった建設業界の課題解決にもつながるといえます。
建設業のDXに利用できる補助金5選
ここからは、建設業のDXに利用できる補助金を5つみていきましょう。
事業再構築補助金
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/download/summary010.pdf
事業再構築補助金は、中小企業の事業再構築を支援するための補助金です。これまでの事業に囚われず、新分野の展開や事業・業種転換を支援することを目的としています。
全部で8枠に分かれており、次の必須要件を満たす必要があります。
- 事業計画について認定経営革新支援機関や金融機関の確認を受ける
- 補助事業終了後 3から5年で付加価値額の年平均3%から5%以上の増加、従業員一人当たりの付加価値額の年平均3%から5%以上の増加
事業計画を作成したうえで、申請する補助金額が3,000万円を超える場合は、金融機関の確認も必要となります。
小規模事業者持続化補助金
https://r3.jizokukahojokin.info/index.php
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の販路開拓や制度変更における経費を支援するための補助金です。次のような要件が決まっています。
- 常時使用する従業員の数が5人から20人以下
- 資本金または出資金が5億円以上の法人に直接・間接的に100%の株式を保有されていないこと
また、小規模事業者持続化補助金は事業を実施した後に補助金が交付されます。そのため、自己負担がある点は知っておきましょう。
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、生産性を向上させるサービスの開発や生産プロセスの改善などを目的とした支援です。また、製造業だけでなく、ものづくりに関わる建設業も利用可能です。
ただし、資本金3億円と常勤従業員300人以下などの要件を満たしていなければ申込みできません。枠に関しては、以下の5つがあるため、自社の事業に合わせて選択しましょう。
- 通常枠
- デジタル枠
- 回復型賃上げ・雇用拡大枠
- グリーン枠
- グローバル市場開拓枠
IT導入補助金
https://www.it-hojo.jp/first-one/
IT導入補助金は、業務効率化やDX化を推進するITツールの導入を支援するものです。自社の課題に合わせて、枠を選択できることに加え、BIM/CIM導入のきっかけとすることも可能です。
実際に、IT導入補助金の活用によって3次元CADを導入し、データ連携の効率化や提案力の向上につながっている企業もあります。
事業承継・引継ぎ補助金
事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継をきっかけとして新しい事業の設立や統廃合を支援するための費用です。以下のように3つの類型に分かれている点が特徴です。
- 経営革新事業-事業承継やM&Aを行った事業者を対象として、新しい設備投資やDX化などの資金を補助する
- 専門家活用事業-M&Aを行った場合に発生する費用を補助する
- 廃業・再チャレンジ事業-事業承継・事業再編成、廃業を行う際に発生する経費の一部を補助する
建設業で承継を行う場合、2020年から建設業法の規定によって許可を改めて取る必要はなくなりました。今後、事業承継・引継ぎ補助金が活用され、企業のM&Aや事業承継が進んでいくと想定されます。
まとめ
建設業のDX化を推進できる補助金には、いくつもの種類があり、企業規模が決まっているものから、数十から1億単位の金額を支援してくれるものまであります。
どの補助金が対象になるのかは、企業によって異なるものの、補助金を上手く活用できれば、DX 化が進み、業務効率化や生産性の向上につながるといえるでしょう。要件を確認しつつ、自社の課題にあった補助金を活用してみましょう。