国産木材を用いた日本初の木造ハイブリッド高層分譲マンションが100m未満部門・アジア部門でW受賞

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Category:建築DX

野村不動産株式会社(本社:東京都新宿区/代表取締役社長:松尾 大作、以下「当社」)は、高層ビル・都市居住協議会(Council on Tall Buildings and Urban Habitat 、米国、以下「CTBUH」 ) が主催する 「CTBUH Awards 2023」 にて、2021年に東京・千代田区に竣工した、日本初の木造ハイブリッド高層分譲マンション※1「プラウド神田駿河台」が「Best Tall Building under 100 meters部門」、「Best Tall Building Asia部門」の2部門を受賞したことをお知らせいたします。

本プレスリリースのポイント1.「CTBUH Awards2023」にて2021年竣工の「プラウド神田駿河台」が2部門をW受賞を受賞2. 柱・壁等の構造部に木質系構造部材を使用し、10階超の木造ハイブリッド分譲マンションとしては日本初の設計3.プラウドは2020年10月よりマンションの共用部に原則国産材を使用、さらに野村不動産グループでは2022年より奥多摩町に森を保有、今後も事業活動への国産木材活用を積極的に推進

 ※1 CLT協会調べ(10階を超える木造ハイブリッドの新築分譲マンション実績は該当なし/2023年10月23日時点)

「CTBUH Awards2023」の受賞について

 CTBUH Awards は、高層建築や都市環境の発展に多大な貢献をし、最高かつ広範なレベルで持続可能性を達

成したプロジェクトや個人を表彰する世界的な建築アワードです。

 プラウド神田駿河台は、100 メートル未満の建築物から選出される「Best Tall Building under 100 meters部門」で6 プロジェクトの1 つとして、またアジア各国の建築物から選出される「Best Tall Building Asia 部門」で9プロジェクトの1 つとして2 部門の受賞を果たしました。

CTBUH 公式サイト:https://ctbuhconference.com/

プラウド神田駿河台について

 プラウド神田駿河台は、「都心の杜の木の家」をコンセプトに、内装材だけでなく柱・壁などの構造部に木質系構造部材を使用した木造ハイブリッド高層分譲マンション(14階建て、総戸数36戸)として2021年に竣工しました。

表面を耐火被覆材などで覆うことなく木肌を現して使用し、木構造を住宅のインテリアとして視覚化、併せて共用部エントランスの壁や床・住戸内の天井の一部に無垢の杉材を使用しています。

新たな領域での国産木構造部材の利用は、建築業界の常識を変え、豊かな自然環境へとつながり、住む人の意識改革を促すことからも、循環型社会の実現に貢献する点等が評価され、2021年度には「グッドデザイン・ベスト100」を受賞しています。

プラウド神田駿河台のポイント

1.木造ハイブリット構造による設計(設計・施工:株式会社 竹中工務店)

・中層階:単板積層材(LVL※2)と鉄筋コンクリート造耐震壁を組み合わせた「LVLハイブリッド耐震壁」

・高層階:直交集成板(CLT※3)を用いた「CLT耐震壁」および耐火集成材「燃エンウッド®※4」を使用

2.構造部材に使用した木材は全て国産材(鹿児県産スギ、山梨県産アカマツ等)

3.共用部エントランスの壁や床・住戸内の天井の一部に無垢の杉材を使用

※2 Laminated Veneer Lumberの略。原木をかつら剥きの要領で切削して

厚さ2~4mmの単板にし、繊維方向を平行にして積層・接着して作られる木質パネル

※3 Cross Lamitnated Timberの略。1995年頃からオーストリアを中心として発展してきた

新しい構造材で、板の層を各層で互いに直交するように積層接着した木質パネル

※4 竹中工務店が開発した集成材と石こう系SL材を組み合わせた耐火集成材

国産木材活用の背景

 日本の住宅建築においては、昭和 39 年に⽊材輸入の自由化が行われて以降、建築⽤の製材の半数を海外からの輸入材に依存しており、国内に豊富な資源があるにも関わらず、その供給先が定まらない⽊材が適齢期を迎えても伐採されず、未利⽤となっている状況です。

 また、環境面での課題として、日本の森林面積のうち、約 4 割を占める人工林面積は、成熟した⽊を間伐し、若い苗⽊を植えることで森の新陳代謝を促す森林サイクルが、林業の衰退等により適切に行われず、環境維持ができずに森林の荒廃が進んでいます。

森林は、CO₂の吸収・固定、生物多様性保全、土砂災害の防止等極めて多くの多面的機能を有しているとされ、脱炭素社会の実現に向けて大きな役割を担っています。

 このような日本特有の課題がある中、野村不動産グループは2030年までのマテリアリティ(重点課題)として環境面では「脱炭素」「生物多様性」「サーキュラーデザイン」を掲げており、住宅、オフィス等の建物開発時に国産木材をはじめとした木造・木質化を積極的に推進しています。

 さらに2022年10月には、野村不動産グループの主要な事業エリアである首都圏において、国産材の地産地消を目指した取組みとして、東京都内で豊富な森林資源を有する奥多摩町に「つなぐ森」を保有するプロジェクトを開始し、当社グループの開発事業において活用していく予定です。

ご参考:野村不動産グループ 木造・木質化への取組み

■プラウドをはじめとした集合住宅に国産木材を活用

URL: https://www.nomura-re-hd.co.jp/sustainability/pdf/n2021033001763.pdf

■中高層オフィスビル主要構造部に「木造ハイブリッド構造」採用

URL:https://www.nomura-re.co.jp/cfiles/news/n2021030501808.pdf

■「森を、つなぐ」東京プロジェクト始動(東京都・奥多摩町の森林における、生物多様性・脱炭素への取組み)

URL:https://www.nomura-re-hd.co.jp/cfiles/news/n2022112802132.pdf

野村不動産グループのマテリアリティとSDGsについて

※野村不動産グループの重点目標(マテリアリティ)を国連のSDGs(持続可能な開発目標)に当てはめて整理しております。

  サステナビリティの取組み詳細は以下をご確認ください。

  URL:https://www.nomura-re-hd.co.jp/sustainability/