墨出しロボットとは|特長と今後への期待

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著者:碧海

トレンドワード:墨出しロボット

墨出しロボット」についてピックアップします。建設業界においては、現場の声から、ゼネコン自ら墨出しロボットを開発した事例もあります。本記事では、墨出しロボットの基礎知識と、建設業界にもたらす影響についてご紹介します。

墨出しロボットとは

参考画像:日立チャネルソリューションズ株式会社
自動墨出しロボットシステム「SumiROBO」※1

墨出しロボットは、建設現場において建物の基準となる墨付け作業を自動化するためのロボットシステムです。従来の手作業で行われていた墨付け作業を、精度の高い自動化によって効率的に実行することが可能となります。

墨付け作業は建物の基準となるラインや位置を決定する重要な作業であり、正確な墨付けが行われないと建物の品質に問題が生じる可能性があります。

墨出しロボット[SumiROBO]の特長 ※2

1. タブレットによる簡単操作

ロボットを動かすために、専門的知識や難しい操作は必要ありません。タブレットの案内に沿って操作するだけで、墨出しの経験が無い方でもロボット墨出しが行えます。

日々変化する現場の状況に対応し、タブレットによる直感的な操作によるロボットへの指示がその場で簡単に行えます。例えば、作業・走行範囲も、タップ操作でエリアを囲うだけ指定できます。

タブレットを操作する作業員

2. 高い精度の墨出し

数式

土木建築の現場で使用される自動追尾型測量機との連携により、屋内での測位もロボットで高精度に位置決めして墨出しできます。測量機、ロボット含めた印字精度は数ミリオーダです。

3. 自動で連続墨出し

現場で基準計測などの事前設定を行い、スタートすれば自動墨出し。墨出し順序もロボットにお任せ。最大5時間の自動運転ができ、バッテリ交換でさらに長時間の墨出しも可能です。

また、測量機の制御は[SumiROBO]自体が行いますので、難しい操作は必要ありません。

作業員とデジタルのイメージ

4. 安全面への配慮

ヘルメットを抱えている作業員

各種安全センサで、人・障害物・開口部などを検知し、自動回避や走行停止などをロボットの判断で実施します。また、ロボット走行中やバックの際はメロディや注意メッセージを流し、周囲の方への存在を知らせます。

ロボットの前後にはバンパセンサを備え、接触した際には緊急停止します。これらの機能により、現場で安全にご利用いただけます。

※1:日立チャネルソリューションズ株式会社プレスリリースhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000067708.html

※2:https://service.hitachi-ch.co.jp/construction/sumirobo

墨出しロボットがもたらす好影響

品質の向上

高い精度で墨付け作業が行われるため、建物の基準が正確に決定され、建物の品質が向上します。

生産性の向上

高速化により建設プロジェクトの進捗が向上し、スケジュールの短縮が可能となります。

安全性の向上

危険な作業をロボットによって行うことで、作業員の安全性が向上します。

人材の活用

繰り返し作業をロボットが行うことで、作業員はより高度なタスクに集中することができます。

データ管理の活用

墨出しロボットが記録したデータを活用して、建設プロジェクトの効率化や品質管理を行うことができます。

まとめ | 墨出しロボットの可能性と発展

墨出しロボットは、先にご紹介したような特徴と影響によって、建設業界において重要な役割を果たし、非常に有益な技術であることがご理解いただけたかと思います。今後は建設業界のみならず、他の産業においても需要と活用が見込まれています。