搭乗型ロボットとは|最新事例や建築業での活用例
目次
トレンドワード:搭乗型ロボット
「搭乗型ロボット」についてピックアップします。人間が実際に搭乗して操縦することには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。本記事では、建設業での搭乗型ロボットの具体的な事例についてもご紹介していきます。
搭乗型ロボットとは
搭乗型ロボットとは、コックピットに人間が乗り込んで操作する大型ロボットのことを指します。まるで「機動戦士ガンダム」のようなアニメやゲームを連想させるデザインで、建設業でも開発が進められています。
搭乗型ロボットのメリット
搭乗型ロボットのメリットは、下記が挙げられます。
- 従来のロボットより感覚的に操作できる
- 人間が操作することでAIにできない判断が可能になる
- イレギュラーな衝撃にも対応できる
搭乗型ロボットは人間のような四肢を持つため、操作者が感覚的に操作することが可能になります。またAIはイレギュラーな事象に対応できない場合もありますが、人間が搭乗していることで未知環境での作業も容易になるでしょう。
搭乗型ロボットの課題・デメリット
一方で搭乗型ロボットには、下記のデメリットがあります。
- コストが高額
- 適用範囲が制限される
- 人的要素の制約
搭乗型ロボットは、初期費用が高額になりやすいです。また導入後も、定期的なメンテナンスや技術開発のために多額の費用が必要となります。
また作業時には、全ての建設作業に対して適用できるわけではありません。狭いスペースや複雑な形状を持つ施設内部へのアクセスが制限される場合や、特殊な作業技能や判断力が必要な場合には、利用が難しい場合があります。
さらに実際に人間が乗り込んで操作するため、作業者の適性や体力に依存してしまうのもデメリットでしょう。長時間の操作に耐える必要があり、作業効率や作業時間に影響を与えることがあります。
建設業界では「遠隔臨場」など、現場に行かずに業務を進める方向での開発が注目されています。そのため人間が搭乗しなければならないロボットだと、危険性や不便さがデメリットになる可能性があると言えるでしょう。
遠隔臨場に関して詳しくは、下記記事をご覧ください。
搭乗型ロボットの事例|建設業
ここでは、実際に建設業で開発が進められている搭乗型ロボットや人型ロボットの事例をご紹介します。
①アーカックス
ツバメインダストリは、搭乗型ロボット「アーカックス」を開発しています。ロボットのスペックは、下記の通りです。
- 全高 4.5m
- 重量 3.5t
- 双腕 + 4脚輪
- バッテリ駆動
- モード変形
- 関節自由度 26
アーカックスにはロボット全体の姿勢が変わる2種類のモードがあり、モードに応じて操作できる箇所も変わります。「ロボットモード」では全ての可動部が操作可能となり、「ビークルモード」では腕を折りたたみ移動に特化しているという違いがあります。移動速度は「ロボットモード」では2㎞/hで、「ビークルモード」では10km/hです。
またアーカックスが完成間近となったことにより、2023年6月1日(木)~2023年10月15日(日)の期間でスポンサーを募集しています。
- プラチナスポンサー 協賛金・・・3,000万円(最大 1社)
- ゴールドスポンサー 協賛金・・・1,000万円(最大 4社)
- シルバースポンサー 協賛金・・・ 300万円(最大10社)
プラチナ、ゴールド、シルバーそれぞれでスポンサー特典が異なります。ツバメインダストリでは、今後アーカックスの量産化も予定しています。
②人機一体
「人機一体」は、立命館大学発のベンチャー企業です。先端ロボット工学技術に基づく新規事業開発支援のための知的財産活用サービスを提供することにより、人の危険作業や重労働の機械化を行ないます。
人機一体の独自技術を導入したロボットは、操作者が自在にロボットを操り、ロボットの感覚を得ながら操作できるのが特徴です。サイバーフィジカルインタフェースとして、人・ロボット・環境間の柔らかな力学的相互作用を実現できます。
2022年には竹中工務店と資本提携を行っており、大型土木工事の建設ノウハウと人機一体社のロボット開発力を掛け合わせて技術開発を進めています。
③アトラス
「アトラス(Atlas)」は、汎用性人型ロボットです。搭乗型ではありませんが、人間のように軽やかな動きで現場作業をサポートします。
二足歩行を操り、二足歩行で雪の上を歩いたり、ジャンプをしたり、バク宙したり、ブロック3段跳びをしたりすることも可能です。建築や物流、警備などの業界から注目され、実用化が期待されています。
アトラスは人が入れないような場所での作業や危険な工事でも活躍するので、業務効率化や安全性の向上に役立つと期待されています。
まとめ|搭乗型ロボットは実現するか
搭乗型ロボットは、まるでSFの世界のようなデザインで注目されています。中でも搭乗型ロボット「アーカックス」は今夏完成を控えており、これからの動きに目が離せません。