建設用3DプリンタでDX|国土交通省PRISMにて排水土木構造物製造を実証

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建設用3Dプリンタを開発する株式会社Polyuse (本社 : 東京都港区、代表 : 岩本 卓也 / 大岡 航 以下Polyuse)は、株式会社加藤組(本社 : 広島県三次市、代表 : 加藤 修司 以下加藤組)と、国土交通省主導のPRISM(注1)にて、生産性向上の一手として建設用3Dプリンタによる施工DXを中国地方にて初めて共同実証を行いました。

背景と目的

加藤組は、「街づくりのミライを動かす企業をめざして」をコンセプトに現在まで多くの先進的な建設DXを進めていました。これまでi-Construction大賞_国土交通大臣賞を始めに、中国i-Construction表彰や中国ICTサポートトップランナー企業等の豊富な実績も持ち、業界最先端をいく建設会社の一社になります。


創業以来80年以上にわたり積極的な挑戦を現在においてまで続けている加藤組に強く共感をし、Polyuse製建設用3Dプリンタを活用した、施工領域における建設DXを共に進めていくべく、今回協力体制構築に至りました。

また、今回のPRISMでは、さらなる建設用3Dプリンタの国内普及の可能性を目指すべく、国土交通省中国地方整備局 広島国道事務所(注2)・広島大学も参画した産官学が国内初連携した取り組みになります。
今後は、開発・検証のさらなるスピードアップ、かつ豊富な実証及びデータ蓄積を日々進め、より地に足をつけた建設DXを進めて参ります。

建設用3Dプリンタを開発するPolyuseは建設DXを推進するベンチャー企業として、 「人とテクノロジーの共存施工」のもと、 建設業界の日常となる技術開発を進め、 安全かつ生産性を高め、より効率的な施工環境の構築に寄与できるよう、国内初の取り組みや研究開発を進めております。
 

PRISM実証概要

本実証では、建設現場における生産性向上を目的に加藤組の施工管理のもと、実際の施工現場にて建設用3Dプリンタ(注3)を活用し、排水土木構造物の現場製造を行いました。
そして、製造した構造物に対しては、広島大学の半井教授主導のもと、造形した構造物の硬化環境(外気温)による初期硬化の変化、3Dプリンタによる造形物の経年劣化の推定検査、強度発現の変化に関する検査などの実施を行いました。今後国内における建設用3Dプリンタ施工での必要データの蓄積、及び公表を進めて参ります。

  • 実施期間 : 2021年12月13日〜12月17日
  • 実施場所 : 令和2年度安芸バイパス寺分地区第4改良工事 (施工者:(株)加藤組) 工事現場
<加藤組による現地印刷風景>



<PRISM中には、多くの関係各社様や報道関係者様がいらっしゃいました(注4)>



<加藤組・広島大学・Polyuseでの集合写真>​



<広島大学では造形した構造物に対しての各検証を実施>


加藤組 加藤修司代表コメント

かつて日本の建設業は高い労働意欲と知恵、そして屈強な体をもったスーパーマンのような職人たちが施工をリードし今日までのインフラを作り上げてきました。しかし頼れるその漢たちは時代とともに年老い、建設業というフィールドから去って行きつつあります。これから我々は叡智を結集し、新たな施工システムを構築していかなければいけない時代を迎えています。そのためには、既存の建設業とは関わりがなかった、新たな感性をもったクリエイティブ集団との協業は欠かせないものだと感じていました。そして建設用3Dプリンタの可能性を模索したことが、クリエイティブ集団Polyuseさんとの出会いでした。Polyuseさんはあえて海外では主流のロボットアームを採用していません。複雑な構造で高価なものより、故障に強い単純な構造で安価なものこそ日本の中小建設企業のニーズにあっていることを理解しているからだと思います。ただし、一見素人でも作れそうな単純さの中に、考え抜かれた叡智がつまっています。そして見るたびに改良され、“進化”を続けています。マテリアルであるコンクリートモルタルにも従来とは違う方向からいろいろな改良をすすめています。今回のPRISMでは完成したコンクリート製品の品質や強度の試験を行う広島大学さんの協力を得ることでさらに高性能で安価なコンクリートモルタルの開発に“進化”していくかもしれません。
私はこのPRISMのような産官学の取組みにより、広島の地から、建設業の未来に寄与していきたいと思っています。そして我々加藤組が標榜する“進化するケンセツ”のパートナーとしてPolyuseさんの今後ますますの“進化”に期待しています。

広島大学大学院先進理工系科学研究科 半井教授コメント

建設用3Dプリンタは建設業,特にコンクリート工の姿を劇的に変革させる可能性を秘めた,革新的な技術だと期待しています.現在のコンクリートは,型枠を組んで打込むという作業工程を前提としていますが,型枠が不要になればあらゆる形が自由に造形できます.廃棄物も減りますし,熟練技術者の不足問題も解決できます.コンクリートの品質に関しても,現在は硬化後に型枠を外さなければ表面の状態が確認できませんが,3Dプリントでは施工中に表面状態を直接に確認でき,もしも問題があれば硬化前に補修することもできます.また,施工手順も自由度が飛躍的に増大しますので,付属物は印刷中に埋め込むなど,新しい条件のもとで施工の最適化が進んでいくものと考えます.
PRISMにてコンクリートの3Dプリントを担当されたPolyuseの皆さんは,建設分野以外を専門とした若い方が多いためか発想が柔軟であり,自由度の高い印刷技術の新しい可能性の提案に期待しています.その裏付けとなる技術力についても,短期間に完成度の高いプリンタを実用化されたことからも十分であり,新しい時代を切り拓く先導者となることが大いに期待されます.私が教員として在籍する大学としても,次世代の建設分野を担う学生たちに,革新的技術の展望を伝えることの重要性を強く感じました.多くの学生は建設用3Dプリンタの開発がここまで進んでいることを知りませんでした.一方で,施工方法は建設用3Dプリンタによって劇的に変化するものの,使用している素材がセメント系材料である限りは従来のコンクリート工学分野の知見が活用できることも多いと考えます.産官との共同研究などの連携により,技術の確立や普及に向けて貢献していきたいと思います.

(注1)
現在、国土交通省を中心とした建設業界では、全ての建設生産プロセスでICT等を活用するi-Constructionを推進し、建設現場の生産性を2025年度までに2割向上させることを目指しています。その一環であるPRISMは、建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクトになります。
(注2)
広島国道事務所より本件についてのお知らせ
https://www.cgr.mlit.go.jp/hirokoku/p_release/pdf/2021press/211210press.pdf
(注3)
Polyuseとしては各使用シーンに合わせて、様々なサイズや機構の3Dプリンタを開発しており、今回使用しました建設用3Dプリンタは、印刷サイズが約1m程度まで造形可能で機体の可搬性が高い小型サイズの3Dプリンタになります。
(注4)
NHK:建設での3Dプリンター利用 大学生が現場で見学
https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20211217/4000015521.html
TSS:建設現場で「3Dプリンター」活用 国の工事で初の実証実験 広島
https://www.tss-tv.co.jp/tssnews/000012628.html
広島ホームテレビ:3Dプリンターで建築部材作成の実証実験 広島
https://www.home-tv.co.jp/news/content/?news_id=20211217131554

事業急拡大に伴い、仲間募集中! 

Polyuseでは現在、エンジニアチームを中心に絶賛仲間を募集しています。

チームは、修士・博士出身者が多く、それぞれが自身の専門領域や責任感、建設業界をより良くする為のモノづくりを重要視する目線を持ち、常に現場を意識しつつ課題を楽しみ、技術を磨く、最高のチームであることを大切にしています。
Polyuseの開発現場では、多くのパートナー企業様・大学及び研究機関様等と共同での事業展開を進めつつ、最先端の研究開発分野をエンジニア自らも足を運び、社会実装していきます。

是非、建設業界の課題解決への強い関心と興味、そして各領域での実力・実績を兼ね備えた方と、より業界をアップデート出来るチームを作っていきたいと考えております。テクノロジーによる技術開発を通して、建設業界を変革する。というチャレンジにワクワクする方がいらっしゃれば、下記コーポレートサイトよりお問い合わせ頂ければ幸いです。
https://polyuse.xyz/recruit/

株式会社Polyuseについて

会社名   : 株式会社Polyuse(ポリウス)
所在地   : 東京都港区2-2-15 2F(開発拠点は神奈川県鎌倉市)
代表取締役 : 岩本卓也 / 大岡航
事業内容  : 建設用3Dプリンタを中心とした建設業界特化型のハードウェア、ソフトウェア、サービスの企画設計、製造、販売
設立    : 2019年6月
URL    :  https://polyuse.xyz/ 

本件に関する報道関係者様からのお問合せ先

株式会社Polyuse 広報部
メール : info@polyuse.xyz