ハウスメーカー売上高・着工数ランキング2024年最新版｜企業概要やⅮXへの取り組みを解説

住宅業界の状況を知りたい場合、各ハウスメーカーの売上高はある程度の指標になります。とくに、全国展開を行っている企業であれば、売上高によって注力している事業の今後の展開をある程度予想できます。

そこで、本記事では、2024年におけるハウスメーカーの売上高・着工数ランキングを作成しました。ランキングに基づきそれぞれの企業をみていきましょう。

ハウスメーカーについて

ハウスメーカーは、「住宅を作る事業者」の総称です。海外では「ハウスビルダー」という呼称で呼ばれます。明確な定義はなく、事業者として施工する住宅の種類がプレハブや分譲住宅、注文住宅であっても「ハウスメーカー」と呼ばれます。

ハウスメーカーは、プレハブ住宅を建てる会社からスタートしています。戦後の住宅は短期で安定的な供給が優先されていました。しかし、時代の流れに合わせて、住宅を商品化する流れとなり、現在のように「顧客が住宅を選択する」という形式に変化しました。

また、住宅を商品として扱っており、他社と差別化するため、日々独自の技術や商品開発を行っている点が特徴といえます。

似たような言葉との違いは次のようになります。

• ビルダー.地域に特化した住宅供給会社。自社で商品を扱うケースも多い
• 工務店.地域密着型の集団のこと。伝統的な家づくりをメインに行う

※本記事ではハウスメーカーに、呼び方を統一しています。

ハウスメーカー売上高ランキング

売上高ランキングのシェア率をみると、大和ハウス工業とセキスイハウスのみで5割以上のシェア率となっています。また、上位5社までで約10兆円以上の売上となっており、事業規模の違いもあるものの、逆転が厳しいように判断できます。

日本の住宅市場規模は、14兆9,000億円以上であることを念頭におき、今後も増収増益となっていくかどうかに注目しましょう。

大和ハウス工業

大和ハウス工業は、1956年創業のハウスメーカーです。一戸建て、賃貸、建築事業、マンション事業を展開しています。また、ZEHに対応した賃貸住宅の発売などによって、2050年のカーボンニュートラルの実現に貢献しています。

大和ハウスにおけるDXの取り組みに関してはこちらから

積水ハウス

積水ハウスは、戸建てや建売住宅、分譲・賃貸マンションまで手掛けるハウスメーカーです。また、各事業の売上バランスが取れている点も1つの特徴といえます。

10年前からZEHや太陽光発電など、環境を意識した住宅作りを続けており、現在では新築戸建てのZEHの比率は93％となっています。

住友林業

住友林業は、住宅メーカーの中でも次のように木造住宅に特化した家づくりに注力しています。

• 自社で山林を保有しており、日々木材を使用した技術・商品開発を行っている
• 木材を使用した建材の製造や加工も担っており、海外にも建材を出荷している

注文住宅の設計時には、建具も含めて依頼できる点も顧客から評価されています。

飯田グループホールディングス

飯田グループホールディングスは、分譲・建売に特化してるハウスメーカーです。大量生産によるコスト低減や規格を統一することで、年間4万棟の分譲住宅を建設しています。

旭化成ホームズ（ヘーベルハウス）

旭化成ホームズは、旭化成グループの1社でマテリアル・ヘルスケア・住宅の3領域で事業を展開しています。また、鉄骨造における顧客満足度が高く、研究所を2つ持っている点も特徴です。

また、業界初の二世帯住宅の提案、工業化3階建ての住宅を行った実績もあります。

オープンハウス

オープンハウスは、関東や九州圏を主体に展開するハウスメーカーです。不動産業に強みがあり、土地の仕入れから住宅の建築まで一貫体制で施工が可能な点も特徴といえるでしょう。

また、顧客のニーズに合わせた住宅提供力があり、他社物件も扱う点は企業としての強みの1つです。

セキスイハイム

セキスイハイムは、全国各地に拠点を展開する積水科学工業グループのハウスメーカーです。ユニット住宅を扱っており、工場で部材を作成するため、コストカット・省人化に繋げています。

また、ハウスメーカーの中でもZEH住宅の建設に注力しており、社会貢献も意識した企業活動を行っています。

一条工務店

一条工務店は「住宅性能」について、こだわりを持つハウスメーカーです。たとえば、耐震の実大実験では自社だけでなく、産学協同で実施している点は特徴の1つだといえるでしょう。

また、木造建築を主体としており、モデルハウスとの差が生じにくい点も顧客からの評価につながっています。

ミサワホーム

ミサワホームは1967年創業のハウスメーカーです。戸建て・賃貸住宅・まちづくりなど幅広く事業を展開しています。

住宅作りに関しては、木質パネルを用いたモノコック工法が代表的な工法です。木造建築であるものの、大空間を確保したうえで耐震性や耐風性を維持しています。

タマホーム

タマホームは1998年に創業したハウスメーカーです。木による住宅作りにこだわっており、1棟あたり74％は国産材を使用しています。

また、建材の製造では流通網も構築しているため、徹底的なコストカットも実施しています。

パナソニックホームズ

パナソニックホームズは、1963年に創業したパナソニックグループのハウスメーカーです。パナソニック製品との連携を加味した空調設備システムの開発やニュージーランドの住宅不足解消プロジェクトへの参画など、幅広い事業を展開しています。

三井ホーム

三井ホームは、「憧れを、かたちに。」をブランドメッセージにしているハウスメーカーです。住宅の他にリフォーム・医療機関建設なども行っています。

とくに、ツーバイフォー工法のリーディングカンパニーとして、木を用いた建築物の施工が評価されています。

※有価証券報告書、公式ホームページ参照

アイ工務店

アイ工務店は2010年に設立したハウスメーカーです。全国に200カ所の拠点があり、ハウスメーカーの中でも売上成長率の高さに注目されています。

また、住宅の性能についても自社で製品の開発を行っており、断熱性・耐久性・耐震性といった顧客の住みやすさを追及している点も特徴です。

トヨタホーム

トヨタホームはトヨタグループのハウスメーカーです。ビルにも使用される鉄骨ラーメン構造を住宅に適用しているため、耐震性に優れています。建材も徹底して、工場で作成しているため、品質のバラツキが少ない環境を整えています。

スウェーデンハウス

スウェーデンは1984年に創業した輸入住宅に特化したハウスメーカーです。コンセプトとして、「100年住み継いでいく家。高気密・高断熱。家族を守る強い家づくり」を掲げています。

3層ガラス窓や高断熱・高気密など環境にも配慮して家づくりを徹底しています。

サンヨーホームズ

サンヨーホームズは、2002年に創業したハウスメーカーです。戸建・リフォーム・不動産ソリューション事業など、多数の事業を手掛けています。

長期優良認定住宅も取得しており、家の性能としての評価も高いといえます。

ハウスメーカー着工棟数ランキング

分譲住宅も含めると、飯田グループホールディングスが他のハウスメーカーの数倍の着工数となっています。一条工務店からタマホームまでのハウスメーカーの着工数は約4,000ほどであることから、今後の事業展開によっては追いつく可能性もあるでしょう。

まとめ

ここまで、全16社のハウスメーカーの売上高や経常利益をみてきました。住宅メーカーの市場規模は大きく、地域密着型の企業が大手企業でカバーできない範囲の施工を担っている状況にあります。

また、ハウスメーカーごとに得意分野や特殊な工法があります。企業体としての規模もふまえたうえで、今後の動向に注目しましょう。