国土交通省、2月の建築着工床面積743万㎡、倉庫・店舗減で前年同月比8.0%全体減少

国土交通省が発表した令和8年2月分の建築着工統計によると、全建築物の着工床面積は743万平方メートルとなり、前年同月と比べて8.0%の減少となりました。先月(令和8年1月)は増加に転じていましたが、今月は再び減少に戻る形となっています。

目次
公共・民間ともに明暗が分かれた2月
建築主別に見ると、状況は大きく二分されます。
・公共の建築主:29万平方メートル(前年同月比4.7%増)。5か月ぶりの増加となりました。
・民間の建築主:715万平方メートル(同8.4%減)。先月の増加から一転、再び減少に転じました。
全体の落ち込みは、民間部門の減少が大きく影響した結果です。
民間の居住用・非居住用ともに減少
民間建築主の内訳を用途別に確認すると、居住用・非居住用のどちらも前年同月を下回りました。
・居住用:457万平方メートル(前年同月比6.1%減)。これで11か月連続の減少となります。
・非居住用:258万平方メートル(同12.3%減)。先月の増加から再び減少に転じました。
居住用については、11か月という長期にわたる連続減少が続いており、住宅需要の低迷が数字にあらわれています。
非居住用の用途別 増加した分野・減少した分野
民間非居住用の着工床面積を用途別に分けると、増加した分野と減少した分野がはっきりと分かれています。
■増加した主な用途
・製造業用:63万平方メートル(前年同月比28.4%増)
・情報通信業用:7万平方メートル(同80.5%増)
・卸売業・小売業用:28万平方メートル(同30.0%増)
・金融業・保険業用:5万平方メートル(同460.5%増)
・不動産業用:9万平方メートル(同117.0%増)
■減少した主な用途
・鉱業・採石業・砂利採取業・建設業用:3万平方メートル(同28.9%減)
・宿泊業・飲食サービス業用:12万平方メートル(同24.2%減)
・医療・福祉用:20万平方メートル(同11.0%減)
・その他のサービス業用:14万平方メートル(同12.2%減)
金融・保険業用や情報通信業用が大幅な伸びを見せる一方、飲食・宿泊や医療・福祉といった生活密着型の分野では着工が伸び悩んでいます。
使途別に見ると 倉庫の大幅減が全体に影響
民間非居住用を使途(建物の具体的な使い方)別に整理すると、特定の用途の落ち込みが全体の統計を引き下げていることがわかります。
・事務所:37万平方メートル(前年同月比30.1%増、4か月連続の増加)
・店舗:20万平方メートル(同7.3%減、3か月連続の減少)
・工場:54万平方メートル(同24.2%増、先月の減少から再び増加)
・倉庫:79万平方メートル(同43.2%減、先月の増加から再び減少)
事務所と工場は増加に転じたものの、倉庫が前年同月比で43.2%という大幅な落ち込みを記録しました。また、店舗も3か月連続で減少が続いています。この倉庫・店舗の減少が、民間非居住用全体の数字を大きく押し下げる要因となりました。
新設住宅は57,630戸 持家・貸家・分譲それぞれの動向
着工新設住宅の戸数は全体で57,630戸(前年同月比4.9%減)となっています。利用関係別に見ると、以下のとおりです。
・持家:15,501戸(同4.7%減)
・貸家:25,042戸(同2.7%減)
・給与住宅:474戸(33.9%増)
・分譲住宅:16,613戸(同8.8%減)
分譲住宅の減少幅が目立っており、なかでも分譲マンションや一戸建ての着工数が前年を大きく下回っています。
令和8年2月の建築着工統計は、事務所や工場など一部の業種で回復の動きが見られたものの、倉庫や店舗の大幅な落ち込み、そして居住用の長期低迷という課題が引き続き残る内容となりました。今後の推移が注目されます。
出典情報
国土交通省リリース,建築着工統計調査報告(令和 8 年 2 月分)について,https://www.mlit.go.jp/report/press/content/kencha802.pdf