竹中工務店、山の上ホテル東京の保存改修に着手、2027年夏の再開業へ向け準備進む

東京都千代田区・神田駿河台で長く親しまれてきた「山の上ホテル」が、2027年夏に「山の上ホテル 東京(英名:HILLTOP HOTEL TOKYO)」として開業する予定です。
竹中工務店とPlan・Do・Seeは、2026年3月26日、歴史的建築物としての価値を守りながら、ホテルとして再生する取り組みを進めていると発表しました。
旧山の上ホテルは、多くの文化人や著名人に愛されてきた存在です。落ち着いた雰囲気と品格ある空間で知られ、神田駿河台の街を象徴する建物のひとつとして親しまれてきました。今回の再始動では、建物の魅力を残しつつ、時代に合ったホテルとして新たな役割を担います。
歴史を守りながら、ホテルとして再生
竹中工務店は、2026年3月2日に所有者である学校法人明治大学と定期建物賃貸借契約を結び、保存継承事業を本格的に開始しました。翌3日には改修工事にも着手しています。
今回の事業では、建物を残すだけでなく、その場所に積み重ねられてきた記憶や文化も大切にしながら、ホテルとしての魅力を次の時代につないでいく方針です。
Plan・Do・Seeは、歴史的建築物を生かしたホテル運営に実績がある企業です。京都の「丸福樓」や東京・青山の「THE AOYAMA GRAND HOTEL」など、建築や土地の個性を生かした施設づくりで知られています。
今回は、竹中工務店の保存・改修の技術と、Plan・Do・Seeの運営ノウハウを組み合わせることで、山の上ホテルの価値を引き継ぎながら、新しい滞在体験をつくっていく考えです。
「山の上ホテル」の名前も継承
新しいホテル名には、旧ホテルの名前を冠した「山の上ホテル 東京」が採用されます。
これは、株式会社山の上ホテルとの協議を重ねたうえで決まったものです。
竹中工務店は2026年3月5日、商標使用に関する契約を株式会社山の上ホテルと締結。Plan・Do・Seeとも協議し、「山の上ホテル 東京」という名称に決定しました。
この名前には、これまでこの場所に積み重なってきた時間を大切にしながら、ホテルとしての歩みを続けていきたいという思いが込められています。
また、旧ホテルの名物として知られた「てんぷら山の上」の本店も、テナントとして再び入る予定です。
建物だけでなく、長年親しまれてきたホテル文化そのものも受け継がれる形になります。
文学と学術の街にふさわしい存在へ
山の上ホテルは1937年に竣工した建物で、元設計はウィリアム・メレル・ヴォーリズです。
神田駿河台の高台という立地も特徴で、周辺には神保町をはじめ、本や学び、文化の香りが残る街が広がっています。
川端康成、三島由紀夫、池波正太郎など、多くの文化人に愛されてきたことでも知られています。
そのため、単なる宿泊施設ではなく、街の文化や記憶と深く結びついた存在として、多くの人に愛されてきました。
両社は、こうした背景を踏まえ、地域とのつながりも大切にしたホテルを目指しています。
宿泊客だけでなく、地域の人にも親しまれ、国内外から訪れる人の想像力を刺激する場所にしたい考えです。
施設概要と今後の予定
現時点で公表されている主な概要は以下の通りです。
ホテル名:山の上ホテル 東京
所在地:東京都千代田区神田駿河台1-1
建物名称:明治大学創立150周年記念山の上記念館
竣工:1937年
延床面積:4,586平方メートル
客室数:24室(予定)
付帯施設:バンケット、レストラン、バー、ジャズバー(予定)
宿泊予約の受付は、2026年秋ごろに始まる予定です。
ホテルの詳細なサービス内容や各施設の情報については、今後順次発表される見込みです。
長い歴史を持つ山の上ホテルは、建物の保存にとどまらず、その場所ならではの空気や文化を残しながら、再び人を迎える準備を進めています。
神田駿河台の風景に溶け込み続けてきたこのホテルが、どのような形で新たな時代を迎えるのか、今後の発表にも注目が集まりそうです。
出典情報
株式会社竹中工務店リリース,歴史と文化が息づく「山の上ホテル」が新たな歩みへ 竹中工務店とPlan・Do・Seeが協働、「山の上ホテル 東京」2027年夏開業,https://www.takenaka.co.jp/news/2026/03/07/