点群処理ソフトを使った配筋全体のモデル化機能を活用した配筋検査手法を導入_鉄建建設|深堀り取材【毎月3回更新】

鉄建建設では、鉄筋コンクリート構造物の配筋検査の効率化を目的に、アイセイ(荒川区: 岩佐宏一社長)の点群処理ソフト「NuBas」を使った配筋全体のモデル化機能を活用した新たな配筋検査手法を導入した。
当該開発は、東京大学大学院工学系研究科「i-Constructionシステム学」寄付講座との共同研究で行っている。

目次
3次元スキャナーによる点群データから鉄筋径を抽出+配筋状況に即した3次元モデル作成
当該手法では、工事における全体の配筋状況を把握するため3次元スキャナーによる計測(外業)を行った後、「NuBas」でのデータ処理(内業)を行う。取得したデータを取り込んだ後、点群データから基準となる鉄筋を選択することによって鉄筋径を抽出し、実際の配筋状況に即した3次元モデルを作成する。
この手法によって鉄筋径、本数、間隔(ピッチ)、重ね継手長、かぶり厚さといった項目の検査が可能となる。
鉄筋径及び間隔については、モデル作成時に入力した設計値・規格値を参照し、規格値から外れたものは着色表示する。かぶり厚さについては、設計面との差をカラーマップで可視化する。これによって配筋全体の出来形を視覚的かつ直感的に把握することが可能となる。





各種鉄筋情報を自動で計測・数値化する機能を組み合わせることで配筋検査業務を効率化
従来まで構造物施工における配筋検査は、複数名の社員による計測、写真撮影、帳票作成などが必要となり、時間と労力を要する業務であった。近年は各種デバイスやツールなどを活用した効率化が進んではいるものの、構造物の万全な品質管理という観点から検査ロット数が増加しがちであり、準備作業や運用面での負担が課題となっていた。
鉄建建設では、「NuBas」の基本性能である点群データから平面モデルを生成する機能及び配筋形状から円柱や立方体などの3次元モデルを生成する機能に着目した。そこでこれらの機能を活用し、鉄筋径に応じた鉄筋のモデル化機能と鉄筋の配置や本数などの情報を自動で計測・数値化する機能を組み合わせることで配筋検査業務の効率化を図っている。
合わせて従来の抜取検査による配筋検査では、配筋全体の施工状況を記録として残すことが困難であったが、今回の手法の導入によって配筋全体を3次元モデルとして施工記録に残すことが可能となった。
点群処理から計測データの数値化まで一貫して行うシステムは今年度中の完成導入を計画
今回の「NuBas」を用いた新たな配筋検査手法の導入によって配筋検査業務に要する人員の削減が可能となった。今後は、配筋状態によって確認が困難となる箇所についても、適切なタイミングでの3次元スキャンを実施することで課題の解消を図っていく。
点群処理から計測データの数値化まで一貫して行うシステムについては、今年度中の完成を見込んでおり、今後は全国の現場への導入を順次進めていく予定となっている。システム内における各種操作の自動化や分業化についても取り組み、業務効率化と品質向上の両立を目指していく。
コンクリート打設作業にAI援用+センサー情報と連携しトラブル防止と品質向上:鉄建建設
鉄建建設では、ベクトル総研(渋谷区: 代表取締役末松孝司)と共同開発した「コンクリート打設管理システム」の現場導入を開始した。
当該システムは、コンクリート打設作業における作業員の動きをAIで分析し、各種センサー情報と連携することによって品質トラブルの防止と品質向上を目指している。

WEB カメラやセンサーで作業状況を記録+クラウド上の管理システムでデータのAI分析実施
当該システムは、熟練監督所員の減少や若年社員の経験不足による品質トラブルを未然に防ぐことを目的に開発された。現場に設置したWEB カメラや各種センサーによって作業状況を記録し、クラウド上の管理システムによって取得データのAI分析を実施する。
分析結果は、グラフや図で可視化され、インターネット環境によってPCやタブレットなどのデバイスを通じてリアルタイムに確認できる。これによって現場に加えて遠隔地からの現場支援が可能となり、コンクリート打設の進行に応じた作業指示の精度向上や品質トラブルの未然防止に繋がる。
更に記録されたデータは、クラウド上に保存されるため、トレーサビリティの確保が可能となり、類似工事のシミュレーションや社員教育への活用も期待される。


