国土交通省、建設労働需給調査を公表、令和8年1月は8職種過不足率0.0%で均衡

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国土交通省は令和8年2月25日、建設技能労働者の需給状況を示す「建設労働需給調査結果(令和8年1月分)」を公表しました。

全国の8職種合計の過不足率は0.0%の「均衡」となりました。前月(令和7年12月)は0.7%の不足だったため、0.7ポイント改善した形です。また、前年同月(令和7年1月)の0.6%の不足と比べても、0.6ポイントの改善となっています。

一方、型わく工・左官・とび工・鉄筋工(土木・建築)の6職種計では0.9%の過剰という結果でした。電工や配管工を含めた8職種全体と、6職種だけを見た場合で異なる傾向が出ており、職種によって需給状況に差があることがわかります。

職種別の主な動向

職種ごとの動向で特に注目されるのは、配管工と鉄筋工(建築)の対前年比の変化です。

・配管工の過不足率は前年の0.9%から2.2%へと大幅に上昇し、不足感が強まっています。

・鉄筋工(建築)は0.3%から△11.0%へと急激に過剰傾向が拡大しており、前年と比べ大きく状況が変化しています。

・電工は1.5%の不足、左官と鉄筋工(建築)は過剰、その他の職種は不足となっています。

地域別の状況――四国と北海道で対照的な動き

8職種合計で地域別に見ると、中部と沖縄が均衡、北海道と中国が過剰、その他の地域では不足という状況です。前年同月と比較すると、地域によって動向が大きく分かれています。

・四国は前年同月と比べて1.1ポイントの増加となり、全国で最も増加幅が大きい地域となりました。

・北海道は3.9ポイントの減少で、全国で最も不足感が縮小した地域です。

東北地域に限ってみると、8職種合計の過不足率は0.4%の不足でした。前月(12月)の1.0%不足から0.6ポイント改善しましたが、前年同月の0.6%過剰と比較すると1.0ポイント悪化しており、年間を通じた推移に注意が必要です。電工(0.5%不足)と配管工(2.6%不足)で引き続き不足が見られ、その他の職種は均衡となっています。

今後の見通しは「普通」 ただし困難感も徐々に増加

翌々月(3月)および翌々々月(4月)の労働者確保に関する見通しについて、全国および東北地域とも、最も多い回答は「普通」となっています。一見、大きな問題はないように見えますが、数字の内訳を細かく見ると懸念すべき点もあります。

3月の見通しでは、「困難」と「やや困難」の合計が27.2%となっており、前年同月の22.3%から4.9ポイント増加しています。一方、「やや容易」と「容易」の合計は5.5%で、前年の8.1%から2.6ポイント下がっています。4月の見通しでも「困難」が19.7%と前年(15.2%)から4.5ポイント上昇しており、今後の労働力確保が次第に難しくなってきている様子がうかがえます。

残業・休日作業の状況

残業や休日作業を強化している現場(強化現場)は、全手持現場の2.7%となっています。前月(2.9%)より0.2ポイント低下したものの、前年同月(2.4%)と比べると0.3ポイント上回っています。強化している主な理由としては、「前工程の工事遅延」(31.7%)が最も多く、「昼間時間帯の制約」(23.3%)、「天候不順」(6.7%)と続いています。

新規募集の状況――前年比で不足率が拡大

新たに技能労働者を募集した際の過不足率(新規募集過不足率)を見ると、6職種計・8職種計ともに前年同月を上回る不足率となっています。特に8職種計では今月4.5%、前年同月2.8%と比べて大きく上回っており、新規人材の確保がより難しくなっていることを示しています。

・配管工の新規募集過不足率は8.2%と高水準で、人材不足が続いています。

・型わく工(建築)は7.0%、左官は4.2%と、こちらも不足傾向が続いています。

・鉄筋工(建築)は1.1%とやや低めの水準にとどまっています。

建設労働市場の動向に引き続き注目

今回の調査結果をまとめると、令和8年1月の全国の建設技能労働者の需給は全体として「均衡」の状態にあります。前月・前年同月と比べて改善傾向にある点は明るい材料ですが、配管工の不足感の強まりや、今後の労働者確保に「困難」と感じる事業者の割合が増えている点には引き続き注意が必要です。

建設業界では2024年から時間外労働の上限規制が適用されており、より効率的な労働力の活用と人材確保が求められています。今後の毎月の調査結果とあわせて、建設労働市場の動向を注意深く見守っていく必要がありそうです。

出典情報

国土交通省リリース,建設労働需給調査結果(令和8年1月分調査)について,https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001983200.pdf