国土交通省、1月の建築着工床面積700万㎡、前年同月比0.3%増で10か月ぶり増加

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国土交通省が発表した令和8年1月分の建築着工統計調査によると、全建築物の着工床面積は700万平方メートルとなり、前年同月比で0.3%の増加となりました。これは10か月ぶりの増加に転じた結果として注目されています。

全体の動向 公共は減少、民間が押し上げ

今回の統計では、建築主別に大きな差が見られました。

・公共の建築主:21万平方メートル(前年同月比35.2%減・4か月連続の減少)

・民間の建築主:679万平方メートル(前年同月比2.0%増・10か月ぶりの増加)

公共部門が大きく落ち込む一方、民間部門の回復が全体の数字を押し上げる形となっています。公共の着工床面積は4か月連続で前年を下回っており、引き続き動向が注目されます。

民間建築主の内訳 居住用は低迷、非居住用が反転

民間建築主の内訳を見ると、用途によって明暗が分かれています。

・居住用:440万平方メートル(前年同月比0.3%減・10か月連続の減少)

・非居住用:239万平方メートル(前年同月比6.5%増・8か月ぶりの増加)

居住用は10か月連続で前年を下回る状況が続いており、住宅需要の慎重な動きが続いていることがわかります。一方、非居住用は8か月ぶりに増加へと転じており、商業・業務系の建築需要に回復の兆しが出てきています。

民間非居住用の主な用途別動向

非居住用の用途別では、業種によって増減がはっきりと分かれました。増加した主な用途は以下のとおりです。

・情報通信業用:7万平方メートル(前年同月比721.1%増)

・医療・福祉用:28万平方メートル(同35.2%増)

・その他のサービス業用:22万平方メートル(同68.9%増)

・鉱業・採石業・砂利採取業・建設業用:6万平方メートル(同22.5%増)

特に情報通信業用は前年の7倍以上という突出した伸び率を記録しており、デジタル関連施設の整備が急速に進んでいることをうかがわせます。

一方、減少した用途も目立ちます。

・卸売業・小売業用:26万平方メートル(前年同月比33.2%減)

・金融業・保険業用:4万平方メートル(同21.6%減)

・不動産業用:4万平方メートル(同24.3%減)

使途別で見ると、倉庫と事務所が増加をけん引

民間非居住用を使途別に分類すると、増加をもたらした要因がより明確になります。

・事務所:32万平方メートル(前年同月比8.5%増・3か月連続の増加)

・倉庫:76万平方メートル(同16.5%増・5か月ぶりの増加)

事務所は3か月続けて増加しており、オフィス需要の底堅さを示しています。また倉庫は、物流需要の拡大を背景に5か月ぶりの増加となりました。

これに対し、店舗と工場は減少しています。

・店舗:21万平方メートル(前年同月比28.9%減・2か月連続の減少)

・工場:39万平方メートル(同1.4%減・先月の増加から再び減少)

店舗については2か月連続での減少となっており、小売業における出店の慎重姿勢が続いているとみられます。

今後の建築着工の動向

令和8年1月の建築着工床面積は、事務所や倉庫を中心とした民間非居住用の回復により、10か月ぶりにプラスへと転じました。ただし、居住用は依然として低迷が続いており、住宅市場の先行きに関しては引き続き注視が必要です。また、情報通信業や医療・福祉用途での着工増加は、社会インフラの整備が着実に進んでいることを示しています。今後の建築動向は、金利や資材コストの推移とあわせて、注目が集まりそうです。

出典情報

国土交通省リリース,建築着工統計調査報告(令和 8 年 1 月分)について,https://www.mlit.go.jp/report/press/content/kencha801.pdf