【完全解説】建築のPBとは?意味・厚み・種類・LGSとの関係をわかりやすく解説

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Category:コラム建築
Tag:建築

著者:上野 海

建築図面や現場でよく目にする「PB」という言葉の意味がわからず、悩んでいる方も多いでしょう。また、新人施工管理や設計担当者の中には、「石膏ボードと同じ?」「GBとの違いは?」と疑問を持つ方もいるはずです。

結論として、PB(プラスターボード)は、壁や天井の下地材としてほぼすべての建物に使われる重要な建材です。

そこでこの記事では、建築実務向けに役割・厚み・種類・LGSとの関係までをわかりやすく解説します。

建築でいうPBとは何の略?

建築で使われる「PB」とは、Plaster Board(プラスターボード)の略称で、一般的には「石膏ボード」を指します。壁や天井の内装下地として使用される板状の建材です。

PBは石膏を芯材とし、その両面を原紙で覆った構造です。そのため、耐火性・遮音性・施工性に優れています。

また、国土交通省の防火構造認定制度でも石膏ボードは広く採用されており、公共建築工事標準仕様書でも内装下地材として明確に位置づけられています。

つまり、PBは図面・現場の両方で頻出する重要用語です。図面を読む立場の方は、厚みや仕様区分まで理解しておくことが重要です。

PB(プラスターボード)の特徴とメリット・デメリット

PBは単なる「壁の板」ではありません。建築基準法や防火規定、遮音設計と深く関わる重要な内装下地材です。

ここでは構造・性能・注意点を実務目線で整理します。

PBの構造

PBは「石膏芯材+両面原紙」というシンプルな三層構造でできています。

石膏には約21%の結晶水が含まれており、火災時に水蒸気として放出されることで温度上昇を抑える特性があります。このため、石膏ボードは防火構造・準耐火構造で広く採用されています。また、原紙はビス保持力や施工性を高める役割を持ちます。

つまり、PBは構造的に「防火性能を備えた下地材」です。単なる仕上げ前の板ではなく、防火性を高めたい場所に適用できる材料だと言えます。

メリット

PBの最大の強みは「安価で防火・遮音性能を確保できること」です。以下にメリットをまとめました。

  • 耐火性能が高い
  • 遮音性能を確保しやすい
  • 材料コストが安い
  • 加工しやすく施工が容易

石膏であるため耐火性に優れることはもちろん、ボード自体に質量があることから遮音性能にも寄与します。さらに、カッターで切断できる施工性の高さが工期短縮につながります。

コストと性能のバランスに優れているため、PBは現代建築の標準内装材となっているのが特徴です。

デメリット

PBは万能ではなく、水分と衝撃に弱いという弱点があります。以下にデメリットを整理しました。

  • 水回りには不向き(通常品の場合)
  • 強い衝撃で破損
  • 重量物設置にはアンカー必要

石膏は吸湿性があるので、結露や漏水が続くと強度低下やカビ発生の原因になります。また、点衝撃には弱く、家具のぶつかりで割れることもあります。環境条件を理解せず使うと不具合につながるケースもあるため、水回りでは「防水型ボード(GB-S)」を採用するなど、用途に応じた選定が重要です。

PBの種類一覧(建築でよく使うもの)

PB(プラスターボード)はすべて同じではありません。用途や求められる性能によって種類が分かれており、間違った選定は防火性能不足や湿気トラブルにつながります。

参考として以下に、実務でよく使われる代表的なPBの種類を整理しました。

種類表記例主な用途特徴注意点
普通石膏ボードGB-R一般壁・天井最も普及、安価水に弱い
強化石膏ボードGB-F防火区画・界壁ガラス繊維混入で耐火性能向上重量がやや増す
シージングボードGB-S水回り・外部下地防水・防湿処理済常時濡れは不可
遮音ボード集合住宅界壁密度が高く遮音性向上コスト高め

なお、選定基準は「防火性能・湿気環境・遮音性能」の3軸で判断します。

PBは「とりあえず貼る材料」ではないため、用途・法規・性能を理解して選ぶことが重要です。

PBの厚みは何mm?用途別に解説

建築で主に使われるPBの厚みは「9.5mm」「12.5mm」「15mm」の3種類が中心です。図面には「PB9.5」「PB12.5」などと記載されるケースがよくあります。

以下に、主な用途と厚みごとに異なる特徴を整理しました。

厚み主な用途特徴
9.5mm一般天井軽量で施工しやすい
12.5mm壁下地(標準)最も一般的
15mm以上防火・遮音仕様二重貼りと併用が多い

厚みが増すほど、耐火性・遮音性・剛性が向上するのが特徴です。たとえば、集合住宅の界壁では「PB12.5mm二重貼り」が一般的な仕様です。一方、天井は荷重負担が小さいため9.5mmが採用されるケースが多く見られます。

このように、PBの厚みは単なる数字ではなく、建物性能を左右する設計要素です。用途・法規・遮音要求を踏まえて選定することが重要となります。

建築工事でのPBの使用に関する注意点(アスベスト・解体時)

現行のPB自体にアスベストは含まれていませんが、改修・解体時は必ず事前調査が必要です。

2022年4月から石綿障害予防規則および大気汚染防止法が改正され、一定規模以上の解体・改修工事では有資格者による事前調査と報告が義務化されました。このとき、PBは非石綿ですが、接着剤・下地材・吹付材などに含有の可能性があります。そのため、解体時には以下の確認が求められます。

  • 建築年が2004年以前か
  • 吹付材や断熱材の有無
  • 事前調査報告書の提出義務対象か
  • レベル1〜3建材の区分確認

PB自体は安全な建材ですが、既存建物の改修では周辺材料の石綿リスクを必ず確認することが重要です。法令違反は罰則対象となるため、専門家と連携した対応が安心です。

LGSとPBの違いは?軽天工事との関係

LGSは「下地(骨組み)」、PBは「仕上げ前の面材(ボード)」です。

LGS(Light Gauge Steel)は軽量鉄骨で構成される下地材で、壁や天井の骨組みを形成します。その上にPBをビスで固定することで内装面が完成します。

つまり、LGSとPBは対になる存在です。違いを理解すれば、図面や現場の読み取り精度が上がります。

GBとPBの違いは?

GBとPBはほぼ同義で、どちらも石膏ボードを指します。GBはGypsum Board、PBはPlaster Boardの略称です。英語表記の違いであり、日本の建築実務では同じ材料として扱われるケースが大半です。実際、図面に以下のように記載されていたとしても、同じ材料として判断します。

  • PB12.5
  • GB-R 12.5

GB-RはJIS区分(普通石膏ボード)を示しており、PBはより一般的な略称です。実務上の性能差はないため、図面表記を読み分ける知識が重要です。

PB(プラスターボード)とケイカル板の違い

PBは内装下地向け、ケイカル板は耐水・外部用途向けという違いがあります。

PBは石膏を主成分とし、水分に弱い特性があります。一方、ケイカル板はケイ酸カルシウムを主成分とし、耐水性・耐候性に優れています。以下に主な違いを整理しました。

項目PBケイカル板
主成分石膏ケイ酸カルシウム
耐水性弱い強い
主用途内装壁・天井軒天・水回り
防火性能高い高い
施工性軽量で加工容易やや硬い

それぞれ特性や弱点が異なるため、用途を誤ると劣化や施工不良につながります。建築設計・施工のミスをなくすためにも、環境条件に応じた選定が重要です。

建築用語「PB」についてよくある質問【FAQ】

工事用語のPBとは?

工事用語のPBはプラスターボード(石膏ボード)の略称です。図面では「PB12.5」などと厚み付きで表記され、壁や天井の下地材として使用されます。現場では「PB貼り」「PB二重貼り」などと呼ばれ、防火性能や遮音性能を確保する目的で枚数や仕様が指定されます。

LGSとPBとは何ですか?

LGSは軽量鉄骨(Light Gauge Steel)で作る壁や天井の骨組みを指し、PBはその上に貼る石膏ボード(プラスターボード)です。LGSが構造の“下地”、PBが仕上げ前の“面材”という関係になります。両者を組み合わせる工法を軽天工事と呼び、オフィスや集合住宅で広く採用されています。

建築ボードの種類には何がありますか?

建築ボードには、普通石膏ボード(PB)、強化石膏ボード、防水ボード(GB-S)、遮音ボード、ケイカル板(ケイ酸カルシウム板)、合板などがあります。用途や防火・耐水条件に応じて選定します。水回りや外部にはケイカル板、内装下地にはPBが一般的です。

まとめ

PB(プラスターボード)は、壁や天井の下地として使われる石膏ボードで、耐火性・遮音性・施工性に優れた建築の基本材料です。厚みや種類、LGSとの関係を理解することで、図面の読み取りや仕様選定の精度が高まります。

PBには複数の種類があるほか、LGSやケイカル板と混同されやすいため、用途や法規を踏まえて適切に選ぶことが重要です。