大成建設、T-EAGLE杭工法を赤坂トラストタワー基礎に初適用、CO2削減へ活用

大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、システム計測株式会社(代表取締役会長:久保豊)との共同で開発を進めてきた大口径多段拡大場所打ち杭工法「T-EAGLE杭工法」を、超高層建築物の基礎工事に初めて採用しました。適用先となったのは、森トラスト株式会社とNTT都市開発株式会社が発注した「赤坂トラストタワー」(2025年10月竣工)です。
新工法の特徴と仕組み
この工法は、建物を支える杭の中間地点と最下部に拡大された部分を作ることで、地盤への荷重の伝わり方を強化する点が特徴です。その結果、杭の長さを従来よりも短くできるため、掘削作業で発生する土の量やCO2の排出量を抑えることができます。
近年、都市部における建物の高層化や大規模な空間の確保(柱と柱の間隔を広げる設計)が進んでおり、建物自体の重さや1本の柱にかかる負担が増えています。そのため、建物の基礎部分には、これらの重さを安全に地盤へ伝える高い性能が必要とされています。
従来工法の課題
これまでの拡底杭では、必要な支持力を得るために杭を長くする必要があり、その分、掘削する土の量やコンクリートの使用量が増加していました。これにより、次のような問題が生じていました。
・施工期間の長期化
・資材や機材の使用量増加
・コストの上昇
・CO2排出量の増大
T-EAGLE杭工法による改善効果
大成建設が開発したこの工法では、杭の中間部分と底部分に拡大部を設けることで、支持地盤への荷重の伝達機能を向上させています。中間部分の拡径と底部の拡底を組み合わせた効果により、1本の杭が持つ支持力と引き抜きに対する抵抗力を大きく高めることに成功しました。
これにより、必要な支持力を確保しながら、従来の工法と比べて以下の改善が実現できます。
・杭の長さと本数の削減
・施工工程の短縮
・掘削土量とCO2排出量の低減
・コスト削減
・工期の適正化
赤坂トラストタワーでの実績
今回、赤坂トラストタワーで使用されたT-EAGLE杭の仕様は以下の通りです。
・杭の長さ:30メートル
・中間部拡大部の直径:5.3メートル(国内で最大規模)
・コンクリート設計基準強度:60N/mm2
・長期荷重(建物の重さによって常時かかる荷重)の支持能力:約85メガニュートン
中間部と底部に設けた拡大部分の効果によって、従来の拡底杭と比較して杭の長さを約20メートル短縮することができました。この短縮により、以下の削減効果が得られています。
・掘削土量:約120立方メートルの削減
・CO2排出量:約60トンの削減
さらに、杭の長さが短くなったことでコンクリートの使用量も減少し、都市部での厳しい施工条件の中でも安定した品質を保つことが可能となりました。
今後の展開
大成建設は、この工法を今後2件の超高層建築物に適用する計画を進めています。また、すでに技術認定を取得している環境に配慮したコンクリートの活用も視野に入れており、この工法を積極的に提案していく方針です。
これらの取り組みを通じて、建築基礎工事のさらなる合理化と脱炭素化を推進し、持続可能な建設業界の実現に貢献していくとしています。
なお、T-EAGLE杭工法は、これまでに評定取得、環境配慮コンクリート適用での技術認証取得、令和6年度「科学技術分野の文部科学大臣表彰」における科学技術賞の受賞など、複数の実績を積み重ねてきた技術です。
出典情報
大成建設株式会社リリース,大口径多段拡大場所打ち杭工法「T-EAGLE®杭工法」を超高層建物に初適用-杭長の短縮により、掘削土量・CO2排出量を大幅に低減-,https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2026/260205_10917.html